【ブルゴーニュ: 112】アルマン ルソー 2012水平テイスティング(シャンベルタン・シャンベルタン クロ ド ベーズ)
こんにちは、HKOです。
本日は毎年恒例アルマンルソーの水平テイスティングです。
バックナンバーに2004年、2009年、2010年、2011年の記事もありますので合わせてどうぞ。
ちなみにリストは下記の通り。
◾︎2004年(4種類)
シャルムシャンベルタン
マジシャンベルタン
クロ ド ラ ロッシュ
クロ サン ジャック
◾︎2009年(4種類)
シャルムシャンベルタン
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
◾︎2010年(7種類)
ジュヴレシャンベルタン
シャルムシャンベルタン
マジシャンベルタン
クロ ド ラ ロッシュ
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
◾︎2011年(4種類)
ラヴォーサンジャック
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
平均的に4種類くらいは飲んでいたわけですが、今年は激減です。今回は水平の対象が2種類のみとなります。
【データ】
偉大な生産者を多く抱えるジュヴレシャンベルタンですが、その代名詞とも言える5人の生産者が居ます。デュガ ピィ、クロード デュガ、フーリエ、ドニ モルテ、そしてアルマンルソー。
いずれもブルゴーニュを代表する生産者で個性豊かな極めて高品質なワインを生み出します。
とりわけ評価が高くファンが多いのが、アルマンルソー。彼の作るシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズ、1級クロ サン ジャックはまさに別格。ブルゴーニュでも群を抜いた偉大なワインとされています。ルーミエ程では無いにせよ、旗艦銘柄は瞬殺です。
葡萄の平均樹齢45年以上。ただでさえ収量の少ない古木。かつ収量を25hl/haにまで絞った葡萄はリュットレゾネに則って栽培、熟したタイミングでやや早めに収穫されます。除梗は90%程度行われ低温浸漬を経て、アルコール発酵が行われます。ピジャージュは1日2回程度。キュヴェゾンは20日間。その後シャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ サン ジャックが100%新樽、その他の特級は80%新樽で20ヶ月程度の熟成を経たのち軽く濾過、卵白での清澄を行ったのち瓶詰めされます。
【テイスティングコメント】
生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2012

約110000円、WA94-96pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
当初獣香や鉄のニュアンスから徐々に柔らかい果実味が感じられる。シャンベルタンと比べるとエキス感が低く、比較的しなやかな甘みが感じられる香り。ややアルコール感が先に出ている。
よく熟したブラックベリーやダークチェリー、炭焼きの香り、抽出は抑えめだからか凝縮感はあまりなく、より横に広がっていくシロップの様な甘みがある。
ミルクティー、スミレや綺麗な鉄分の要素が強く、ミネラルの様な風味がある。土や樹脂、西洋杉、ワッフルの香りが感じられる。クローヴ、リコリス、コリアンダーなどの要素が感じられる。最終的に五香粉の様な香り。
口の中で強烈な凝縮感、酸味、タンニンに驚く。シャンベルタンよりも控えめながらも香りからは想像のつかないパワフルさで、鉄分や獣香、華やかなスミレの香りが口内で広がる。驚くべき堅牢ながら、しなやかである。
生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2012

約110000円、WA95-97pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
果実味豊かで一見キャッチーだが、堅牢で時間が経っても殆ど変わらない。かなり強烈な凝縮感がありエキス感豊か、蜜の様な甘みがある。
コンポートした様なツヤツヤとしたブラックベリーやダークチェリーが前面に出ており、ツヤツヤとしたテクスチャーを形成している。ミルクティーや華やかなスミレと炭焼き、五香粉の香りがバランス感がよく、徐々にキャラメルの様な樽と果実味のミックスした香りがある。土の様な香り。燻製肉、樹脂、クローヴやリコリスなと。
口の中で凝縮感と共に強い酸とタンニンのアタックが際立ちます。まとまりがあり、濃密なチェリーの果実味とミルクティー、スミレの様な余韻が感じられる。
【所感】
さすがです、アルマンルソー。今年も比類無きブルゴーニュを作っています。
さて、この項目ではヴィンテージ比較をしていますが、今回のシャンベルタンは今までで最も飲みやすい味わいとなっていると思います。無論タンニンや酸はエネルギッシュでパワフルですが、樽や抽出が強烈すぎない程度で抑えられ、しっかりと果実味の塊が感じられる様な作風になっています。無論長期熟成前提に作られているので、他の物と比べたら強いですが2009年の堅牢さからすると、かなり抑えられていると思います。
ではシャンベルタンとクロドベーズの比較を。
まずシャンベルタンから。
こちらはかなり輪郭がはっきりとしており、各々の要素がバランス良く際立っています。かなりグロッシーな質感のワインで一塊感が半端ないです。凝縮感があり、膨大な要素が球体にまとめられています。極めて良く熟した果実味があり、さながらリキュールのごときグリセリンに満ちた味わいです。その中に強い抽出と樽に起因する華やかさやロースト香が存在しています。
一見近づきやすく感じますが、上記の樽や抽出の強さから、ブルゴーニュとしては非常にパワフルなタンニンと酸があり、やはり熟成してから飲む事が望ましいというのが、ハッキリと分かります。
対してシャンベルタン クロ ド ベーズはより難解です。
果実味よりも樽の要素や独特の抽出起因の鉄分や獣香を思わせる風味が際立ちます。果実味も極めて高いのですが、一塊感はなく、横に広がって拡散していくかの様な印象を受けます。広がりのある空間的なグランクリュといった感じでしょうか。またミネラル感もあり、様々な要素が複雑に絡み合い、一つの空間を成している様な感じです。シャンベルタンの様なハッキリとした輪郭のグロッシーなワインというよりは、より複雑で、悪い言い方ですが、輪郭がぼやけた空間的なワインだと思います。各々の要素の主張が絡み合っているから、ワインの本質を掴むのが極めて難しい。
口に含むと、シャンベルタンに近い強いタンニンと酸が感じられ、接頭徹尾排他的な印象を受けます。
こちらはそもそも熟成向けで、シャンベルタンの様な近づきやすさ(偽りのですが)がないですね。
確かに甘露さはあるのですが、それがこのワインの素晴らしいポイントかと言われると、そうでない。
飲めるのには飲めるけども、それがこのワインの本質ではない、というのがひしひしと伝わるんですよね。
難しいワインです。
いつも同じ生産者の畑違いに関しては醸造的要素の違いが主軸となると主張をしていますが、おそらく今回は本当にテロワールの差なんでしょうね。
それこそ、お互い隣接しあっている畑なのですが、実は内情は異なっていて、標高が高く、傾斜が急で丘の中央にある事によって風から守られる、軽く水捌けのよいクロドベース。さらに標高が高く、グリザール渓谷に隣接するため冷涼な気候となっている、粘土質のシャンベルタン。
かなり土壌や気候に関して違いがあります。
ピノノワール栽培においては、明らかにハングタイムが長く肥沃な土地とされるシャンベルタンの方、が骨格が強く、果実味とアルコール度数が高いワインを産出する。またハングタイムがやや短く痩せた土地であるクロドベースに関しても華やかでエレガンスのあるワインを産出する。
今回のテイスティングの印象から考えると、土壌や気候から齎される影響と合致しているので、ほぼこれじゃないかと。
そう考えるとルソーは意外と醸造手法ではなく(勿論新樽やピジャージュなどで上位下位の差別化はありますが)ありのままのテロワールを瓶詰めしているといった感じですね。
非常に良いテイスティングになったと思います。
かなりアルマンルソーは飲んでいる方なのでわかった気になってましたが、てんでまだまだですねー。
本日は毎年恒例アルマンルソーの水平テイスティングです。
バックナンバーに2004年、2009年、2010年、2011年の記事もありますので合わせてどうぞ。
ちなみにリストは下記の通り。
◾︎2004年(4種類)
シャルムシャンベルタン
マジシャンベルタン
クロ ド ラ ロッシュ
クロ サン ジャック
◾︎2009年(4種類)
シャルムシャンベルタン
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
◾︎2010年(7種類)
ジュヴレシャンベルタン
シャルムシャンベルタン
マジシャンベルタン
クロ ド ラ ロッシュ
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
◾︎2011年(4種類)
ラヴォーサンジャック
リュショットシャンベルタン
クロ サン ジャック
シャンベルタン
平均的に4種類くらいは飲んでいたわけですが、今年は激減です。今回は水平の対象が2種類のみとなります。
【データ】
偉大な生産者を多く抱えるジュヴレシャンベルタンですが、その代名詞とも言える5人の生産者が居ます。デュガ ピィ、クロード デュガ、フーリエ、ドニ モルテ、そしてアルマンルソー。
いずれもブルゴーニュを代表する生産者で個性豊かな極めて高品質なワインを生み出します。
とりわけ評価が高くファンが多いのが、アルマンルソー。彼の作るシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズ、1級クロ サン ジャックはまさに別格。ブルゴーニュでも群を抜いた偉大なワインとされています。ルーミエ程では無いにせよ、旗艦銘柄は瞬殺です。
葡萄の平均樹齢45年以上。ただでさえ収量の少ない古木。かつ収量を25hl/haにまで絞った葡萄はリュットレゾネに則って栽培、熟したタイミングでやや早めに収穫されます。除梗は90%程度行われ低温浸漬を経て、アルコール発酵が行われます。ピジャージュは1日2回程度。キュヴェゾンは20日間。その後シャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ サン ジャックが100%新樽、その他の特級は80%新樽で20ヶ月程度の熟成を経たのち軽く濾過、卵白での清澄を行ったのち瓶詰めされます。
【テイスティングコメント】
生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ 2012

約110000円、WA94-96pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
当初獣香や鉄のニュアンスから徐々に柔らかい果実味が感じられる。シャンベルタンと比べるとエキス感が低く、比較的しなやかな甘みが感じられる香り。ややアルコール感が先に出ている。
よく熟したブラックベリーやダークチェリー、炭焼きの香り、抽出は抑えめだからか凝縮感はあまりなく、より横に広がっていくシロップの様な甘みがある。
ミルクティー、スミレや綺麗な鉄分の要素が強く、ミネラルの様な風味がある。土や樹脂、西洋杉、ワッフルの香りが感じられる。クローヴ、リコリス、コリアンダーなどの要素が感じられる。最終的に五香粉の様な香り。
口の中で強烈な凝縮感、酸味、タンニンに驚く。シャンベルタンよりも控えめながらも香りからは想像のつかないパワフルさで、鉄分や獣香、華やかなスミレの香りが口内で広がる。驚くべき堅牢ながら、しなやかである。
生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2012

約110000円、WA95-97pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
果実味豊かで一見キャッチーだが、堅牢で時間が経っても殆ど変わらない。かなり強烈な凝縮感がありエキス感豊か、蜜の様な甘みがある。
コンポートした様なツヤツヤとしたブラックベリーやダークチェリーが前面に出ており、ツヤツヤとしたテクスチャーを形成している。ミルクティーや華やかなスミレと炭焼き、五香粉の香りがバランス感がよく、徐々にキャラメルの様な樽と果実味のミックスした香りがある。土の様な香り。燻製肉、樹脂、クローヴやリコリスなと。
口の中で凝縮感と共に強い酸とタンニンのアタックが際立ちます。まとまりがあり、濃密なチェリーの果実味とミルクティー、スミレの様な余韻が感じられる。
【所感】
さすがです、アルマンルソー。今年も比類無きブルゴーニュを作っています。
さて、この項目ではヴィンテージ比較をしていますが、今回のシャンベルタンは今までで最も飲みやすい味わいとなっていると思います。無論タンニンや酸はエネルギッシュでパワフルですが、樽や抽出が強烈すぎない程度で抑えられ、しっかりと果実味の塊が感じられる様な作風になっています。無論長期熟成前提に作られているので、他の物と比べたら強いですが2009年の堅牢さからすると、かなり抑えられていると思います。
ではシャンベルタンとクロドベーズの比較を。
まずシャンベルタンから。
こちらはかなり輪郭がはっきりとしており、各々の要素がバランス良く際立っています。かなりグロッシーな質感のワインで一塊感が半端ないです。凝縮感があり、膨大な要素が球体にまとめられています。極めて良く熟した果実味があり、さながらリキュールのごときグリセリンに満ちた味わいです。その中に強い抽出と樽に起因する華やかさやロースト香が存在しています。
一見近づきやすく感じますが、上記の樽や抽出の強さから、ブルゴーニュとしては非常にパワフルなタンニンと酸があり、やはり熟成してから飲む事が望ましいというのが、ハッキリと分かります。
対してシャンベルタン クロ ド ベーズはより難解です。
果実味よりも樽の要素や独特の抽出起因の鉄分や獣香を思わせる風味が際立ちます。果実味も極めて高いのですが、一塊感はなく、横に広がって拡散していくかの様な印象を受けます。広がりのある空間的なグランクリュといった感じでしょうか。またミネラル感もあり、様々な要素が複雑に絡み合い、一つの空間を成している様な感じです。シャンベルタンの様なハッキリとした輪郭のグロッシーなワインというよりは、より複雑で、悪い言い方ですが、輪郭がぼやけた空間的なワインだと思います。各々の要素の主張が絡み合っているから、ワインの本質を掴むのが極めて難しい。
口に含むと、シャンベルタンに近い強いタンニンと酸が感じられ、接頭徹尾排他的な印象を受けます。
こちらはそもそも熟成向けで、シャンベルタンの様な近づきやすさ(偽りのですが)がないですね。
確かに甘露さはあるのですが、それがこのワインの素晴らしいポイントかと言われると、そうでない。
飲めるのには飲めるけども、それがこのワインの本質ではない、というのがひしひしと伝わるんですよね。
難しいワインです。
いつも同じ生産者の畑違いに関しては醸造的要素の違いが主軸となると主張をしていますが、おそらく今回は本当にテロワールの差なんでしょうね。
それこそ、お互い隣接しあっている畑なのですが、実は内情は異なっていて、標高が高く、傾斜が急で丘の中央にある事によって風から守られる、軽く水捌けのよいクロドベース。さらに標高が高く、グリザール渓谷に隣接するため冷涼な気候となっている、粘土質のシャンベルタン。
かなり土壌や気候に関して違いがあります。
ピノノワール栽培においては、明らかにハングタイムが長く肥沃な土地とされるシャンベルタンの方、が骨格が強く、果実味とアルコール度数が高いワインを産出する。またハングタイムがやや短く痩せた土地であるクロドベースに関しても華やかでエレガンスのあるワインを産出する。
今回のテイスティングの印象から考えると、土壌や気候から齎される影響と合致しているので、ほぼこれじゃないかと。
そう考えるとルソーは意外と醸造手法ではなく(勿論新樽やピジャージュなどで上位下位の差別化はありますが)ありのままのテロワールを瓶詰めしているといった感じですね。
非常に良いテイスティングになったと思います。
かなりアルマンルソーは飲んでいる方なのでわかった気になってましたが、てんでまだまだですねー。
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