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 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼった。減税額は安倍政権になって倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。財務省が公表した政策減税に関する調査報告書を、朝日新聞が独自に分析して分かった。

 「O(オー)012163」

 報告書では、減税項目ごとに利用上位10社がアルファベットと6桁の数字によるコードで示されている。報告書の公表は、民主党政権が10年につくった「租税特別措置透明化法」に基づく。民主党は当初、企業名の公表を目指していたが、経済界に配慮して匿名の報告書にした経緯がある。

 今回集計した政策減税(約1・2兆円)の半分を占める「研究開発減税」で、減税額が1083億円と最も多かった「O012163」が、世界最大の自動車販売を誇り、日本企業で最高の利益を上げるトヨタ自動車だった。

 報告書によると、O社は九つの減税項目でトップ10に入った。適用された減税の内容から業種を絞り込み、トヨタが公表する研究開発費用や税引き前の利益、納税額などと照らし合わせて、同社と特定した。