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【オーストラリア】「喜んで技術提供する用意」:三菱重工社長、会見で強調

NNA 2月12日(金)8時30分配信

 次期潜水艦建造プロジェクト受注を目指し、オーストラリアでトップセールスを展開している三菱重工業の宮永俊一社長は11日、シドニー空港で記者会見し、オーストラリアに対する潜水艦技術の提供などに関し「決して後ろ向きではなく、喜んで受け入れる用意がある」などとアピールした。日本国内の一部に、オーストラリアでの全面的製造や最先端技術の供与を疑問視する向きがあることを一蹴した形。また「日本グループが一丸となっていてオーストラリア側に好印象を与えているという手応えを感じる」としている。【NNA豪州編集部】
 
 宮永社長率いる代表団は今回、アデレードにある政府系造船会社オーストラリアン・サブマリン・コーポレーション(ASC)の造船所をはじめ、パース、キャンベラ、シドニー各地の産業・大学関係者らを訪問。11日にはニューサウスウェールズ(NSW)州の議員団や企業幹部と会った。
 宮永社長は「潜水艦以外でもイノベーション分野など周辺分野で協力でき、両国の交流につながる。われわれリーディングカンパニーが柔軟な対応を確約したことでオーストラリア側は安心したはず」と話した。また今回は、日本の防衛産業にとっても、高度な技術力を維持する意味で重要なプロジェクトだとしている。
 
 ■全国紙「日本製がベストの選択」
 
 11日付の全国紙オーストラリアンは、「日本のそうりゅう型潜水艦を導入するのがベストな選択肢」だとするグレッグ・シェリダン記者による論説を掲載した。
 論説要旨は以下の通り:
 出遅れていた日本はドイツ、フランスに完全に追い付き、むしろ本命の位置にある。米国は、公的には中立の立場にあるものの、オーストラリアが日本の潜水艦を導入することを強く望んでいる。米国にとって、独仏よりも日本との関係が重要だからである。オーストラリアにとっても、日米両国は、独仏よりも重要である。
 そうりゅう型潜水艦は独自の戦闘システム搭載能力を持つが、そのシステムは米国の最新戦闘機システムよりは優れていない。しかし、日米軍事関係上、そうりゅうは最終的に米国の最新戦闘機システムを搭載できることになっている。
 もし日本がアデレードでオーストラリア向けにそうりゅう潜水艦を製造し、米国の戦闘システムを搭載した場合、日本にとっては自分の潜水艦よりも優れた潜水艦をオーストラリア向けに提供することになる。
 日本の若宮健嗣・防衛副大臣も、そうりゅう型潜水艦の最新ステルス技術に関する機密情報についてもオーストラリアと共有する考えを示している。
 日本が受注した場合に、雇用喪失を不安視する南オーストラリア州の議員団の間で反発が広がったが、今はその心配もなくなっている。
 独仏の最新潜水艦は、紙面設計上だけの代物であるのに対して、そうりゅう型はすでに存在し、技術・商業的なリスクはない。日本を選ぶ選択肢が最も理にかなっている。

最終更新:2月12日(金)8時30分

NNA

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