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中国人民銀総裁「投機筋に主導させない」 元売りけん制

2016/2/13 23:13
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 【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は「投機筋には(為替)市場のムードを主導させない」と述べ、人民元空売りを仕掛けているとされる国際的なヘッジファンドなどをけん制した。中国誌「財新週刊」(電子版)が13日までに、インタビューの形で報じた。

記者会見する中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁

記者会見する中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁

 中国は春節(旧正月)の連休中だったが、「中国発」の市場の混乱が深まるなか、通貨当局トップの発言を伝えることで事態の収拾を図る狙いがありそうだ。

 周氏は人民元相場に関して、ドルや円、ユーロなど各主要通貨の「通貨バスケット」に対する安定を重視していると述べ、「結果として対ドルでの上下変動は今後大きくなるだろう」と語った。

 市場では景気減速を背景に人民元の先安観が強まっている。最近では米著名投資家ジョージ・ソロス氏が中国経済の「ハードランディング(急激な悪化)が避けられない」との見解を示し、中国当局は元安を期待する投機筋を警戒している。

 これに対し、周氏は「中国は世界最大の外貨準備を保有している」と指摘し、外貨準備を元手にドル売り・元買い介入を実施して人民元相場を支える余地があると示唆した。「国境をまたぐ資本移動は正常の範囲内にあり、人民元の下落が長く続く基礎はない」とも語った。

 為替レートの柔軟性を高める自由化改革を今後も進めると強調する一方で、「国際市場に影響がないよう、適切なタイミングを選びながら慎重に進める」と説明した。

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