HOGHUGの日記  

February 09, 2016

今日のお題・・・・・・・・・・『オデッセイ』(2015年 米)

(原作:アンディ・ウィアー 監督リドリー・スコット 出演:マット・デイモン ジェシカ・チャステイン キウェテル・イジョフォー ジェフ・ダニエルズ他)

f:id:hoghug:20160208004724j:image

火星での有人探査に参加していた宇宙飛行士で植物学者でもあるマーク・ワトニー(マット・デイモン)は、想像を絶する巨大砂嵐に巻き込まれ、行方不明になってしまう。有人探査のリーダーであったメリッサルイス船長(ジェシカ・チャステイン)は、残りのクルーの安全を考えた末、ワトナーが死亡したと判断し、直ちに探査船を発進させて火星を去るのであった。しかし行方不明となってしまったワトニーは奇跡的に死を逃れていたのだが、一方で彼一人だけが火星に取り残された重過ぎる事実をも知る。ワトニーは4年後に到着するとされる次の探査船が火星にやって来るまでの間、知恵を絞って残された物資で生き残ろうと、あらゆる手段を尽くして行くが・・・


本作はアメリカ作家、アンディ・ウィアーによるベストセラー火星の人」を原作とし、『エイリアン』(1979年)、『ブレードランナー』(1982年)、『グラディエーター』(2000年)、『ブラックホーク・ダウン』(2001年)他、数多くの作品を発表されて来た巨匠リドリー・スコット監督が演出を務められ、『『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)で知られるドリュー・ゴダード脚本映画化されている。事故火星に一人取り残され、生存を掛けて一人奮闘する宇宙飛行士マーク・ワトニーにマット・デイモンが扮し、他にもジェシカ・チャステインキウェテル・イジョフォージェフ・ダニエルズクリステン・ウィグショーン・ビーンケイト・マーラ等が出演されたSF映画


それで今回はお金が無かったのでIMAX 3Dではなく、通常の2Dで観たのだけど、画質に限っては無問題でした。ただ音だけはIMAX音響効果で再現された方がド迫力だろうし、その部分だけは残念だったかも。 また一見してビジュアルやメカなんかは『エイリアン』の前日譚だと云われる『プロメテウス』(2012年)に近いようにも感じたのだけど(異星人のモノを除く)、複雑に構成された宇宙服なんかは火星にも映えてGPレーサーのレーシングスーツのように華やかだわ、未来ぽいんだが実にスタイリッシュ。そして白で統一された宇宙船や乗り物はスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968年)やダンカン・ジョーンズ監督の『月に囚われた男』(2009年)を髣髴させられたんだけど、やっぱちゃんとしている人(NASA専門家)を立てているせいか、どれを見ても嘘臭さなど微塵も無く、映画の半分はこれで出来ていると思ってもらっても間違いではない(ハハハハハ)。うーん、個人的には火星の荒野を砂煙を上げて走るローバー萌えなんだが(笑)、劇中のローバーってブルース・ウイリス主演でマイケル・ベイ監督の『アルマゲドン』(1998年)に登場したアルマジロみたいだわ(こっちの方が凄いけどね)、やっぱ月面?探索車って云うのは、何方が考えられてもあんな感じになるかなぁ・・・と感じたりもしましたな。


いやぁ、本当に面白かったよね・・・フォロワーさんも仰られていたのだけれど、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)よりも遥かに面白かった。また科学者達が団結して危機に立ち向かう様は嘗ての東宝特撮映画を思い出して胸アツだわ、面倒臭い科学考証もビジュアルから説得される部分も多々あり、台詞にそれが匂っても置いて行かれる事は殆どなかった(意識してSF的敷居を低くしたのだろうねぇ)。当初、予告なんかを見るとトム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』(2000年)なんかを想起させられたんだが、バレーボールの“ウィルソン”の代わりに科学的知識に裏打ちされた思考と行動力が相棒だったりして(笑)それから宇宙飛行士訓練の賜物なのか、食料調達の目途が立っても抑制して振る舞えるのがカッコイイ(ハハハハハ)。そんな中、生き抜く、と云う事に邁進する主人公マーク・ワトニー、これが重過ぎず軽過ぎず、日々の業務であるかのように火星に一人だったりするんだけど、物語もSFだけに終始する事はなく、時にコメディで詩的であったりとその都度に味わいと角度を変え、149分を豊饒に魅せる。個人的には何処かアーネスト・へミングウェイの「海流のなかの島々」の一編が思い出されると同時に、観ていると知らない内にポジティヴにもなれてしまえると云うか、さり気なく元気を頂ける処も良いよね・・・眼福と云うのはこの事だ。んで、中国パートに一部非難があるようなのだけど、今、アメリカ以外で宇宙開発一生懸命なのって中国ぐらいだと思うんだが、あの手この手を巡らせば当然、重要選択肢になるであろう事は云うまでもなく、それに触れずして描く事こそが逆に嘘臭い。まぁ、大昔なんて怪獣退治に全世界が協力していたし(笑)、少し前にはタイトルは忘れたけれど、ロシア宇宙船に助けてもらって危機を脱したなんて云うSF映画もあり、そこがSF映画らしくて俺は良かったよ。劇中の楽曲含め、お薦めの作品。

イワイワ 2016/02/09 16:55 こんな悲壮感ゼロのサバイバル映画、初めて観ましたよ(笑)
昔一度は聞いたことある元気な曲を過酷な状況下に被せるアイディアに関心しました。
ショーンビーンが出てて驚きました。しかも影の功労者。
昔悪役専門・今いい人、アメリカも日本も同じですな。

hoghughoghug 2016/02/10 15:40 イワさん、こんにちは〜

>悲壮感ゼロのサバイバル映画
そうですねぇ・・・逆に新鮮な感じもあり、製作は
狙ってたのではないか?と思います。にしてもまぁ、
あの状況を面白く見せられた手腕、スコットさんも大したもんです。

>ショーン・ビーン
ラスト、子供に何しているところが爽やかで良かったですよね。
またあの連中をオタクと呼んでしまえるNASA広報官、カッコ良かった(笑)

ではでは!!

投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/hoghug/20160209/p2