遠藤雄二
2016年2月13日09時54分
JR高崎駅西口に住み着き、前脚に大けがをした猫を動物愛護団体のメンバーが5日に保護した。保護作戦は昨年5月から始まり、メンバーの出動は50回近くに及んだ。猫は左前脚を骨折し傷口が悪化する恐れがあるため、群馬県高崎市内の動物病院で今月6日に切断手術を受け、メンバーの家で新しい飼い主を待っている。
保護した動物愛護のNPO法人「群馬わんにゃんネットワーク」(飯田有紀子理事長)によると、キジトラ模様の猫が居着いたのは駅ビルと2階通路(デッキ)の間。コンクリートと金属に囲まれた場所だが、餌や水を与える人がいたため、離れなかったとみられる。しかし昨年春ごろ、左前脚をけがして、折れ曲がった状態になった。傷口が赤く腫れ、出血もたびたび確認された。
ネットワークは治療をするため昨年5月から捕獲器を仕掛け、8月には高崎署員らの協力を得て捕まえようとしたが、排水溝などにつながる狭いすき間に逃げ込まれた。
追いかけ回しても捕獲は難しいと判断し、メンバーらは昨秋以降、複数のすき間を毛布などで塞ぎ、出入り口を1カ所にしぼった。ただ、そこにネットを仕掛ける前に逃げられることが20回ほどあり、姿すら見えず空振りだった日を含めると出動は50回近いという。
日中の保護が失敗続きだったため、今月5日は日没後の午後6時半から6人で試みた。猫は出入り口から離れた場所にいた。メンバーは素早くすき間を毛布で塞ぎ、一時的に逃げ場をなくした。猫と間合いをとりながら、毛布の替わりにすき間の奥までネットを仕掛けた。毛布がなくなったのを見た猫は、すき間に入り込んでネットにかかったという。
猫は雄で、JRにちなんで「J(ジェイ)」と呼ばれている。手術後も食欲があり、左前脚がなくても日常生活に支障はないという。メンバーが人に慣れるように世話をしている。
飯田理事長は「治療でき、ほっとしているが、新しい家族と安住の場所が見つかるまで責任を果たしたい」と話す。譲渡希望や問い合わせはメール(g.wannet@gmail.com)へ。(遠藤雄二)
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朝日新聞社会部
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