人物
出自
学生時代
デビュー以後
1981年、作曲家
伊福部昭の薦めもあり、かつて受けたコンクールの審査委員長、
寺原伸夫の門を叩いたことから、中島の音楽人生はスタートする。少人数のサークル「詩人と作曲家の集い」のようなところで自作のピアノ曲を演奏したり、
詩人とのコラボレーションなどを始める。その後、「
日本音楽舞踊会議」という音楽団体に所属し、
1982年にピアノ作品を発表し、デビュー。さらに、「
日本作曲家協議会」という作曲家の団体に所属し、作曲家たちとの交流を深めていく。
ロシアとともに
備考
作風
作風は、保守的ながら激しいリズムとパワフル
[8]さが特徴。ロシア的な雰囲気
[9]が感じられる曲もある。民族主義的音楽というわけではないが、日本
民謡や、
童歌などの素材も使われている。調性感はあるが、決して古典的な
調性音楽ではなく、時に晦渋な和音
[10]が使われる。
カトリック教徒ということもあり、
聖書に基づいた宗教的題材
[11]の作品も手がけている。
初期には
無調性の作品も書かれていたが、早い段階で陰を潜めた。7回もの引っ越しで、楽譜の散逸がひどく、紛失した作品も多いという。濃いめのオーケストレーションから察するに、中島は
金須嘉之進から続いたロシア楽派の最後の一人に数えられるだろう。
主要作品
管弦楽曲
- オーケストラのための交響的挿話「地球」(モスクワ国立出版<MUZYKA>)
- オーケストラのための舞踊組曲「森の民」(マザーアース)
- オーケストラのための 日本民謡による「祭礼幻想」(マザーアース)
- トランペットとオーケストラのための小協奏曲(マザーアース)
- 舞踊曲:ラハム 〜電子オルガンオーケストラ版〜
室内楽曲
- 弦楽四重奏のための「トリスタ」(全音楽譜出版社)
- ピアノのための「モスクワ」(日本音楽舞踊会議)
- ピアノのための「3つの暗喩」(全音楽譜出版社)
- ピアノのための「秘め事」(日本音楽舞踊会議)
- ピアノのための「祭礼幻想」第二組曲(全音楽譜出版社)
- ピアノのための「森の民」(日本作曲家協議会)
- 2台のピアノのための「森の民」(全音楽譜出版社)
- パイプオルガンと朗読のための「ミゼレレ」(モスクワ国立出版<MUZYKA>)
- パイプオルガンと朗読のための「コヘレット」
- パイプオルガンと朗読のための「わらべ歌」
- パイプオルガンと打楽器のための「プレリュード」
- 電子オルガンのための「夢の中の出来事」
- 電子オルガンのための「エクソシズム」
- ヴィブラホーンとヴィオラとフルートのための「イルミナーツィア」
- ヴァイオリンとピアノのための「気まぐれな情景」
- ヴァイオリンソロのための「モノローグ」
- バラライカとピアノのための「今も心の中に・・」
声楽曲
- ピアノとソプラノのための「小ミサ曲」
- ピアノとソプラノのための「3つの子守唄」
- ピアノとバスのための「遠いふるさとの岸辺に」 詩:プーシキン
編曲作品
オーケストラからピアノへの編曲
脚注
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大坪硝子社長
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ハチャトゥリヤンの唯一の日本人弟子
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フレンニコフ作曲作品展はその後、1987年に日本でクライネフ・レーピン・キーシンとゲルギエフを迎え、大成功に終わっている。
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アラム・ハチャトゥリヤンの甥、ショスタコーヴィチの弟子
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典型例
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この団体は、1984年に「日ソ音楽家協会」という名前で発足したのだが、中島は、その数年前から設立準備メンバーとして、作曲家の芥川也寸志、寺原伸夫、翻訳家の小林久枝とともに事務作業にあたっていた。
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中島の後にロシアの音大作曲科へ留学する日本の学生は皆無ではないが、極めて少ない。
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典型例
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ピアノのための「森の民」冒頭部分
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典型例
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パイプオルガンと朗読のための「ミゼレレ」
参考文献
中島本人によるもの
- 中島克磨作品集 - プロフィール詳細解説 (ナビ)
- 決定版!!クラシック作曲家ファイル : 音楽史順で読む : 有名作曲家110名をピックアップ - (ドレミ楽譜出版社)
- 楽器・楽譜の色々 スコアリーディングを始める前に~ピアノからオーケストラまで~ ドレミ楽譜出版社; B5版
中島以外の人物によるもの
- 日本の作曲家 (日外アソシエート)P466
- 寺原伸夫 - 生涯と音楽活動 (鉱脈社)P226~238
- 日本・ロシア音楽家協会のあゆみ (ヤロム)P9,13~14
- 「音楽の世界」 1977.7月号 P18〜20(日本音楽舞踊会議)
外部リンク