そうした最中の3日、タカ派で知られる稲田朋美・自民党政調会長が国会で安倍首相に「現実には全く合わなくなっている(憲法第)9条2項をこのままにしていくことこそが、立憲主義を空洞化するものだと考えるが、(安倍)総理のご意見を伺いたい」と質問した。
日本国憲法第9条1項は「戦争を放棄する」という内容であり、第9条2項はそれを実践するため「陸海空軍を保有せず、交戦権を認めない」という内容になっている。平和憲法の核心がここにすべて込められている。
安倍首相は「7割の憲法学者が(自衛隊に対して)憲法違反の疑いがあるという状況を(改憲を通じて)なくすべきではないかと(思っている)」と述べた。「(平和憲法は)米軍政時に作られた。私たちの手で変えなければならない」とも言った。翌4日も「『(憲法に)指一本触れてはならない』と考えることで思考停止になってはならない」と述べた。
このような発言をしても、日本は静かだった。昨年7月、自民党が衆議院で安保関連法を強行採決した時は、国会議事堂前に12万人が集まり、「安倍やめろ」と叫んだ。その後、日本の知識人の大多数は「ここまでだ。安倍首相がもう一歩踏み込んで改憲まで推進するのは容易ではないだろう」と言った。だが、金第1書記は今、それが変わるよう手助けしているところだ。
安倍首相は昨年夏から既に「集団的自衛権がなぜ必要なのか」を説明する時、「北朝鮮のミサイル」の例を頻繁に挙げていた。「日本も普通の国にならなければならない」と理念的な話を何度したところで、日本国民の心の中には反感しか生まれないので、逆に現実的な危険要素を挙げるべきだと判断したようだというのが、当時の日本の政治専門家たちの分析だった。安倍首相は正しかった。