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津波で84人犠牲の大川小 保存か解体か住民が意見2月13日 19時29分
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東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲になった、宮城県石巻市の大川小学校の保存の是非を巡り、住民から意見を聞く初めての公聴会が13日石巻市で開かれました。
石巻市が開いた13日の公聴会には、遺族や市民など70人余りが出席し、保存や解体を求める立場から12人が発言しました。
このうち保存の立場では、大川小で当時6年生の妹を亡くした大学1年の女子学生が、「校舎を残すことで、これから何十年先も大川小の教訓を校舎を通じて伝えていける」と訴えました。
一方、解体の立場では、大川小で当時6年生の長女を亡くした父親が、「校舎が観光地化して傷ついている遺族も少なくなく、安らかに手を合わせられない。遺族にさらに苦しみを与える校舎は必要ない」と訴えました。
このほか、出席した遺族からは、「保存と解体の対立の構図を作らず、議論を続けていくべきだ」など、結論を急がず、時間をかけて議論するよう求める意見も出ました。
石巻市が去年行った住民の意向調査では、「一部保存」または「全部保存」という回答が市全体で過半数を占めた一方、地元の大川地区では逆に「解体」が過半数を占め、意見が分かれています。
公聴会のあと、石巻市の亀山紘市長は「さまざまな意見を受け止めて、それぞれが納得できる結論を出したい」と述べ、来月末までに結論を出す考えを改めて示しました。
このうち保存の立場では、大川小で当時6年生の妹を亡くした大学1年の女子学生が、「校舎を残すことで、これから何十年先も大川小の教訓を校舎を通じて伝えていける」と訴えました。
一方、解体の立場では、大川小で当時6年生の長女を亡くした父親が、「校舎が観光地化して傷ついている遺族も少なくなく、安らかに手を合わせられない。遺族にさらに苦しみを与える校舎は必要ない」と訴えました。
このほか、出席した遺族からは、「保存と解体の対立の構図を作らず、議論を続けていくべきだ」など、結論を急がず、時間をかけて議論するよう求める意見も出ました。
石巻市が去年行った住民の意向調査では、「一部保存」または「全部保存」という回答が市全体で過半数を占めた一方、地元の大川地区では逆に「解体」が過半数を占め、意見が分かれています。
公聴会のあと、石巻市の亀山紘市長は「さまざまな意見を受け止めて、それぞれが納得できる結論を出したい」と述べ、来月末までに結論を出す考えを改めて示しました。
これまでの経緯
東日本大震災の教訓を伝える各地の震災遺構を巡っては、自治体が有識者による会議などを設けて保存の是非を検討してきました。
このうち大川小学校については、県が設置した有識者の会議でも、遺族への配慮が必要だとして検討の対象に含まれないなど、本格的な議論が行われてきませんでした。
しかし、石巻市は震災の発生から5年となるのを前に、去年、大川小学校を震災遺構として保存するかどうか、今年度中に結論を出す方針を発表。市は検討チームを設けて保存費用などを調べるとともに、去年秋には石巻市全体の市民2000世帯と大川地区の住民490世帯を対象に初の意向調査を行いました。
その結果、石巻市全体では60%が「全部保存」または、「一部保存」と回答したのに対して、大川地区では「解体」が54%と過半数を占めました。
5年近くがたっても保存と解体で意見が割れ、いまだ複雑な感情が浮き彫りになるなか、石巻市は最終的な判断の参考にしようと13日の公聴会を開きました。
このうち大川小学校については、県が設置した有識者の会議でも、遺族への配慮が必要だとして検討の対象に含まれないなど、本格的な議論が行われてきませんでした。
しかし、石巻市は震災の発生から5年となるのを前に、去年、大川小学校を震災遺構として保存するかどうか、今年度中に結論を出す方針を発表。市は検討チームを設けて保存費用などを調べるとともに、去年秋には石巻市全体の市民2000世帯と大川地区の住民490世帯を対象に初の意向調査を行いました。
その結果、石巻市全体では60%が「全部保存」または、「一部保存」と回答したのに対して、大川地区では「解体」が54%と過半数を占めました。
5年近くがたっても保存と解体で意見が割れ、いまだ複雑な感情が浮き彫りになるなか、石巻市は最終的な判断の参考にしようと13日の公聴会を開きました。
石巻市長 来月末までに判断
石巻市の亀山紘市長は公聴会の終了後、来月末までに校舎を保存するか解体するか判断する考えを改めて示しました。このなかで亀山市長は「きょうの公聴会は校舎の保存か解体かで対立する場ではない。両者が納得できるような結論を出したい」と述べました。そのうえで、出席した住民から結論を急がないでほしいという意見が出たのに対し、亀山市長は「さまざまな人の意見をうかがっており、結論は見いだせると思う」と述べ、結論を先送りせずに、来月末までに校舎を保存するか解体するか判断する考えを改めて示しました。