ということで、1からの続きとして読んでいただければと思うが、もうね・・・ボクちんが思っていたよりはるかに魑魅魍魎で、これじゃ若者の足引っ張るだけだよなと思う。保護者は近づかない方がいいわ。。。

 >針谷大輔たん

>反原発に右も左もないと思うが、左に見られるところが日本のアレなところ

ここでご存じない方のために、2011.6.11脱原発集会の騒動について説明します。


6.11 新宿・原発やめろデモ!!!!!

http://611shinjuku.tumblr.com/


「素人の乱」主催のこのデモで、最初に何人かが登壇して演説したのですが、ここに統一戦線義勇軍の針谷大輔氏も呼ぼうとしました。

そこで、開催に関わる「ヘイトスピーチに反対する会」が、針谷氏登壇を止めるよう要求しました。針谷氏は「アジア・太平洋戦争という侵略戦争を賛美し、八紘一宇という日本中心主義をとなえ、南京虐殺や慰安婦を否定し歴史修正主義という差別の再生産に寄与」する人物であり、針谷氏の登壇は「主催者団体がその団体を公的に支持、少なくとも容認している」というのがその理由でした。


「6.11新宿・原発やめろデモ」に対する公開質問状

http://livingtogether.blog91.fc2.com/blog-entry-96.html

“6.11新宿・原発やめろデモ”と“ヘイトスピーチに反対する会”の衝突

http://togetter.com/li/147056

「ヘイトスピーチに反対する会」有志の公開質問状を支持する

http://d.hatena.ne.jp/apesnotmonkeys/20110616/p1


続きます。


私は、針谷氏の登壇が、針谷氏の全ての主張の容認であるという「ヘイトスピーチに反対する会」の主張は無茶苦茶だと思いました。

さらに、同会の北守氏は「慰安婦南京否定の連中とつるまないと脱原発達成できない、というなら、日本中の原発が爆発して日本が滅んだ方がマシ」と放言しました。https://twitter.com/hokusyu82/status/78912180828909568 「「もしAしないとBができないなら、Cになったほうがまし」って仮定法。「Aはすべきじゃないし、べつにAしなくてもBできるだろ」」つまり、針谷氏を登壇させなくても脱原発は出来る筈だ、「反原発に右も左もない」という「クソ」への皮肉だという主張です。


従軍慰安婦問題と脱原発とは表裏一体の問題であり、分けて考えてはならない。自分は正しい、相手は間違っている。間違っている相手に妥協するくらいならみんな死ね。そういう主張でした。


しかし一方、発言の機会を与える=発言者の全思想の容認であり悪という発想は、それ以前から観ました。例えば金光翔氏の以下の寄稿です。


金光翔氏の「金光翔「<佐藤優現象>批判」(『インパクション』第160号(2007年11月刊)掲載)【上】 」

http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-1.html


続きます。

私が「ヘイトスピーチに反対する会」の主張にとっさに反駁したのは、「正しくない」意見は排除してよい、いや、聞く耳を持ってはならない。意見を聞いた者も同罪だという論理への反発でした。


同会、そして支持者の言動を観ても、要するに議会政治の否定なのですね。国会に登壇して、議員として活動を行う事自体が、同会にとっての悪、例えば原発推進、従軍慰安婦強制連行否定、日の丸・君が代法制化、天皇制、北朝鮮制裁などなどを「公的に支持、少なくとも容認している」事になるのですから。


煎じ詰めれば、自民党から共産党まで全て非合法化して、自らの一党独裁という論理的帰結になります。


ああ、一党独裁正当化の論理はこういう事なのだなと腑に落ちました。複数政党制は、「悪」の存在を認めるから許されない。悪は抹殺しなければならない、と。


次からやっと「保護者」についてです。


件の集会には、「ヘイトスピーチに反対する会」だけでなく、野間氏らも加わっていました。同会の針谷氏を出さない要求に対し、では自分たちも登壇して反論してはどうかと提案する者がいましたが、同会はこれを拒否しました。


さらに、当日は同会への抗議として、日の丸を持ち込んで演説した者から日の丸を取り上げたり、中山一也氏の「日本人は世界に誇れる民族だから」という発言を「レイシスト」と野次った事を成果として誇りました。

https://www.youtube.com/watch?v=boYumfuaEh4


こうした同会の態度に、賛同者も出る一方、反対者も多く出ました。

9月に発足した首都圏反原発連合(反原連)に、野間氏らが参加したのはそういう理由がありました。反原連は、脱原発一本に要求を絞ろうとしました。


首都圏反原発連合

http://coalitionagainstnukes.jp/


長すぎるのでもう1回で切ります。


反原連の方針は、「ヘイトスピーチに反対する会」や、いわゆる過激派、共産より左の野生の左翼にとって、いちいち衝突するものでした。


「脱原発に関係ない」労組や団体の旗を制限する一方、日の丸始め国・地域の国旗は容認。警察と折衝し、あまつさえ警察による交通整理要請に協力する。


こうして、反日の丸・反天皇・反警察etcは一体と主張する一部の左翼にとって、反原連は「右翼」「権力の犬」としての地位を確立し、以降の野間氏らの活動でも、これを左から批判する構図は一貫しています。


共産より左は、票数的には微々たる物ですし、意図的棄権者も多そうですが、この種の政治活動では無視出来ない発言力があるようです。ただし選挙的にはほぼ役に立たない(まだこの中では、中核派の方が「役に立つ」のでは)。


SEALDsは当初からの存在ではないけれども、基本的にヘイトスピーチに反対する会 VS 首都圏反原発連合の時と構図は同じです。ただ今回は、SEALDsの「保護者」として後者が付いています。


>安保闘争

これ、半年後の総選挙が自民党史上空前の大勝利(議席率基準。定数467で追加公認4を合わせ300議席、議席率は64.2%は自民党最高記録)というオチがあまりにも。


最初に知った時怪訝な印象を持ち、選挙の方から当時の展開を調べて行くと、もう選挙前から政権交代はないと誰しも分かっていた雰囲気だったようです。


支持率が17%(NHK調べ)まで下がっていた岸内閣が退陣すると、池田内閣は所得倍増計画で支持率を回復。完全に争点は経済になり、この時点でほぼ自民党の作戦勝ち。


選挙1ヶ月前に社会党の浅沼委員長が右翼少年に暗殺され、自民党も一時慌てましたが、池田首相は追悼演説を成功させて自党への批判を最小限に抑えた。


結果として、追加公認込みで自民300(+2)、社会145(+18)、民社17(-23)、共産3(+2)、佐賀県農政連1(+1)、無所属1(0)。


社会党は、離反した民社党から18議席を奪い返した物の失地回復はならず、共産党は微増。自民党は、得票数こそ約100万減らした物の、社会・民社潰し合いでお釣りが出る程度の影響に留めた(社会+民社では得票数120万増だが、分裂で候補が45人増え、自民は逆に38人減らした)。


しかも得票数比較を観ると、自民党は1960年代末まで得票数を減らし続けていたので、安保闘争の効果は好意的に見積もっても数十万票程度。

全国で百万単位の参加者があったはずの60年安保闘争でも、国政選挙への効果はこの程度なのかと、愕然としました。


この種の政治運動があるたび、「今度こそ」という一縷の望みを抱きつつ、案の定の選挙結果がになるのが定番です。


もしも浅沼委員長暗殺がなければ、60年安保闘争は選挙には逆効果という結果が出ていた可能性が高かった。これは衝撃でした。


ただ、調整型のリーダーで、叩き上げのドブ板選挙が身上の浅沼氏を「取り除いた」事は、長期的に見てやはり社会党の大損失、自民党の大利益でした。認めたくないけれども、社会党に打撃を与える目的としては大成功したテロ事件でした。


これは別に自民党が黒幕という話では無く、むしろ選挙的には跳ね上がりが余計な真似をしてくれた事件だったはず。しかし、自党に批判が降りかかるリスクを最小限に抑えた自民党と、同情票を皮算用して「選挙のためにはよかった」と間抜けなコメントをした社会党の中の人の差が、結果としてその後の両党の差にもなったと思いました。