今年も来たぞ!
昨年ヤクルトはセ・リーグで優勝したが、バレンティンは不本意な一年だっただろう。
厳しく内角を攻め、外角のボール球で打ち取る。そうした強打者に対しての基本の攻め方が効くのは分かっていても、調子に乗ったときのバレンティンには通用しないことが多々あった。厳しいコースのボールは見切られ、あるいはファウルにされる。根負けした投手は、投げる球がないと追い詰められ、いきおい最もケガの少ない外角一辺倒の攻めになる。これを、思い切って踏み込んでくるバレンティンに狙い打たれた。
半面、ボール球にクルクルとバットが回り、これが同じ人間か、と思うほどお粗末な打撃をする時期も長いから、余計に考えさせられたものだ。そういうときは、守備も走塁も緩慢で、敵のベンチからでも、やる気がないのが見て取れた。ヤクルトの首脳陣からしたら、たまらないだろうが、あれが彼のリズムなのだろう。
権藤博が分析「バレンティンはテンション次第でまるで別人」 | 日刊ゲンダイDIGITAL
調子を落とせば簡単に料理できるバッターとなる。
ならば投球術でバレンティンの調子を落とすようなことができれば良いかもしれない。
たとえば厳しくインコースを攻められて調子を落とす選手がいる。
特に助っ人外国人はインコースが苦手な選手が多く、そういうバッターは内角攻めで苦しむ。
ではバレンティンに執拗なインコース攻めが通用するかといえば、しないだろう。
バレンティンはそもそもインコースを苦手としていない。
2013年度版 バレンティン【ヤクルト】 コース別(ゾーン別)打率・成績
2014年度版 バレンティン【ヤクルト】 コース別(ゾーン別)打率・成績
上記は2013年と2014年のコース別の成績だが、バレンティンはインコースを苦としていない。
むしろインコース攻めではヒットされる。
内角低めに関しては打率が4割を超えてくる。
他の数字を見ても打たれそうな気がしてならないが、アウトコースは三振が多い。
特にアウトロー。
2013年はアウトローを.278と苦手ながら打っているといった感じ。
しかし外のボール球で三振が多いのを見るとアウトローから更に外に逃げていく球に手を出していたと伺える。
2014年は .139で三振も11とかなり苦手としていたようだ。
2013年と同様、外低めの逃げていくボールに手を出していたようだ。
そして2013年も2014年も低めのボール球での三振が多い。
フォークやチェンジアップに手を出して三振…と言った具合だろう。
縦の変化球は有効そうだ。
コース別成績から考えると、最も被害を抑えられるコースはアウトローだ。
といっても油断禁物。
バレンティンはアウトコースの球を低い弾道で打ち返す技術を持っている。
アウトローに決まらず少しでも浮いてしまうとライト線を抜けて長打に…神宮なら60号HRのようにスタンドに飛び込む可能性も大いに有り得る。
調子のいいバレンティンであれば外の球を低い弾道で弾き返せるのだ。
そして低めに落ちる球を集める。
といっても予めカウントを有利にしておかないと低め攻めはやりづらい。
またランナーがいる場合はパスボールやワイルドピッチというリスクもある。
しかしリスクの話をし始めたら野球なんてできない。
プロ野球には抑えるためにリスクを避けて通れない場面はある。
調子の良いバレンティンを攻略するなら基本に忠実な攻め方が良さそうだ。
球を低めに集め、落ちる球や外に逃げる球で三振を取る。
もちろんそれで打ち取るまでの組み立ても重要だが、ポイントは基本に忠実に攻めることだろう。
余談だが私がバレンティンの打ったHRで最も好きなものがこちら。
2013年4月27日、菅野から放ったHR。
スカッとジャパンにそのまま応募できるレベルにスカッとするHRである。
54号も好き。大好き。
ところでバレンティンとバレンタインって似てるよね。
おしまい。