2月12日
スティーブ・ジョブズ
この人いなきゃあ、こんなブログはおろか便利な世の中は生まれなかったんでしょうねぇ。いや、誰か別の人がやってたのかな。
既に、この人を語る作品はこれで3本目だとか。まだ亡くなったの最近なんですけどね。
とにかく、主役も俳優も大好きなので楽しみにしてた作品。早速見てまいりました。
あらすじ
1984年。スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は激怒していた。Macintosh発表会の40分前、本番で「ハロー」と挨拶するはずのマシンが黙ったままなのだ。マーケティング担当のジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)はカットしようと説得するが、ジョブズは折れない。
そこへジョブズの元恋人・クリスアン(キャサリン・ウォーターストン)が、5歳の娘リサを連れて現れる。認知しようとしないジョブズに抗議に来たのだ。
公私ないまぜに緊張感が高まる中、本番15分前に何かが閃いたジョブズは、胸ポケット付きの白いシャツを用意しろとジョアンナに指示。さらに共同創業者で親友のウォズニアック(セス・ローゲン)から頼まれたApple2チームへの謝辞をジョブズははねつける。
やがて自らがCEOにヘッドハンティングしたジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)に励まされ、ジョブズは舞台へ出て行く……。《HPより一部抜粋》
監督・キャスト
監督はイギリスが生んだ奇才ダニー・ボイル。
90年代を代表する映画のひとつであり、ヤク中の若者たちの怠惰な日々と更生を独特の表現で描いた「トレインスポッティング」が大ヒット。
その成功を経てハリウッドに進出し、レオナルド・ディカプリオを迎えて撮影し、伝説のビーチのに取り憑かれる青年を疾走感あふれるサスペンスに仕上げた「ザ・ビーチ」が結果振るわず、興行的に失敗したが、
次作、ウイルスによってロンドンが死の町と化してしまうという内容を低予算で作り上げたSFホラー映画「28日後・・・」がヒット。
その後も、力を失いつつある太陽を核爆弾で蘇らせようと旅立つ宇宙飛行士を、これまたサスペンス調に緊張感を張り巡らせたSF映画「サンシャイン2057」や、
アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた、スラム街の少年がクイズ番組で賞金を手にする「スラムドッグ$ミリオネア」、岩に挟まって出れなくなってしまった登山家の男の究極の決断を描いた「127時間」とどれも面白い作品ばかりです。
特徴としては、とにかく疾走感や躍動感を取り入れながら主人公が追い込まれてく作品もあれば、その逆を行くかのような恐怖心を煽りながら重厚にことが進んでいくパターンもあって、それをバスのきいたダンスミュージックで演出するというものが多いです。
ホント新作を見る度にいい音楽を使うのがやっぱり印象的ですね。
そうそう、ロンドンオリンピックの開会式の演出をしたのもこのお方です!!
この映画を見てたら男としてシャレオツでカッコイイなんて思われたくて見てた人、結構いるんじゃないですかね。恥ずかしながら当時の私もその一人。
ヘロイン中毒の主人公を筆頭にドラッグ漬けの仲間と毎日愉快に過ごしていたが、仕事をしようと一念発起するも採用されるわけが無い。そんななかドラッグの売人をやらないかと持ちかけられる。
パッと見、ドラッグを推奨したり助長させてるようにも思いがちだけど、そこを汚ね~便所に落としてしまった貴重なドラッグを顔からカラダごと突込み、その中が海の中っていうシーンから想像できるように、
シニカルにかつポップに仕上げた青春映画として非常に楽しめる作品だと思います。そんなダメなやつらをアンダーワールド、イギーポップらブリティッシュな音楽がまたかっこよくさせてくれんのがまたオツなんですよねぇ。
しかも嬉しいことに監督、この続編を当時と同じキャストでやるというビッグなニュースも先日飛び込んで来ました!これは楽しみだっ!!
主演のスティーブ・ジョブズを演じるのはマイケル・ファスベンダー。
この俳優も大好きです。喜怒哀楽とかを大まかに使い分けるのでなく、顔の奥に秘めた表情がなんともつかみどころが無く、恐怖だったり威厳だったりクレイジーだったりするときもあれば晴れ晴れとした穏やかな表情を数ミリ間隔で変化させる、捉え方次第ではあるけれど、そんな顔で魅了してくれる俳優さんだと思います。
例えていえばエリートでスマートなヤツが裏ではきたねーことやってる超ド変態な役とかやらせたらこの人きっとすごいです。例えになってないかwww
そんな彼のキャリアはスティーヴ・マックイーン監督の「ハンガー」で注目を浴び、その後も監督の次作SHAME-シェイム‐であらゆる賞にノミネート、受賞を獲得していきます。
そして、人類はミュータントに支配されるべきだと考え、親友と袂を分かつことになるエリック/後のマグニートー役を現在でも演じている、人気アメコミX-MENファースト・ジェネレーション、フューチャー&パストといったブロックバスター作品にもしっかり出演し存在感をしっかり残していたり、
また、プロメテウスでは、宇宙船乗組員をサポートするアンドロイド、デヴィッドを感情を表に出さず、従順でありながら冷徹な一面も覗かせるなど人間とロボットの境目を見事に表現していました。
他にも、かぶりものをした風変わりなバンドマンを声と動作だけ演じるというFRANK-フランク‐、有能な弁護士のちょっとした欲が、取り返しの付かないことになっていく転落ぶりを描いた悪の法則、
自由黒人だった男が奴隷になってしまう悲劇を描いたそれでも夜は明けるでは、傲慢でサデスティックな支配人役をこれでもかと見せ付けました。
今後は、シェイクスピア原作の戯曲を映画にしたマクベスやX-MENシリーズ最新作アポカリプス、人気アクションゲームの実写化、アサシン・クリードなどが控えています。
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彼をきちんと認識した作品がこれ。
暇さえあれば娼婦を買い、相手がいなければ自慰行為に走る、そんなセックス依存症の男の家に、恋人にフラれた妹が転がり込んでくることで彼の中でギリギリの均衡を保っていたものが崩れ始める。
キャリー・マリガンのどアップで長まわしの歌唱シーンも見事なインパクトがありますが、やはりマイケル演じる主人公の依存症の成れの果てと、夢中で勤しむ時の快楽とは程遠い鬼の形相、そしてその後のむなしい表情。悲しいです。
物語を辿る上で、ある疑問に導かれると思います。残念ながら明確な説明や答えは無いので判断できませんが、恐らくそういうことがあったんだろうなと。そして、そんな過去をチラ見させつつ兄妹のどうにも埋められないもどかしさを痛く感じてもらえれば、と。
アップル社のマーケティング担当ジョアンナ役にケイト・ウィンスレット。
誰もが涙したタイタニックを代表作とし、その後も別れた恋人の思い出を捨てた女と、捨てられなかった男の奇妙で切ないラブストーリーを描いた「エターナルサンシャイン」や、第二次世界大戦後のドイツを舞台にした年の離れた二人が本で結ばれた禁断の愛とその後訪れる悲しい運命を描いた「愛を読む人」、
タイタニック以来のディカプリオとの競演で話題を呼び、一見理想的だと思われた夫婦の冷めた関係から元の二人に戻ろうともがく姿とその顛末を描いた「レボリューショナリー・ロード~燃え尽きるまで~」といったラブストーリーが多いようですが、
近年では5つの属性に強制的に分けられた世界でどのものにも属さない異端者と診断された少女の過酷な運命を描いたSFアクションシリーズ「ダイバージェント」で博学の指導者としてヒロインを追い込む悪役としても出演しています。
ジョブズと共にアップル社を作り上げた一人ウォズニアック役にセス・ローゲン。
この人も大好きですねぇ。コメディ中心に活躍する俳優さんです。太ってるのにたまにやせて見えたりするのは私だけでしょうか。
人望も好感もある男が40歳にして童貞だというコンプレックスを克服しようと四苦八苦する映画「40歳の童貞男」に出演し注目を浴び、これまた童貞を卒業するために奮闘する高校生を描いたおバカな青春ムービー「スーパーバッド童貞ウォーズ」では出演と脚本、製作総指揮までこなし、
ついに主役としてメガヒットした金持ちのボンクラ息子と父の運転手が悪を退治しようと改造車で暴れまわるアメコミ原作の映画「グリーン・ホーネット」や、
SFオタクがホンモノの宇宙人と遭遇し珍道中を繰り広げる「宇宙人ポール」ではポールの声を担当したり、人妻の若い男への欲望と葛藤を描いた「テイク・ディス・ワルツ」では優しい夫を演じたりと新しい顔も覗かせるかと思えば、
初監督作品では馴染みの深い俳優たちが本人役として世界の終わりをコメディに仕上げた「ディス・イズ・ジ・エンド」と土台はやっぱりコメディなんだと再認識させてくれました。
他にも、当時のCEOとしてジョブズから招かれたスカリー役に現在公開中のオデッセイで長官役として出演しているジェフ・ダニエルズが出演しています。
スティーブ・ジョブズについて
我々日本人が彼について知ってることと言えばiphone作った天才ってイメージだと思いますが、この作品を見ると面白いかどうかは別として、彼がどんな人物でどんな性格でどんな人生を送った奴かがわかると思います。
養子としてジョブズ夫妻に引き取られた彼は、後にウォズニアックと仲を深め、ブルーボックスなる不正に長距離電話をかけられる装置を作り売りさばいて儲けることをしていました。
その後、ジョブズはヒッピーに心酔しながらあらゆる宗教や哲学などを学び大学を中退、放浪の旅に出るも金がつき仕事に就くことを決意。
そして、時がたち仲間たちと実家のガレージでアップル社を設立。AppleⅡが大ヒットし莫大な利益を手に入れます。
当時、パーソナルコンピューターは政治的、軍事的といった目的で使われていたのを一般家庭でも使えるように開発しホームコンピュータとして世に広めたのが彼とその仲間が作ったAppleといわれています。
そして、彼の世界を変える挑戦が始まるわけなのですが。
天才はやはり変わり者なのか、ただのわがままなのか、型破りな発想で完璧主義で強引なやり方に他の人たちと価値観や考えが合わず、周りとの軋轢が生じ、混乱を招くことも多々あったようです。
己の思い描くビジョンを達成するために、邪魔するもの、足手まといになるものは簡単に切り捨て、部下には設定の高い目標をクリアすれば褒め称え、できなければボロカス罵詈雑言を浴びせる、とか。
ライバル会社の経営者に、「てめぇ!!おれのアイデア盗みやがって!!覚えてろおおぉくらああぁっ!!」などと直電したり。おお、ぶっとんでる・・。
映画の中では、こんなクレイジーなジョブズが5分に1回は出てきます。なので、ジョブズを知らない人はさぞ驚くことでしょう。晩年の悟りを開いたかのような穏やかな彼は出てきませんwww
でも、一度アップルから追い出された後、経営者として戻ってきた頃は、力強く巧みな言葉や行動であらゆる人を引き付ける人間性を持つようになり、おそらく我々がよく知る人物像になっていったんだと思います。
あくまでこの作品は彼の半生を順序良く描いた伝記映画ですが、ダニー・ボイル版はどんな構成で作られているのでしょうか。
さてさて、長いイントロダクションでしたがようやくダニー・ボイル版スティーブ・ジョブズの感想になります!!!