横田さん母「北朝鮮は不誠実」
日本人拉致被害者などに関する再調査を中止するとの北朝鮮の突然の表明から一夜明けた13日、横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(80)は「不誠実な態度にいらだちを感じる」と改めて怒りの声を上げたうえで拉致問題の解決に向けたさらなる努力を日本政府に求めた。北朝鮮の「特別調査委員会」は日本政府が認定した拉致被害者以外の行方不明者や日本人妻なども調査対象としていたことから、これらの問題への影響も懸念されている。【太田圭介、岸達也、柳沢亮】
日本政府に行動力期待
早紀江さんは13日午前、報道陣の取材に応じ、「北朝鮮が不誠実な態度を取っていることにいらだちを感じる。(拉致被害者らの調査を北朝鮮が約束した)ストックホルム合意以外の道もあると思うので、政府には頑張っていただきたい」と語った。
核兵器などの開発を強行する北朝鮮に対して「(日本)政府も、こういうことが起きることはある程度認識していたかもしれないが、今回のことで北朝鮮がひどいことを平然とやり続け、人命も軽視する国だということが世界中に明らかになった」と強調。日本政府に対し「しっかりとした姿勢を崩さずに、世界各国と協調して行動力を発揮してほしい」と求めた。
一方で「けんかしましょうとは言っていない。これ以上ひどいことが起きないことが大事であり、平和になってほしい」と話し、平和的解決を望む考えも示した。
「私たちは親の立場でしか努力はできない。うそを言わずに拉致被害者を帰してくれれば何にも言わない」とも語った。
拉致被害者の曽我ひとみさん(56)=新潟県佐渡市=は13日、「北朝鮮が調査を中止すると知り、正直焦りを感じています。何らかの交渉ができる余地があるのなら、どんな方法でもいいので、一日も早く家族を取り戻せるようにしてください」とのコメントを発表した。