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表面からは分からない市場の裏事情を、深田が赤裸々に描いていきます。コピペ、無断転載オッケーです(^^)商用コピーは一言お声がけください。※投資は自己責任でお願いします。

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  • 11/12/15--05:39: たまには
  • 休憩^ - ^


    {CE18C417-4573-42E2-BD8E-AB9A0A68C9F6:01}

    {4C127127-021D-4F38-8CC7-117B48F5DE3D:01}

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  • 11/12/15--14:56: 第10回戦 追記
  • 第10回戦 追記


    深田の精神状態なんてどうでもいい話だけど、訴訟が始まり、銀行口座を名義違いで差し押さえられ、中国スパイに付きまとわれ始めた頃はワケが分からなくて、かなり精神的に弱っていた。

    2013年の年末、半分ウツ状態で大阪の実家に帰り、2014年の初詣に母と出掛けた時に、神社で厄除けが五百円で売ってるのが見えて思わず手を伸ばしたら母にその手を掴まれた。

    「萌絵ちゃん、あんた、もしかして、厄が怖いとか言うんと違うやろな?」
    母が目を合わせて来た。
    どうしよう、さすがに母さんにスパイ事件やら訴訟事件の相談はし辛い。
    「あ、いや、別にそういうワケでは無いんですけど…」
    「あんた、初詣のお参りって言うのはな、こうやるんや!」
    母はお賽銭箱に小銭を投げて、パンパンッと柏手を叩き、
    「厄よ!来るなら来い!受けて立つ!」
    と叫んだ。

    母はドヤ顔で振り返り、この雰囲気では日々押し寄せてくる厄に対して挑戦状を叩きつけるまでは家に帰れない雰囲気になった。

    止むを得ず、深田は厄除けを棚に戻して、柏手を打ち、
    「厄よ!来るなら来い!受けて立つ!」
    と新年神に挑戦してしまった。

    後日詳しく書くが、結論から言うと、そこからいっそう酷い目に遭った。

    ボロボロになった私を見て、母は、「今日はこの程度で済んで良かったと神様に感謝しなさい。明日はもっと酷い目に遭うかもしれないんだからね。あんたみたいなデタラメな娘、私がご先祖様拝んでるからマグレで生き延びてるだけやから調子に乗るなよ」と慰めてくれた。

    2015年の初詣、深田は柏手を打って「参りました。そろそろ勘弁してください」と祈るハメになったのだ。´д` ;


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  • 11/12/15--15:00: 第11回戦 追記
  • 第11回戦 追記


    マイケルが一番ナゾ過ぎるというツッコミ。
    ごもっともです。
    台湾生まれ。知能指数200で5歳の頃にアメリカの研究所に送られそうになったことから彼の奇妙な人生は始まる。
    6歳でアメリカ人のエンジニアに設計を教えて欲しいと聞かれ、10歳で論文を書く。
    子供の頃から偏屈な論理派で、戒厳令下の台湾で蒋介石は神様では無いと近隣住民に教えを説いて、近隣一体はアンチ蒋介石になった。
    やり過ぎて、11歳で一週間投獄されて、一日中蒋介石万歳音頭を唱えさせられた。
    普通はそれで、洗脳されるのだが、余計に国民党が嫌いになる。

    学生時代に立体音響の特許を取り、日本の企業にライセンスしたお金でアメリカの大学院に入る。
    それ以来、彼は日本と日本人が大好きだ。
    日本人は、マナーが良い、清潔、ハートが美しい、金払いもいいと彼にとって最高の場所のようだ。
    サラリーマン3年目で、テキサスインスツルメンツの役員に30万ドルの投資を貰って起業。そこから米軍の開発に招かれるようになり、台湾で株式を公開した。

    性格はかなり宇宙人だ。
    ある大企業の社長に「どうして、こんなスペックの設計ができるんですか?」と聞かれて、「それは貴方のエンジニアが頭悪くて、俺が天才だからだ」と答えた。
    もちろん、商談は白紙。
    ある日、大企業の社長の秘書が「マイケルさんはいつも美人の社員を連れてますね」とお世辞を言うとキョロキョロして、「え?美人?俺は美人なんて連れてたことは無い、君の美しさが足りないからだ」と答えた。
    無論、商談は破談だ。
    みんなマイケルの才能に惚れ込むが、宇宙人過ぎる性格に辟易している。

    因みに、私もマイケルにはホトホト困らされているが、戦いが始まってしまったので勝つまでやるしかない。

    始まってしまったものは仕方ないのだ。

    0 0


    「なんだこの記事は!!」
    誌面のコピーが机上に叩きつけられた。
    ファーウェイのアイウェイが指名手配スパイだと書かれた記事を持って、取引先の部長がオフィスに押し掛けてきたのだ。
    「いや…なんだと言われても…」
    「うちの役員はファーウェイジャパンの社長と長年の付き合いなんだぞ。どうしてくれるんだ」
    「そんなこと言われても…」
    警察やらなんやらに相談しているうちに、何故だか記事が出回っていた。こっちだって理由を知りたいくらいだ。
    「深田萌絵!株アイドル時代の人脈を駆使して、この記事を記者に書かせたんだろう」
    ギロリと取引先の部長に睨まれ、深田は首を横に振る。本当に何も知らないので、答えようがない。
    「ふかだぁ!どうしてくれるんだ!?」
    「部長、冷静に考えてください。私にメディアを動かす力があったら、他人の為にその人脈使うよりも自分が有名になって稼ぐ為に使いますよね。フツーに考えて」
    そう言うと、部長は「確かに」と黙り込んだ。
    深田は作家になるのが夢で株アイドルになったが、株の記事以外に執筆依頼が来たことはない。無論、そんな深田にメディアを動かす力はあるわけもない。株アイドルと呼ばれていただけで芸能人ですら無い。
    「だいたい、ファーウェイの悪口書かれても、御社は何の痛手も無いのに何で怒ってるんですか?」
    「深田!お前は外資の人間だから、日本の商取引文化分かってないんだよ!」

    そう言って、取引先の部長は帰っていったのだが、なんで怒られたのかサッパリ分からなかった。

    「まーったく、なんで私が怒られるのよ!」
    深田はブツブツ文句を言った。
    「萌絵さん、大変です」
    「エリちゃん、今度は何よ」
    「このニュース見てください」
    と指差された記事を読んでみると、アイウェイが指名手配だというニュースを読んでファーウェイに問い合わせてみたという記事が流れていた。
    「なになに、『米国でスパイ認定された社員がいるのか事実確認をすると、「個別の従業員に関するお問合せはプライバシーもあり、回答は差し控えさせて頂きます」とのこと』って、そこ『スパイという事実はありません』って否定するべきとこじゃないの?」
    「なんでしょう。普通は否定する気がします」
    「無実だったらね」
    深田とエリは、またもやパソコンの前で顔を見合わせた。


    後日、その取引先は解放軍ロジスティクス保利集団と提携していたことが発覚した。いやはや、日本人は金に弱い。


    深田の運命やいかに…
    続く



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  • 11/17/15--07:05: 第12回戦 追記


  • 軍事とロジスティクス。
    日本の物流企業が解放軍のロジスティクスと手を組んでいたことには驚かされた。
    たぶん、戦争になれば、日本国内にいる国防動員法でテロリスト活動をさせられる中国人に物資や武器を運ぶ活動をこの企業が担うことになると思われる。

    (私は中国人が悪いと思っていない。共産党が国防動員法で在日中国人の家族を人質にできるので、彼らには選択の余地が無い)

    ロジスティクス戦略は戦争の要だ。

    物資、武器、お金が途切れれば、戦争では負ける。

    アメリカはここの技術開発に莫大な投資をした。
    それが情報ロジスティクス、インターネット。
    物資調達における要、クレジットカードの開発だ。

    銀レイカードを日本で普及させた某日本人は、その事を分かっていて、それを行なったと私に告げた。彼は、その目的までは私に告げずに姿を消した。

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    オフィスに入ると、台湾語と中国語のアナウンスが流れてる。マイケルが腕組みして目を瞑り、台湾の政治番組を聴いてるのだ。

    以前、マイケルに聴いたことがある。どうして、台湾に帰らないのかと。彼は、自分が馬英九の軍事技術密輸事件の証人だから、国民党が政権である限り台湾に入れば殺されてしまうと答えた。

    マイケルは毎朝台湾の政治番組を観ている。口には出さないが、国民党政権が野党となり、台湾に帰れる日を待っているのだ。

    「分かった」
    マイケルが唐突に口を開いた。
    「分かったって、何が?」
    「中国共産党の狙いだ。日本のネットワークを完全に制御して、データセンターにある日本の情報を全て中国に流出させることだ。早く外事警察に届けてくれ」
    「ハァ?また突拍子も無い事言わないでよ。また中央警察で精神病患者扱いされるのイヤよ」
    深田は冷たく突き放した。
    「このニュースを見ろ」
    パソコン画面には、台湾の学生が向日葵を掲げて「ブラックボックス協定反対」と行進する姿が見えた。二国間協定の内容詳細が公開されてないので、反対しているようだ。
    「台中サービス貿易協定反対運動がどうかしたの」
    台湾と中国の間では、サービス系の仕事を自由に行うことができるという協定を結ぼうとしている。それに台湾学生は反対しているのだ。
    「意味が分からないか」
    「サービス貿易協定で台湾人の仕事が無くなるから反対してるんでしょ」
    「そうじゃない、馬英九が台湾国内のネットワーク構築、ネットでの検索、データセンターの仕事を全て中国に移管する作戦で、ネット上の言論統制から個人情報を全て中国に統制される」
    「ちょっと待って、日本の大企業のサーバーって、コスト削減で台湾のデータセンターに移管してるよね」
    日本は土地や電気代が高いので、隣国の台湾にデータセンターを置く企業は増えている。特にフリーメールのサービスを行なっている企業は台湾のデータセンターを利用するケースが多い。
    「中国の狙いは、台湾のデータセンターにある日本と台湾のデータを全て中国に持って行くことだ」
    「そんなの通信回線に負荷が掛かり過ぎて無理でしょう」
    「だから、台湾中国間で海底ケーブルを設置した直後の今のタイミングでこの協定を結ぼうとしてるんだ」
    そうか、日本と中国の間にも海底ケーブルは敷かれているが、データのやり取りは統制されている。日台間で海底ケーブルを通じた通信は統制されていないので、台中間で自由にデータのやり取りができるようになれば、日本から台湾のデータセンターに向けて流れたデータはそのまま中国に抜けることになる。
    「台湾の中華電信の通信事業も全てファーウェイになるし、台湾にあるデータセンターもデータは全て中国のデータセンターに転送される事になる。これがこの協定の目的だ」
    「ちょっと待って。日本の携帯基地局の半分はファーウェイ、海底ケーブルもファーウェイ、となると衛星までファーウェイに制御されたら日本は…」
    「そうだな。国内でテロが起こったときに政府に伝えようにも携帯は使えないだろうし、衛星電話も使えなくなれば通信手段は無くなる。政府専用回線のセキュリティも怪しいものだな」

    中国共産党の対日通信インフラ戦、陸、海、空で陸、海は既に敗戦したも同然だ。

    余すところは衛星だが、中国は衛星を撃ち落とす兵器も開発したので、ハッキング出来なければ容赦なく日本の衛星を撃ち落とすだろう。


    深田の運命やいかに…そろそろ日本の運命が心配だ。

    続く

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    馬英九が習近平の為に締結した両岸サービス貿易協定はブラックボックス協定だと、識者から批判を浴びた。

    台湾の国民党議員の親戚に、10代の非武装学生に対して武力行使とか酷いねと話すと、「彼らは左翼に洗脳された可哀想な子供たちだ」と答えた。

    そう、台湾においては中国共産党は右、保守は左になってしまったのである。それに気が付いた台湾ローカルメディアでは、共産党のことを右翼と揶揄するようになった。

    さて、サービス貿易協定だがネットで検索してもサッパリ内容が出て来ない。調べに調べて、何度も検索すると、なんてこったい、サービスのスペルをワザと書き換えているのだ。serviceをserciveと直している。ようは、日本の原発事故の後、某団体が原子力の力をカタカナのカに書き換えたのと同じ手口だ。
                                                 ↓ココです。w

    この協定の内容を見ると、サービス貿易協定の中身の18ページに中国に百パーセント差し上げますというサービス業の内容で危険なものが混ざってます。

    台湾での第二塁電信事業とはインターネット関連事業です。

    1)存伝網路服務 保存及び伝送ネットワークサービス

    2)存取網路服務 保存及び検索ネットワークサービス


    これを抑えられたら、台湾でのネットの自由は程なくして中国の実効支配下になります。


    こんな危険な協定に日本政府の無関心もなかなかすごいものです。

    あと、中国の衛星攻撃兵器ですが、米国政府はこれにはキレまくってます。

    (英語だけど、読んでみてね❤︎)

    衛星攻撃兵器は電磁パルス攻撃で、電子系統を壊して機能不全にさせる攻撃方法も持っているようです。


    この電磁パルスミサイルですが、北朝鮮も対日用途て開発しているので、電磁パルス攻撃対応型の移動型データセンターを設計している人も少なからずいます。


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    アルファアイティーシステム社長、藤井一良からの訴え、第一回期日が始まった。
    法人取引だったのに、藤井は私とマイケルを個人で訴えてくるという卑怯な手段を取ってきていた。
    「法人取引だろうが」
    契約書を読み返しながら深田は裁判所へ向かう準備をしていたが、肝心のマイケルの姿がない。

    「エリちゃん、マイケルまだだよね?」
    「いま、マイケルさんと電話中です」
    エリは受話器を深田に渡した。
    「マイケル、遅刻するよ。どこにいるの?」
    「弁護士が行くから俺は行かなくていいだろ?」
    「だったら私も行かなくていいよね?」
    裁判所なんて、できれば行きたくない。
    「ダメだ。殆どの弁護士は顧客を敵側に売るから、裏取引されないようにお前は出席しろ。あと、傍聴席に注意しろ」
    そう言って、電話はプツリと切れた。

    深田はガチャンと受話器を置き、

    「いざという時に逃げ出す上司どう思う?」
    とエリを振り返ると、
    「逃げない上司を見た事ありません」
    と彼女は答えた。

    タクシーで裁判所に向かうと、あまりの汚なさに驚いた。古ぼけたコンクリートの建物にリノリウムの床、ドラマで見る大理石にステンドグラスの建物とは大違いだ。

    傍聴席には3人の男が既に座っていた。
    一人は梶原利之、一人は部下の宮西弁護士、もう一人は見覚えの無い男だった。
    小綺麗なグレーのスーツにシルバーのピンバッジをしていた。弁護士のピンバッジは金色の菊の御紋なので、見知らぬ紋章だ。
    万年筆に虫眼鏡のモチーフは企業のロゴマークデザインにも見えない。日本の家紋の辞典でも見た事が無い形状だ。
    『おかしいな…』
    深田は美大の頃にロゴデザインの授業に潜ったり、紋章学の授業に潜ったりしていたが、ロゴでも家紋でも無い奇妙な気分に取り憑かれた。

    「深田さん、アルファアイティシステムは法廷へ入ってください」
    鈴木書記官の声で深田は我にかえる。森川紀代弁護士は先に被告席に着席していた。

    第一回口頭弁論は次回期日を決めるだけの簡便なもので、ドラマのように弁護士同士が激論を交わすこともなく拍子抜けした。(因みに裁判で弁護士が激論を交わすのを、未だかつて見た事は無い。恐らく書類文化の日本人がまともに討論できるなら、外交もうまくいっていたはずだ)

    帰り道、タクシーを拾ってエリに電話した。彼女だけが心の支えだ。
    「萌絵さん、どうでしたか?」
    「いや、次回期日決めただけで、数分で終わった」 
    「変な人、来てませんでしたか?」
    「変な人はいなかったけど、変なバッジの人はいたね」 
    「どんなバッジですか?」
    「あとで絵にして送るよ。とりあえず、気疲れしたから帰って寝るわ。あとよろしく」
    「お疲れ様でした」
    電話を切った後、深田はサラサラと虫眼鏡と万年筆のバッジの絵を描いてエリとマイケルに送った。
    自宅に戻り、ソファに横たわるとマイケルから電話が入った。
    「万年筆と虫眼鏡は台湾調査局のバッジだ」
    「台湾調査局?」
    「そうだ。台湾の諜報機関。青幇の戴笠が設立した。馬英九はまだ俺を探している。藤井がコンタクトしたんだろう」
    「台湾調査局ってこんなバッジ?」
    「表向きは違う、裏任務のバッジはそれだ。俺はしばらく東京には入らない」
    そう言ってマイケルの電話は切れた。
    「超自分勝手なヤツ…」
    深田はスマホを置いて目を閉じた。
    とにかく、疲れたのだ。

    ピンポーン
    とインターホンの音で目覚めた。
    窓の外は真っ暗だ。時計を見ると既に六時
    ピンポーン
    慌ててインターホンの画面を見ると、スーツ姿の男が茶封筒を持って立っている。
    「え?誰だろう?」
    深田はあまりインターホンに応答しない。変な勧誘だったら嫌だからだ。
    ただ、男は宗教の勧誘にも、集金にも見えない。小綺麗なスーツ姿なのだ。
    「あれ?」
    スーツの胸元に見覚えのあるピンバッジが付いている。万年筆に虫眼鏡。
    深田はサッと顔色を変えた。
    マイケルを追っている台湾調査局?
    なんだ、これ、
    藤井一良は早稲田大学時代に偶然知り合っただけの友達じゃなかったのか。
    ハーフチャイニーズだとは聞いていた。
    その彼が、マイケルの設計を盗み、旧友を訴え、ファーウェイを使い、台湾調査局まで派遣してくるって、いったい何なんだ。
    こっちは金も権力もない個人だ。
    相手が国家だなんて冗談じゃない。

    正気になれ、
    猫パンチで戦車と闘ってるようなものだぞ、深田萌絵。
    この勝負、絶対に勝ち目はない。

    深田の運命やいかに…
    続く

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    藤井一良と出会ったのは、早稲田大学在学時の金融工学の授業だった。

    彼は、ファンドマネージャーだった私の前夫の訳本を持っていたことに感激して、一気に仲良くなって、前夫と今井雅人を紹介してしまった。

    彼は前夫のファンドと今井さんから仕事をもらって会社を大きくした。もちろん、見返りを求めたことは無い。

    私は彼を応援していた。才能あるクラスメイトに成功して欲しかったからだ。

    彼の生い立ちはこうだ。
    山口県産まれで、父親が日本人、母親が中国人。3歳で中国赴任の父親の為に中国へ渡航。両親共に仕事が忙しかったので、月曜から金曜までは24時間営業の施設に預けられっぱなし。
    10歳で日本に帰ってきた時は日本語を忘れてしまって一から勉強したので、大変苦労したと。

    その話に特に疑問は抱かなかった。

    ところが、ある日、藤井が中国語で電話をしている時に電話の相手があまりにも南昌訛りが強いのでマイケルが「誰?」と聞くと、「父親です」と彼は答えた。

    日本人の父親と中国語で会話?

    という疑問が浮上した。

    加えて言うと、中国で24時間子供を預ける施設なんかは聞いたことが無い。子供を預けたら売られるかもしれないし、子供は祖父母が育てるのが一般的だ。

    私の兄が中国人と結婚したが、彼女の実家に行くと彼女のお父さんが甥の面倒を見ていた。中国はこちらが主流。

    ということは、藤井が25年前に居た24時間施設とはなんだったのか。本当に幼稚園なんだろうか。

    彼は日本で結婚しているが、中国にも別の妻子がいる。

    彼は、いったい何者だったのだろうか。

    明日午後一時半から、東京地方裁判所516法廷で藤井一良の本人弁論があります。
    再会が果たせられるのだろうか。

    みなさん、良かったらお越しください。


    0 0

    皆様

    本日はアルファアイティシステムとの訴訟での本人弁論にわざわざ御参加くださいましてありがとうございました。

    アルファアイティ側は弁護士が2人、当方1人私だけで、2時間15分に渡る激論を交わしました。

    結果は分かりませんが、藤井君が私に1回か2回しか会った事がないと言うウソは明らかになったと思います。

    さすがにヘトヘトで腰痛くて、マッサージ予約してちょっと横になってます。
    {73F85C22-9624-4B87-BF75-7390E4CB8C30:01}


    今日、みんなが来てくれて、傍聴席から応援してくれて、すごく勇気がわきました。

    感謝です。

    判決は来年1月です。
    長い長い哀しみと苦しみの日々でした。まだまだ決着は付いてませんが、

    本当にわざわざありがとうございました(^∇^)

    0 0
  • 11/25/15--19:23: 将棋指しさんへ
  • Facebookのアカウント見たら三つ将棋指しさんの名前のアカウントがあってどれが本物か分かりませんでした。


    良かったら、そっちから友達申請してくださいね。

    あと、一般ブログ読者さんもご自由に申請してくださいませ^ - ^

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    「深田様、警備の者です」
    マンションの警備員が深田の部屋の扉の向こうから声を掛けた。
    結局、深田はインターホンに応答せずに、不審者が居ると警備員を呼んだのだ。
    「どうでしたか?」
    「男性は、深田様に書類を届けに来ただけだと仰って帰られました」
    「帰った。その書類は受け取られましたか」 
    「いえ、そのままお帰りになりました」 
     「書類を持ってきて、書類を預けずに帰ったの?」 
    深田が確認すると警備員はこくりと頷いた。
    ますますおかしい。通常なら、警備員かレセプションに荷物を預けるはずだ。
    「念のため、カメラの映像を保管しておいてもらえます?」
    「警察での被害届けが必要なので、一週間以内にご提出頂ければご用意できます」
    警備員はそう言って戻っていった。

    深田はスマホを手に取り、マイケルに事態を伝えようとするが繋がらない。
    「こんな大事な時に!」
    深田はもう知らないと、スマホを投げ出してソファにうつぶせた。

    ジリリリン、ジリリリン
    黒電話の呼び出し音に設定したスマホが鳴り出して目が醒める。知らずにウトウトしていた。
    マイケルか…?と思って電話に出ると「ハロー、ニーハオ!マイケルいますか?」と女性の声がした。マイケルの元秘書のジュディだ。彼女はいま、台湾にあるマイケルの家の近くに住んでいる。

    「ジュディ、マイケルは昼から連絡が取れないんだけどどうしたの?」
    「いま、台北警察が来て、マイケルを逮捕したから通知書にサインしてくださいと言われて…」
    ジュディは今にも消え入りそうな声を出した。
    「はぁ?罪状は何?」 
    「罪状は10年前と同じ。白紙の逮捕状」
    「ジュディ、それ、証拠に使えるからサインせずに写真に撮ってこっちに送って」
    そう言って電話を切った数分後に、またジュディから電話がかかってきた。
    「シェンティエン(深田)!」
    「写真は撮れた?」
    「それが変なの。警察に電話がかかってきて、ちょっと話した後に『マイケル逮捕は間違いでした』って言って帰っていったの」
    「写真撮った?」
    「警察も見切り発車がヤバいと思ったみたいで逮捕状を慌ててクシャクシャに丸めて逃げてった」
    「もう、なんだったの?」
    「警察官は近所の人だったんだけど、マイケルが台湾に着く深夜まで待つように台湾調査局に言われたけど、残業するのがイヤで早めに来たんだって」
    「マイケルは?」
    「捕まってなかったみたい。安心したら眠くなりました。おやすみなさーい」
    「あ、ちょっとジュディ。待って…」
    そう言ってジュディの電話はプツリと切れた。

    突然いなくなる亡命中のマイケル。

    突然現れて捜査する日本国内捜査権の無い台湾調査局。

    残業がイヤで手抜き仕事でジュディを訪問した台湾警察。

    気が済めば、勝手に電話を切る元秘書のジュディ。

    「台湾人、マイペース過ぎる…」
    いったい何なんだよ、と深田はクッションに顔を埋めた。
    亡命してるヤツもなんだが、スパイも警察も適当過ぎる。

    台湾国民党 対 深田

    深田の運命やいかに…
    続く

    0 0



    三菱東京UFJ銀行新宿中央支店長田中靖士による深田の銀行口座無断引き出し事件で勝ちました(^∇^)

    判決文の内容を纏めると、こんな感じ。すごい難しかったから、間違ってたらゴメン!

    外人と深田は別人だと一目みれば分かるでしょ。

    (東京裁判所の仮差押命令悪用しちゃいけないでしょ。これは、私の気持ち)

    仮差押命令受けても深田が銀行に対して訴訟を起こす権利が無くなる訳じゃ無いって考えれば分かるよね。

    だから、深田さんのお金全額返しなさい。

    と、こんな感じでした(^∇^)

    弁護士無しで戦ってますが、勝てました。返ってきたお金よりも使ったお金の方が多いですが、私の名誉が回復されました!!

    みんな。応援ありがとうございます。・°°・(>_<)・°°・。

    0 0



    皆様

    本日はアルファアイティシステムとの訴訟での本人弁論にわざわざ御参加くださいましてありがとうございました。

    アルファアイティ側は弁護士が2人、当方1人私だけで、2時間15分に渡る激論を交わしました。

    結果は分かりませんが、藤井君が私に1回か2回しか会った事がないと言うウソは明らかになったと思います。

    さすがにヘトヘトで腰痛くて、マッサージ予約してちょっと横になってます。

    今日、みんなが来てくれて、傍聴席から応援してくれて、すごく勇気がわきました。

    感謝です。

    判決は来年1月です。
    長い長い哀しみと苦しみの日々でした。まだまだ決着は付いてませんが、

    本当にわざわざありがとうございました(^∇^)

    0 0



    ストレスで顔のパーツがおかしくなったので、エステで調整中。

    昨日、証人尋問で裁判官から質問がありました。

    「創立の経緯を教えてください」

    でした。
    私の答えは、

    「2011年3月11日に原発事故があり、発電所内のカメラのチップが放射線で壊れて動かなくなりました。それを解決する為に、以前から知っていたマイケル(仮名)の技術を使えば、耐放射線チップで遠隔で発電所内を監視できるカメラを作ることができると思ったからです」(ホントはもっとシドロモドロだったと思う´д` ;けど、言いたい事はこんなこと)

    なんで。こんな変な会社始めちゃったのかな。
    それはみんなが思う疑問だよね。

    2011年、バークレイズを辞めて2年ほど、FXやったりしてた。バークレイズの時は投資銀行部門だったので、辞めてから1年間は疑われない為に株からわざと離れてた。

    でも、原発事故が多くの人の運命を変えたし、私の運命も変えたのだと思う。

    原発内部の様子が分からないということが、最大の課題だと思ったよ。

    その時、ふっと脳裏に浮上したのが、変なチップの開発者。彼が米軍向けに耐放射線チップを設計していたこと、動画をリアルタイムで無線伝送する技術を持っていることを思い出した。

    そうだ、リアルタイムに原発内部と津波を監視するシステムがあれば、最悪の事態は避けられるかもしれない、そう思った。

    それで、マイケルに連絡した。
    知り合ってから、半年ほど経ってのことだ。

    最初、マイケルに一緒に会社やろうと誘って断られた。
    当時は国内中堅商社とマイケルはジョイントベンチャーを経営してたからだ。

    でも、粘った。
    給料無しで仕事した。
    中堅商社の人より多くの資料を翻訳し、英語苦手だが通訳もした。

    数ヶ月して、マイケルはようやく私と会社を一緒に始めることにした。

    原発事故や地震被害で、自分に何ができるだろう?そう思った人はたくさんいるし、いたと思う。

    自分に何ができるんだろう?

    そう思ったところから始めたのがこの会社。
    だったかな。

    0 0
  • 11/29/15--00:54: 第16回戦 逃亡犯


  • 「エリちゃん!」
    月曜朝9時。
    深田はオフィスに駆け込むなり、エリを呼んだ。呼ばなくても、エリとバイトのこけししかいないのだが。
    「萌絵さん、どうしたんですか?」
    「マイケルが裁判の日から、全く連絡が取れない」
    「エエ!!本当ですか?」
    「台湾調査局には捕まってないはずなんだけど…」
    とは言うものの、深田は不安だった。
    「そうだ、マイケルさんの部屋の鍵を預かってますから、一緒に部屋に行ってみましょうよ。何か分かるかもしれません」
    エリはそう言って、引き出しから鍵を出した。

    二人はガチャガチャとマイケルの部屋に押しかけたが、部屋はもぬけの殻だった。
    潔癖なマイケルらしい、シンプルな部屋は整然と整えられて髪の毛一本落ちていない。マイケルが潔癖なのは、侵入者が訪れば一目瞭然にする為だ。
    「マイケルさーん!」
    「マイケル!」
    二人は声をあげる。
    寝室にもリビングにもマイケルの姿はなく、深田は書斎に入った。
    書棚には幾つものファイルが並んでいた。深田の書棚と違って本は一冊もない。マイケルは本を読まない。本を読まないのに、誰から何を聞かれても殆ど全ての質問に応えることができる。
    「なんだよ、このファイル」
    本も読まない書類も作らないマイケルがファイルなんて、と思って深田は好奇心でファイルを開いた。
    ペラリとカイザーエレクトロニクス社の社長から陳水扁に当てられた手紙が出てきた。
    『親愛なる陳水扁総統。ジョイントストライクファイター(統合打撃戦闘機)の開発を米国政府から受けて以来、私達は中国スパイや台湾マフィアからの執拗な攻撃にさらされ、特に王源慈氏の会社は危険な状態にあります。総統におかれましては、台湾国内における王氏の活動をサポートして頂きたく存じ上げます。
    カイザーエレクトロニクス社、社長より』
    「なんだ…これ…」
    カイザーエレクトロニクス社といえば、ロッキードマーティン社の下請けでマイケルと共同で開発を行なっていた会社だ。
    その会社の社長がわざわざ台湾総統に手紙を書くってどういうことだ。そして、何故その手紙の写しがここにあるんだ。

    http://www.prnewswire.com/news-releases/elbit-systems-and-kaiser-electronics-selected-for-lockheed-martin-joint-strike-fighter-73910952.html

    深田は不安に駆られてファイルのページを捲る。そこにはFBI被害者保護プログラムの証明書とステイトメントと書かれた書類が挟まっていた。
    『-ステイトメント- 私、王源慈は、FBI被害者保護プログラムにより、氏名をマイケル・コーに変更し、米国市民になることをここに宣誓します。マイケル・コー』
    ミミズがのたうったような汚いサインは紛れもなくマイケルの字だ。

    「カイザーエレクトロニクスの社長から、陳水扁総統への手紙、FBI被害者保護プログラム、アイデンティティー変更の宣誓書、マイケルの妄想みたいな話はもしかして本当なの…」
    深田は更にページを捲った。

    旧漢字だらけの書類に台湾検察と冠されたものが見られた。深田が習った中国語は文化大革命後の簡体字で、香港・台湾で利用されている複雑字を読むことは難しいが、いくつかの漢字は日本と共通だ。

    『告発者、焦祐鈞』名前に見覚えがあった。告発者は、刑事告発を行なった人間のことだが台湾語でも同じ意味だろう。
    「この名前は…」
    間違いなく、青幇元首領焦庭標の息子だ。
    マイケルがジョイントストライクファイターの設計を行なっていた時に馬英九と組んでその設計を盗んだ張本人。
    「いやいや、同姓同名かもしれないし…」
    スマホで焦の名前を検索すると、百度の辞典に彼の名前が出てきた。
    『焦祐鈞 台湾電電公会理事長、華邦電子社長』
    華邦電子、英名Winbondと言えば、台湾最大のチップメーカーだ。そこの社長が、マイケルを刑事告発している。

    http://wapbaike.baidu.com/view/3507741.htm?adapt=1&

    告発状の次のページには、台湾検察の書類が挟まっていた。
    『王源慈  逃亡犯』
    マイケルが台湾から米国へ亡命した直後の日付で、台湾検察から逃亡犯と名指しされた書類が出てきた。
    「マイケル、政治思想の違いで亡命しただけじゃないのか…?」
    よりによって、告発者がWINBONDの社長だなんて、そんなバカな。

    深田は血の気が引くのを感じた。
    金融の世界では信用が命だ。
    深田萌絵の名前で、株主から出資を受けてこの会社を立ち上げた。この会社の為に三年半で費した資金は、既に億を超えた。
    その企業価値の核となる技術を開発している人間が台湾で犯罪者で逃亡犯、その名はFBIの書類でマイケルの過去の名前であることが証明されている。

    「萌絵さん、やっぱりマイケルさんの行き先の手掛かり無いですね」
    エリがドアの向こうから声を掛ける。
    「萌絵さん?」
    深田はエリに応えることができなかった。
    仮に、マイケルが本当に犯罪者ならば、自分の立場は共謀犯だ。軽い罪なら台湾調査局が日本まで彼を追ってくるはずか無いし、台湾最大のチップメーカーの社長が告発するはずもない。
    まずい。マイケルの技術が日本を救える技術だと信じ、その開発の為に自分の資産だけでなく、他人資本まで入れてしまったので深田の責任は重い。それだけでなく、数少ない女友達のエリまで巻き込んでいる。
    「萌絵さん?」
    彼女の声が響く。
    「エリちゃん…」
    「どうかしたんですか」
    キョトンと大きな瞳でこちらを見つめるエリに深田は応えることができなかった。
    もしかしたら、自分は取り返しの付かないことをしてしまったかもしれない。エリに話せば彼女にまで責任が発生する。
    「エリちゃん、とりあえずオフィスに戻ろう」

    深田は、眩暈がする思いで几帳面に整理された部屋を後にした。

    続く

    0 0



    死刑制度のある日本と逃亡犯引渡し条約を結んでいる外国は少なく、意外だが米国と韓国しかない。

    無論、表上は国家とは認められない台湾とそんな条約を日本は結ぶはずもないのだ。


    今回、台湾調査局はマイケルを探して実力行使に出てきた。

    ここでポイントになるのは、何故台湾当局は外務省経由で国際警察を通じて日本の警察に協力を要請せずに台湾調査局を送り込んできたのかという部分である。

    彼らがそうできない理由、それはなんだったのだろうか。

    深田は共謀犯になるのだろうか。

    台湾最大の半導体メーカーWinnond とマイケルの関係はナゾだ。

    深田の運命、本当にどうなっちゃうの?という感じです。

    0 0



    「マイケルさん、いったいどこに行っちゃったんでしょうね」
    エリはタクシーでポツリと呟いた。マイケルと連絡が付かないなんて今までなかったことだ。

    エリの言葉で深田は二十歳の頃のことを思い出した。
    父親の会社が倒産した時、彼は何も言わずに失踪した。
    何カ月も父のことを思ったり、なじったり、恨んだり、会いたいと思ったある日、深田は母にこう言ったのだ。
    「お父さん、いったいどこに行っちゃったんだろうね」と。
    母はすかさず、「どっかで生きてるん違う?ゴキブリ並みの生命力だから」と答えて「確かに」と思ったことを覚えている。

    母と違って、深田は気が小さい打たれ弱い女だ。いつもクヨクヨしている幼少期だった。
    そんな自分には とてもではないが、エリを励ます言葉なんて思いつかない。
    「マイケル、ゴキブリ並みの生命力だから大丈夫だよ。ハハ」
    深田はカラ笑いをしながら、オフィスのドアを開けた。

    「ハロー!グッドモーニング!」
    マイケルがスタバのラテを飲みながら、笑顔で二人を迎えた。
    「おまえ!!このボケ!連絡も無しに何やってたんだよ!電話くらい出ろ!」
    深田はすかさずマイケルにキレた。エリが「萌絵さん、大阪弁になってますよ。英語でお願いします」と深田をつついた。
    「電話? 部屋に置きっぱなしだ。スマホはハッキングされ放題だからな。地球人は愚かだ。便利と引き換えに魂を売る」
    「どこに行ってたのよ。台湾調査局だけじゃなくて、台北警察がジュディのところにマイケルの逮捕通知持って来たのよ」
    「ジュディから聞いたよ。台湾調査局が俺を探して金曜日に来たということは、週明けには台湾国内の仕事があるから帰るだろう。だから、週末は隠れてたよ。軽井沢は素敵なところだった」
    「か、軽井沢!?」
    眠るに眠れず悪夢のような三日間を過ごした深田は、頭に血が上ってきた。
    「だったら、ちゃんと説明しておいて!それよりも、今日こそ、過去に何があったのか系統立てて全部説明してよ」
    「ノータイム。説明する時間なんかないぞ、これから外事警察に行く」
    マイケルはラテを持ったまま、表でタクシーを拾った。

    東京メトロ桜田門の出入り口すぐ横に警視庁がある。
    バリケードの横に立っている警備員とエリが少し話をすると中まで案内された。
    外事二課の陣内刑事と部下の久保田刑事が迎えてくれた。
    「深田さん、どうしたんですか?」
    「あの台湾調査局が藤井との裁判に現れて、その後、うちまで付けてきていたんです」
    窓の無い部屋で刑事と話すのは少し緊張する。
    「藤井の裁判に・・・」
    これまでの経緯を知る陣内と久保田は顔を見合わせた。
    「深田さん、どうして台湾はそこまでするんですか。私たちは、ちょっと理解できないんです」
    久保田さんは正直にそう答えた。当然と言えば、当然だ。
    フッとマイケルを見ると、いつもニコニコしている彼は沈痛な面持ちで語り始めた。
    「私は、米国でJSF計画(統合打撃戦闘機)で無人戦闘機向けに遠隔操作技術の開発を行なっていました。そこで、私の技術に目を付けたのが中国の国家安全部と人民解放軍です。全てはそこから始まりました」
    二人の刑事は信じられないという顔で目を見合わせた。
    「その事件まで米国政府は台湾を親米国家だとみなしていました。その為、チップの製造を台湾大手半導体メーカーTSMCに委託したのです。私はTSMCの社長と何度も会いました。そして、これは殆ど知られていないのですが、台湾の法律ではチップ設計の要ともいえるマスク(チップ製造の金型のようなもの)権利の帰属は工場となっていたのです。無論、米国政府もそこまで知らなかったのです」
    「ということは・・・?」
    「台湾は合法的に次世代型戦闘機の要ともいえるチップ設計を手に入れたのです」
    そうか、台湾調査局が日本で諜報活動しても合法なように、台湾では他人が設計したチップを基にマスク(チップの型みたいなの)を起こした工場に権利を帰属させ、技術流出を合法化しているのか。
    しかし、この米国最新戦闘機技術流出事件。台湾総統の馬英九が指揮を執り、Winbond社の社長とTSMCの社長が絡んでいるとは、あまりにも大き過ぎる事件だ。
    http://www.tsmc.com/japanese/default.htm

    「コーさん、すみません。その事件の犯人はTSMCだったということですか?」
    「いいえ、犯人は一人では無い国際犯罪集団青幇という台湾に居る暴力団で、中国共産党に協力しているのです。台湾国民党は殆どが青幇に属しています。馬英九、Winbond社長焦祐鈞、TSMC創業者張忠謀も青幇の構成員なのです。台湾国民党が国策で半導体メーカーを立ち上げた時、運営は青幇に任されたからです。JSF事件は、ラファイエット事件と同じように、何百人と言う人間と政治家が絡んだ一大事件だったんです」
    軍事技術流出事件には、各国の犯罪組織、企業、政治家と莫大な金が付きものだ。
    「どうして、台湾調査局は日本にまで来たんですか?」
    「それは、私が台湾で指名手配犯だからです」

    深田はマイケルを見た。
    やっぱり、指名手配は本当だったのか。
    「何の罪状で?」
    マイケルは首を振った。
    「私が逮捕された時、逮捕状には罪状が書かれていませんでした。名前だけが書かれた白紙の逮捕状で私は逮捕されたのです」
    全員が黙り込んだ。
    信じられない。
    台湾は一応民主主義国家では無いのか。白紙逮捕なんて、バカなことがあるのか。
    それとも、マイケルが大嘘吐きなのか、妄想に取り付かれているのか。作り話にしてはストーリーは複雑過ぎるし、信じるには登場人物の名前が大物過ぎる。
    「取調室で、何人もの警察官に『何故逮捕されたのか?』と何度も聞かれました。無理もない。白紙の逮捕状なんて、誰も見たことがないから警官達は、裏でよほど危険なことが起こっていると感づいて取調べを嫌がりました。即日刑事裁判が開かれ、白紙の逮捕状と中身のない書類を見た裁判官が『こんな裁判を開くことはできない』と言って、裁判を放棄して逃げ出しました。二人もです。三人目の裁判官が現れた時に彼は、『お前の罪状なんかどうでもいい。私の仕事はお前を牢屋にぶち込むことだ』と言って、有罪判決を下しました。罪は、登記された資本金と銀行残高が一致しない罪です」
    「そんなの当たり前じゃない」
    資本金は会社登記の時に銀行に振り込んだお金を登記するが、当然の如くつかえば残高は減る。それが罪ならば、この世の全ての企業がお縄になる。
    「台湾の法律ではそうなっているんだ。気に入らない会社の社長をいつでも逮捕できるように、その法律は作られている」
    「どうやって、亡命したのですか」
    「牢屋に入れられる瞬間、警官が『貴方は今夜殺される。消灯時間七時までに、誰かに助けてもらってください』と言って携帯電話を渡された。集団房のなかで、たった一人自分だけが携帯を持っていた。生粋の台湾人である政治家、王金平に電話をした」
    「王金平!?」
    刑事たちは目を見開いた。
    驚くのも無理はない。王金平は、今の台湾法務院の委員長、本法務部長だった馬英九のライバルだ。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E9%87%91%E5%B9%B3
    「王金平は馬の悪業に前から目を付けていたんです。だから、彼は私を助けた。王金平に牢屋から出してもらった直後、私は鞄一つの荷物で空港に向かい、アメリカに亡命したのです。その後、馬は台湾警察に命令して私に指名手配を掛けました。それが、FBIの保護下で名前を変えるきっかけになったのです。そして、先週金曜日、台湾調査局は私を探して東京まで来た。藤井一良の手を借りてです」
    マイケルは刑事達を見つめた。
    刑事は黙り込んだ。
    あまりにも壮大過ぎる事件、日米中台と四つの国を跨り、各国の法律と条約、それらの隙間を縫った犯罪はもはや警察の手におえる範囲ではないのは明白だった。
    「コーさん、こういっては何ですが、米国に帰った方が安全だと思います。日本には被害者を守るシステムはありませんので、貴方を守ることはできません。FBIに連絡したらどうですか?」
    陣内刑事は口火を切った。
    深田は『また、たらい回しか…』と落胆した。
    「もちろん連絡はしますが、FBIは日本では台湾調査局の違法行為について捜査する権利は無いので日本の警察に相談しろと言われるでしょう」
    「でも、警察は貴方が殺されてからしか動けないんです。申し訳ありませんが」
    刑事は申し訳無さそうにそう言った。

    警視庁の建物を出ると久保田刑事が追いかけてきて、携帯番号を書いた紙を深田に渡した。
    「藤井の法廷に立つ時は、連絡ください」
    日本の警察は犯罪を予防できない。そんな都市伝説はそろそろ変わるのかもしれない。

    深田の運命はいかに…
    続く

    0 0



    中国には無数の暴力団、幇が存在する。幇は日本で言うところのなんとか組みたいなもので、違うとすれば複数の幇に同時に所属する事ができるところだ。

    中国共産党、江沢民時代までは上海幇と呼ばれる幇の構成員が強かったが今は習近平によって一掃されてしまっている。

    有名どころで四海幇や竹連幇などもある。

    四海幇、竹連幇は台湾青幇の配下の暴力団組織で、台湾裏社会を牛耳る暴力団『青幇』(チンパン)は数百年の歴史を持つ強固な幇だ。
    語られている伝説では、青幇が最も栄えたのは上海疎開地時代、杜月生と黄金栄の時代だ。暴力団が一番儲かるのは戦争だ。麻薬、売春、武器の密売、そして諜報活動。
    日本の上海侵攻が成功したのは、青幇が国民党の情報を日本軍に売ったからである。今でこそ、青幇は抗日英雄と語られているが実は彼らこそが売国奴なのだ。


    青幇は決して日本軍のみを助けたのではない。彼らは日本軍を救い、共産党を救い、国民党にも協力した。
    青幇が戦後絶滅したと語られているのは、国民党の情報を共産党に売ったことにより最終的に『同朋を売るのは許せない』と共産党にマシンガンで銃撃された事件があった為だ。
    第二次世界大戦後、青幇は拠点を上海から香港に移動してそのまま消滅したと言われているが、実は違った。戦力の大半を失った国民党蒋介石に協力して、台湾を収めたのだ。

    蒋介石は毛福梅との間に出来た息子蒋経国を嫌っていた。理由は自分が家に帰らず上海で女遊びしている間に出来たからだ。

    蒋介石は蒋経国を暗殺しようと試みたが、蒋経国は暗殺を恐れてモスクワへ留学し共産主義を学んだ。元々、蒋経国は共産党だったのだが、国民党が力をつける程に共産党の監視下に置かれたので、敗戦した国民党に合流する。

    しかし、蒋経国は青幇を嫌っていた。また、青幇による暗殺を恐れて距離を置いていたが、ある頃から台湾政治の実務に関わるようになる。蒋介石の孫によると、晩年の蒋介石は酷い認知症で政治どころでなかったため、長男の蒋経国が実務に携わる。モスクワで政治経済の教育を受けた蒋経国が台湾を成長に導いた。蒋経国は反蒋介石ではない事を証明するため、自分の身を守る為に蒋介石を英雄にし立てあげた。蒋介石万歳音頭はそこから始まって、万歳しなかったマイケルは11歳で政治思想犯として投獄されたという皮肉な運命だ。

    蒋経国は青幇による台湾支配を嫌って、台湾人李登輝に政治を託すことを約束した直後に暗殺され、台湾政治は青幇下部組織で政治と経済を司る仁社に移行した。李登輝をしても、青幇には勝てなかった。

    仁社

    陳水扁は事実上抹殺されて、この物語は青幇下部組織仁社トップ馬英九に引き継がれていく。

    続く

    0 0



    ズズズ。
    深田はオレンジジュースをすする。
    普段ならカフェでは熱いカフェラテを頂くのだが、外事警察で事件について喋りっぱなしだったので喉がカラカラだ。
    特定秘密保護法が施行されなければ、日本の衛星情報なんてとてもじゃないけど守られない。(2014年春当時は施行前)
    マイケルが台湾調査局に誘拐されそうと被害を相談しても、アメリカみたいに被害者を守るシステムは無いからFBIに守ってくれとか、得意のたらい回しの術で煙に巻かれた。

    「日本って意外と安全じゃないんだな」
    考えてみれば治安は良いけど、国民を守るとか、スパイが国民を危機に貶めているという観点は無い国だ。自衛隊が戦地に赴いても銃に弾を詰めて構わないかどうか国会で議論する始末だ。
    総務省の予算17兆円に対して、防衛省は4兆円と四分の一なうえに支出はほぼ人件費で貧乏省だ。防衛省は野党によってとことん冷や飯食いをさせられてるのだ。
    「ラファイエット事件で殺されたフランス人は東京で殺された。犯人は捕まっていない」
    マイケルはサンドイッチを頬張りながら応える。ラファイエット事件では台仏の捜査員証人含めて総勢14人が殺され、事件はうやむやになった。
    「殺されても犯人すら捕まらないの?」
    「警察に被害届け出したら捜査してくれるのか?」
    言われてみればそうだ。
    昔、友達が強姦されて警察に被害届けを出したが、その後警察からは音沙汰なし。逗子でストーカーに殺されたのは、エリの友達だ。
    シンガポールでストーカー被害に逢った時、電話番号で加害者を割り出して2時間以内に逮捕してもらったと金融機関の女友達が言っていたのとは雲泥の差だ。
    「FBIに相談しようよ」
    「2008年の夏。馬英九が陳水扁を逮捕させた日、俺は台湾系FBI捜査官に捜査が打ち切られたと伝えられた。青幇は政治に強い。そして、警察捜査は常に政治だ」
    台仏中で巨額の賄賂と引き換えにラファイエット級フリゲート艦技術を中国解放軍へと売ったラファイエット事件の犯人を追った政治家は民進党の陳水扁元総統だけだ。
    「FBIも…。もうなす術が無いね」 
    深田はため息を吐いた。
    陳水扁は病床の身でありながら投獄されて、治療も受けられない苦しみから自殺未遂までした。馬英九が総統である限り、事件の捜査は再開されないどころかマイケルが台湾へ帰る日もこないだろう。
    「深田、どうしてまた会社を始めたか分かるか?」  
    深田は首を傾げた。
    「昔、台湾で公開企業の社長だった俺は充分な金があった。中国スパイに付きまとわれて、オフィスは襲撃され、400以上あった特許は米国最大の弁護士事務所に俺のサインを偽造されて失い、結果的に20億円近い借金を背負うことになった。五つあった家を売り、借金を全額返した頃にはホームレス寸前だった。FBIに相談した頃といえば、俺の技術を証明しようにも特許もなく、製品も破壊された後だった。台湾系捜査官が俺に放った言葉は、『マイケルさんの技術が本物だと証明するべきです』だった。偽物呼ばわりだ。ところが、自分が本物であることを証明する為に、またチップを開発しようにも金が無かった。チップの開発は金がかかり過ぎる。開発どころか、生活するだけで精一杯だった」
    凄惨なシチュエーションだ。
    自分だったら、たぶん絶望して自殺してるだろう。
    「捜査が中断になってしばらくして、自宅に手紙が届いた。米国特許庁が、偽造サインで取り消された俺の米国特許数十を返還してくれのだ。特許史上、取消した特許が返還されたのは初めての事件だ。この特許をすぐさま売りに出した。すぐにパテントトロールから連絡が来て、10特許で115万ドルの値段が付いた。おとなしく生きれば死ぬまで特許で生きていけることは確実だった」
    「でも、そうはしなかったのね」
    「俺はその金で元の会社のトップエンジニア2人を呼び戻して研究所を作った。金だけあって朽ち果てていくなら、俺は自分が本物であることを自分で証明する。それだけのことだ」
    深田はハッとした。マイケルの技術が市場に出回ると困る人物がいる。
    「マイケル、それだよ。マイケルの技術が市場で出回ると馬英九は困るんだよ。だから、藤井を使って製品化の妨害をしたんだ」
    アルファアイティの藤井はマイケルから依頼された製品化用ソフトウェアをいつまで経っても作らなかった。その意図は、市場にマイケルの製品を出さない為だ。
    瞬間、深田の携帯が鳴った。
    「萌絵さん、大変です!」 
    エリの声が震えている。
    「大変、大変って、なんなのよ」
    既に大変過ぎることが連日起こっている。
    「依頼していた基板設計の納品がなされませんでした」
    「な、納品されなかった?」
    「やられた、基板が無いと製品ができない。オフィスへ戻ろう」
    2人はカフェを飛び出し、オフィスへと急いだ。

    深田の運命やいかに…
    続く

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