Picasaの終了と、10年続くウェブサービスの少なさ

Picasaの終了と、10年続くウェブサービスの少なさ

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Googleが写真サービスPicasaを終了し、Google Photosに統合するというニュースが入ってきています。

まだ移行方法には不透明な部分があり、以降にむけての変化も2016年5月1日から順次導入されるということになっていますので、それまでに新しく使う写真サービスを選ぶか、単純にGoogle Photosにログインしてそちらを利用するといった選択肢があります。

それにしても、写真のように時間とともに蓄積する情報を保存するサービスが、こうしてあてにならないと、ユーザーとしてはどうすればいいのでしょう?

10年続いたウェブサービスは?

Picasaのリリースは意外に古く、2002年の誕生以来14年が経過したサービスです。Googleによる買収は2004年、OSXを使っている人にとってはデスクトップアプリは2009年にようやく登場しましたので、まだそれほど古いサービスという印象はないかもしれません。

こうしてみると、10年続けて情報を保存してくれるウェブサービスがいかに珍しいかがわかります。

そう、思ったほどないのです。

ログがたまればたまるほど価値が増し、次第に離れづらくなるサービスは特に、写真、メール、ブックマーク、メモなどが挙げられますが、どの分野でも10年選手はまれです。

これはデータを預けるユーザーにとってはとても重大な問題で、継続してログを蓄積することでメリットを得たいと思った時に途中でサービスが終了してしまったのではなかなかつらいものがあるのです。

これについては先日みたいもん!のいしたにまさきさんが、NIFTY30周年によせて同じ点に触れていました。

ブログを始めるときに、ひとつだけ予感めいたものがあって、それは「これはやめちゃダメなものなんだろうな」というものでした。

だから、実はブログのASPを選ぶときに、実は機能でASPを選んではいないんですよね。どういうことかというと、「どこに自分のデータを預けるか?」ということを基準にして選んだんです。

だから、私はTypepadという機能でココログを選んだのではなくて、NIFTYが運営しているからココログを選びました。

NIFTYが30周年記念なので、全身全霊でココログに感謝の言葉を送ります | みたいもん!

特にこの10年は、クラウドの勃興、iPhone / Android に牽引されたモバイルシフトなど、業界を塗り替えるさまざまな状況がありました。だからこそ、Googleのような会社はPicasaを新しい時代に合わせるよりも、まったく別のものを作ろうとするのでしょうけれども…。

写真のログはどこに?

写真のログについては特に受難の歴史があり、Flickr が日本では展開されない、Apple が iPhoto から Aperture への移行をそそのかしてから「写真」アプリへの移行をあっさり決める、あるいは写真サービス Everpics、Revel、などのサービスの終了など、とにかくあてにならない状況が続いています。

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幸い、ようやく主要プレイヤーのすべてがデスクトップを監視して自動アップロードを行う仕組みが整備されてきましたので、我が家では Flickr uploadr が自動で Flickrへ、また Google Photos、EyeFi クラウド、Amazon Prime Photos へも写真がアップロードされるように Lightroom のファイルシステムが監視されています。

それぞれにそれぞれの特徴がありますので、そのうち横断レビューを書ければと思います。ざっというと、Flickr uploadr が重複を弾いてくれますので同期が最も信頼でき、Google Photo が写真を見つけやすいのでふだんよく触り、EyeFi が出先などで活躍して、Amazon Prime Photo は置き場所以上に便利なのか検討中という具合です。

長く続けるには、新しい試みを常に導入しては捨てること

こうしてみていると、10年ちゃんと続くサービスは10年同じことしているわけではなく、新しいことを取り込み、古きを廃し、生まれ変わっているという面があります。Gmailの検索は、UIとしての窓は同じでも、背後の技術はまるで違うといったようにです。

ちょっと偉そうですが、こんなことも考えてしまいます。

10年続くサービスはどれか? これまでは割合と嗅覚鋭く選んでくることができたほうでした。今後、さらに10年はどうなるのでしょう?

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