人が思わず話しかけたくなる!印象がいい人の共通点「5S」とは

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2016.02.12

suzie.20160211

内気だったり人見知りだったり、理由や事情は人それぞれ。しかしいずれにしても、「人に話しかける」のが苦手だという人は決して少なくないはず。

とはいえ社会人として日常的に他者と接している以上、話しかけることを避けて生きるのは不可能だともいえます。

ところが、決してそうではないというユニークな角度から話を進めているのは、『話しかけなくていい! 会話術』(木村隆志著、CCCメディアハウス)の著者。

コミュニケーションに関するさまざまな相談を受けている「人間関係コンサルタント」だそうですが、ここでは「無言」か「ひとこと」のみで会話を盛り上げ、「相手から好かれる」テクニックを明かしているのです。

■「話す自信がない」のは仕方ない

自分から話しかけられない人は、「うまく話す自信がない」「嫌な顔をされたくない」と口を揃えるようにいうもの。しかし、それは仕方がないことなのだと著者はいいます。

なぜなら、そもそもほとんどの人は「自分から話しかけるよりも、相手から話しかけられたい」「そのほうが気楽だし、うれしい」と思っているから。

いまは簡単な手続きや安価で希望が叶いやすく、多くの人がそれに慣れてしまっている時代。

だから同じように人間関係においても、「話しかけられるのを待つだけ」という受け身のスタンスをとる人が増えているというのです。

だとすれば、「話しかけられやすい人」になりさえすれば多くのことを解決できるということになります。

では、そのためにはどうしたらいいのでしょうか?

■話しかけられ上手は「5S」上手

著者は、“話しかけられるのが上手な人”には5つの特徴があるのだと考えているそうです。

それによると、人が思わず話しかけたくなるのは、スマイル(smile=笑顔)、サイト(sight=視線)、サイン(sign=合図)、サルート(salute=会釈)、スキンシップ(skinship=接触)がある人。

なぜならこれら“5つのS”がある人には威圧感がなく、そればかりか相手に対して親近感を与えることができるかた。

つまり、必然的に話しかけられる機会が増えるというわけです。

ここで注目すべきは、“5つのS”はいずれも「声を発しない」ノンバーバル(非言語)コミュニケーションであり、会話に苦手意識がある人も問題なくできるものであるという点。

裏を返せば、「声を発しないところで、自分の印象が上がったり下がったりしている」ということだというわけです。

実際、アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンの実験結果によれば、「人の印象が形成されるのは、話の内容(言語情報)が7%、声の質やテンポ(聴覚情報)が38%、見た目(視覚情報)が55%」なのだとか。

つまりはそれほど、話すこと以上に目から入る情報が重要だということです。

もし“5つのS”のなかで欠けているものがあったとしても、それはスキルがないということでも、できないということでもなく、「ただやっていない」だけ。だからこそ、ぜひ実践してみてほしいと著者は提案しています。

■赤ちゃんに声をかけたくなる理由

たとえば人は赤ちゃんを見ると、つい声をかけたくなるもの。それも、この“5つのS”を感じるからなのだといいます。

赤ちゃんのニコニコ笑い、無垢な目でじっと見つめ、顔や手足をバタバタさせる仕草は合図や会釈に近いもの。また、手を出すとつかんでくれます。

つまり、本来ならこれくらい無防備なほうが、人間同士のコミュニケーションは活性化しやすいものだというのです。

だから“5つのS”を上手に使える人は、どんな人にも好印象を与えることが可能になるということ。

そしてなかでも特に効果が大きいのは、恋愛面なのだそうです。

「好き」という直接的な言葉よりも、笑顔を見せ、視線を送り、手を振るなどの合図を出し、ていねいな会釈や自然な接触ができるほうが、チャンスは広がっていくというわけです。

こうした基本的な考え方を軸として、本書では以後もさまざまな角度から「話しかけさせる」ためのテクニックを明かしています。

表情のつくり方はもちろんのこと、話しかけられやすいファッションなども紹介されているだけに、「なるほど!」と思えることがたくさん。

コミュニケーションの仕方で悩んでいる人には、きっと役立つことでしょう。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※木村隆志(2015)『話しかけなくていい! 会話術』CCCメディアハウス

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