生活の豊かさが、私たちを貧しい「凡人」にしている!?

ご存知でしょうか?




生活が豊かになればなるほど、
私たちは「凡人」になってしまうようです。


凡人
特別な才能を持たない人のこと。
凡人の「凡」は「普通である」という意味。

「凡人」という言葉ほど、虚しい響きはありません。
引っ越したあとの部屋のように、寂しい感じがいたします。




しかし、現実問題として




「私は凡人だ・・・」




と感じておられる方は、かなり多いようです。
読者さまは、いかがでしょうか?




そして、日本人口の半分以上を占めているのは
間違いなく「凡人」の方でしょう。・・・悲しい現実として

・・・そして、何を隠しましょう。
当ブログ記事を投稿している私も凡人の一人です。
(ただし、違いは「脱凡人」を目指している所でしょう)




さて、『ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則』の中に
興味深い一文がございます。


「偉人はみんな、ハリネズミなのだ」


エサを探して動き回るハリネズミ

かわいいですねぇ。w

偉人はみんな、ハリネズミの性質を持っているようです。
・・・つまり、ハリネズミの性質を理解し、身につければ
私たちも「脱凡人」できるに違いありません。

では、偉人みんなに共通しているハリネズミの性質とは
一体なんでしょうか?
今回の記事は、このことを考察してまいります。


ハリネズミは何とも冴えない動物で、
・・・短い足でちょこちょこ歩き、餌を探し、
巣を守るだけの単純な生活をおくっている。


ハリネズミの生活はいたってシンプルです。




ハリネズミに、趣味はありません。
追いかけたい流行もありませんし、
海に遊びに行ったり、好奇心を満たすための冒険もしません。
見たいテレビ番組もありませんし、
チェックしたいお店もないのです。




ハリネズミに関心があるのは、たった2つ


  1. エサを探す
  2. 巣を守る

実は、この関心事の少なさが、
偉大な人物に共通している性質なのです。




近代の偉人として知られているビル・ゲイツの若い頃は
いかがでしょうか?


若きビル・ゲイツ

彼はコンピュータのプログラミングに
専ら関心を持っていました。
当時の彼にとっては、三度の飯よりもプログラミングでした。




では、若きアインシュタインはいかがですか?
彼は専ら相対性原理に注意を集中しました。


若きアインシュタイン


「フェルマーの最終定理にも、手をつけてみよう」

「人間の体の仕組みも、解明したい」




などとは、考えなかったはずです。




ビル・ゲイツは、プログラミングだけに打ち込みました。
ハリネズミのように・・・。
アインシュタインも相対性理論の解明だけに集中しました。
ハリネズミのように・・・。

その他全ての偉人達も、たった1つの分野に集中しました。
ハリネズミのように・・・。




この性質は偉大な企業にも見られるようです。

ウォルグリーンの例を考えてみましょう。
ウォルグリーンとは、アメリカ最大の薬局チェーンの一つです。


ウォルグリーンの店

ウォルグリーンは、1975年末から2000年までの間までの
株式運用成績が平均の15倍になっている企業です。




15倍!




この成績は、ゼネラル・エレクトリック社の4.7倍。
コカ・コーラ社の7.6倍です。
かなり凄いですねぇ~。

このウォルグリーンが飛躍した理由は何だと思われますか?




・・・そうです。
ウォルグリーンの経営陣の性質が、ハリネズミだったのです。
シンプルに徹したのです。
たった一つの考え方に、全力を傾けたのです。




著者のコリンズさんは、
ウォルグリーンへのインタビューに成功しています。


コーク・ウォルグリーンとのインタビューで、
わたしはこの偉大な実績をあげてきた理由をもっと掘り下げて、
われわれが理解できるようにしてほしいと、繰り返し求めた。
最後に、
ウォルグリーンは少々苛立ちながら、こう語った。
「そんなに複雑な話ではない。
 概念がつかめたから、
 後はひたすら真っ直ぐに進んできただけだ」
ではどのような概念なのか。じつに単純な概念である。
もっとも便利な最高のドラッグ・ストアで、
来客一人当たりの利益を最大限に増やす。
これだけだ。


ハリネズミのように、たった一つの目標を追求する。
そのために、全てを犠牲にする。
これが、ウォルグリーンの成功の秘訣でした。




・・・対する企業はエッカードです。

エッカードも、ウォルグリーンと同様ドラッグストアです。
1980年代初めの時点では、
エッカードとウォルグリーンは肩を並べていました。
どちらも売上高は17億ドルです。




しかし、20年後エッカードの成績は
海に沈むタイタニック号のようになりました。
結局J・C・ペニーという会社に買収されてしまうのです。

エッカードはなぜ大失敗したのでしょうか?
ハリネズミのように行動しなかったのが大きな原因のようです。


エッカードの経営陣は
根っからの買収屋であり、
店舗をまとめて買収する機会につぎつぎに飛びついていった。
全体を統一する明確な概念をもたないまま、
ここで42店、あそこで36店と、
手当り次第に店舗を買収していった。


さらにヒドい事に、エッカードは当時流行っていた
ビデオ市場にも参入したのです。
例えるなら、
ハリネズミの生活が複雑になった様なものです。




【一日の予定】
  1. エサを探す
  2. 巣を守る
  3. 湖で泳ぐ練習
  4. 巣の入り口に奇麗なお庭をつくる
  5. 鳥さんとお友達になる
  6. 森に冒険に行く etc.

あらゆる事に関心を持ち、あらゆる願望を満たそうとした結果
エッカードは大失敗してしまったのです。




・・・このことから、私たちは何を学べるでしょうか?




多くの関心を持つこと、これが失敗の前兆なのです。
多くの願望を満たそうとすること、これが「凡人」の性質です。
なぜなら、
人間は多くの分野で偉大になることが不可能だからです。




ノーベル物理学賞も受賞して、
冬季オリンピックでも金メダル・・・こんな人間、
いると思われますか?




逆に、
一つに専ら関心を向ける事、これが偉大の前兆です。
一つの願望を満たそうとする事、これが「偉人」の性質です。
なぜなら、
人間は、1つの分野であれば偉大になれるからです。




私たちの生活を見回して下さい。
私たち日本人は豊かです。
多くの食べ物があります。
多くの趣味を持てます。
多くのことに関心を持っています。
そして、やりたい事がたくさんあるのです。




この「たくさんある」という状況が問題なのです。
人を「凡人」にするのです。




なぜなら、
偉人はたった一つの関心事に執着するからです。
ビル・ゲイツがそうでした。
そして、アインシュタインもそうでした。




以上の理由で、
生活が豊かになればなるほど、
人は「凡人」になりやすくなります。

逆に、生活が貧しければ(シンプルであれば)、
人は「偉人」になりやすくなるのです。

私たちは、シンプルな生活スタイルを心がけたいものですね。
親愛なるハリネズミさんのように・・・。




【一日の予定】
  1. エサを探す
  2. 巣を守る

エサを探して動き回るハリネズミ


生活の豊かさが、私たちを貧しい「凡人」にしている!?」への1件のフィードバック

  1. 両国里香

    そうですよね。
    『多芸は無芸』とはよく言ったものですね。

    欲が出てあれこれ手を出そうとすると、
    結局どれも中途半端で続かなくなってしまい
    ますものね。(特に言えるのが、小さい頃
    のお稽古ごととか。その当時の私の友達も
    そうなのですが、ピアノ、バレー、水泳、書道
    と言った具合に子供にたくさん習い事をさせる
    親もいるみたいです。)

    やはりひとつのこと(多くても2つか3つ
    に絞る)に集中することがベストですよね。

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