難波:出来上がったラグにカーボンチューブを組み合わせて接着することで、フレームとして仕上がるという事ですね?
岩佐:そうです。自転車としての最大の特徴は、チタン焼結型3Dプリンターで製造するので、自由なジオメトリーのラグが製造可能。つまり完全フルオーダーフレームが短時間で作れる所にあります。
難波:一般的なラグを使ったフルオーダーフレームだと、早くて3ヶ月、場合によっては3年以上待つという事もありますが、オービトレックはどのくらいの納期を実現しているのでしょう?
岩佐:最終的な納期については、まだ検討中ですが、少なくとも3ヶ月かかるという事はありません。それよりも圧倒的に短時間の納品を可能にしています。
難波:いわゆる走りの性能自体は、例えばトレックやスペシャライズドといったフルカーボンを作り慣れている専業バイクメーカーを凌駕する走りを実現しているのでしょうか?
岩佐:この点については、目標としているポイントが違うという事を説明しておく必要があります。既存大手のブランドでは、フルオーダージオメトリーのバイクは作っていないので、フルオーダーで作れるオービトレックにメリットがあると思います。絶対的な軽さや剛性といった性能では、大手自転車メーカーの方が上ですが、一方で人によっては絶対的な性能よりもジオメトリーが大事という人がいる。オービトレックはそういった人向けの製品です。