数年前から糖質制限ダイエットが注目され、糖質オフのビールやチューハイといったアルコール商品や糖質オフのスイーツなどが続々と発売されています。日々の食生活で、糖質の摂取量に気をつけている人もいるのでは?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、糖質の1日の必要最低量はおよそ100gとされています。ご飯やパンには糖質が多く含まれているイメージがありますよね。炭水化物のなかには、どれくらいの糖質が含まれているのでしょうか?
今回はその点を探るため、管理栄養士の望月理恵子さんに「“糖質の多い炭水化物”トップ10」を伺ってみました。200gあたりの糖質で比較してみましょう。上位にランクインしている炭水化物は、ダイエット中は要注意です。
■10位:そば・茹でただけ(41.2g)
まず、ズルズルっと食べたいそばが10位にランクイン。
炭水化物量は少なくありませんが、消化がよく、ポリフェノールが含まれているため、健康的な炭水化物といわれています。
■9位:うどん・茹でただけ(41.6g)
温かくしても冷たくしてもおいしいうどん。
同じ重量のご飯と比較した際、うどんは水分を多く含むため、カロリーは低め。ただその分、うどんは量をたくさん食べてしまうので、あまり差はありません。
■8位:そうめん・茹でただけ(49.8g)
夏によく食べるそうめんは、サラっとしていて簡単に300gほど食べられてしまい、糖質アップしやすい食品のひとつです。
ミョウガやシソ、ネギなど薬味をたくさん使うと、糖質の吸収を穏やかになります。薬味たっぷりで食べるようにしましょう。
■7位:パスタ・茹でただけ(53.8g)
パスタソースを使ったり、自分なりのアレンジを楽しんだりと手軽につくれるパスタ。自作するときは、パスタ具材に海苔や野菜を多めにすることで、糖質の吸収を穏やかにします。
■6位:素焼きそば(54.75g)
料理が面倒な日も簡単に作れて、野菜も摂れる焼きそばですが、高カロリーといえるため、ダイエット中に食べすぎるのは注意したい食品です。
キャベツやピーマンなどの具材を多くすると穏やかな吸収になります。ただ人参は糖質の多い野菜のひとつなので、入れる量は控えめにしましょう。
■5位:素ラーメン(55.8g)
醤油や味噌といった定番から、坦々麺やサンマーメン、つけ麺などいろんな種類があるラーメン。なかでもつけ麺は、麺の量が1.5~2倍ほどになるので、その分糖質も増えるので調理の際は注意が必要です。
またラーメンを食べるときは、トッピングの卵やチャーシュー、もやしなどから食べはじめることで、糖質の吸収を穏やかにできます。食べる順番も意識してみてください。
■4位:白米(73.6g)
日本人の主食である白米が4位にランクイン。混ぜご飯や炊き込みご飯にして米の量を減らすと、糖質が少なくなります。また、たけのこご飯やかやくご飯にすることで、糖質の吸収を穏やかにできます。
■3位:コーンフレーク(81.2g)
朝食として食べることが多いコーンフレーク。200gでは81.2gと高めですが、実際には、1人前の分量は40gで糖質は17gほど。さらにビタミンやミネラルもバランスよく入っているので、糖質に気をつけている人にはおすすめです。
■2位:食パン(88.8g)
朝の食卓に欠かせない食パンは、ホームベーカリーを使って自宅で作る人も多いですよね。ライ麦パンや胚芽パンなどにすると、糖質の吸収を穏やかにすることができます。焼いても糖質は変わりません。
■1位:餅(99g)
1位は、お正月にたくさん食べるお餅。お雑煮が定番ですが、きなこをまぶしたり、醤油につけたりと、いろいろとアレンジして食べることが多いもの。
200gでは糖質が99gになりますが、切り餅1個では25gほどです。ただ、吸収がよく、血糖値をあげやすいので、食物繊維が多い野菜や海藻などの食品と一緒に食べるようにしましょう。もちろん食べすぎには要注意です。
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200g当たりのランキングでは、白米やパン、餅、コーンフレークの糖質が多いように見えますが、ご飯は1人前160gほど、パンは6つ切りで1枚60g、餅は1個50g、コーンフレークは1人前40gです。
そのため1回量としては、記載よりも少ない糖質摂取になります。
これに対して、そうめんは1人前300g、そばやパスタは1人前250gほどになり、実際に食べるときは、表記よりもプラスの糖質になるため注意しましょう。
健康や美容のためにも「何を食べようかな?」と迷ったときには、糖質を意識してメニューを選ぶようにするといいかもしれません。
(文/椎名恵麻)
【取材協力】
※望月理恵子・・・管理栄養士、サプリメントアドバイザー、ビタミンアドバイザー。調剤薬局、サプリメント会社に勤務後、独立。強制・禁止などの指導ではない“楽しく自然に身に付く栄養カウンセリング”と、アンチエイジングクリニックや皮膚科などで美容・肩こり・冷え・眼精疲労など“健康な人にもおこりうる悩みに対してのカウンセリング”を得意とする。現在は、健康検定協会を運営しながら、栄養専門誌など、幅広い媒体で執筆活動中。