堤恭太
2016年2月13日03時00分
戦争体験を伝える語り部の高齢化で、戦争の悲惨さを語り継ぐことが年々難しくなっている。そんな中で、君津地域の元女性教職員がつくる語り部のグループ「平和を語り継ぐ会」が後継者育成に取り組んでいる。戦争体験がなくても話せるようにと今月、新たな資料集もつくった。戦後70年以降への取り組みが始まっている。
「今日はスペシャル先生が来てくれました」。昨年12月10日、君津市立周南小学校5年生88人の子どもたちに相川利江さん(63)と山田邦枝さん(78)が紹介された。相川さんはこの日が語り部デビュー。教壇に立ったのは9年ぶりだ。
戦時中に使われた暗幕に覆われた室内灯を持ち、「これが何だかわかりますか」。手ぶり、身ぶりで説明する。その後を山田さんが引き継ぎ、戦時中の周南地区の話をする。子どもが犠牲になった米軍機の機銃掃射、防空壕(ごう)を掘ったこと、その防空壕が同小に今も残っていることを話す。
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