Updated: Tokyo  2016/02/12 18:54  |  New York  2016/02/12 04:54  |  London  2016/02/12 09:54
 

アジアの富裕層に円買い促す-日銀マイナス金利でも円高止まらず

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    (ブルームバーグ):世界の金融市場での混乱に伴い円高が進んでおり、アジアの富裕層向けに資金運用する担当者は円を選好している。

クレディ・スイス・グループはプライベートバンキング部門の顧客に円買い・ユーロ売りもしくは円買い・韓国ウォン売りを勧めている。円が引き続き米ドルに対し過小評価されているというのがその理由だ。円は1年後に対ユーロで1ユーロ=115円に上昇するとみている。

スタンフォード・マネジメントは円が月内にも1米ドル=110円に上昇すると顧客に伝えている。シンガポールでファミリーオフィスのバルペス・インベストメント・マネジメントを運営するスティーブン・ディグル氏は、日本の資産を増やす計画だ。すでに日本のスキーリゾートでホテルやナイトクラブの一部を所有しているという。

円は他の主要31通貨全てより年初来で大きく上げている。日本銀行の黒田東彦総裁は1月29日にマイナス金利の導入を決めたが、円高抑制にはつながっていない。

クレディ・スイスのプライベートバンキング・ウェルスマネジメント部門の外国為替シニアストラテジスト、クーン・ハウ・ヘン氏(シンガポール在勤)は、現在の全ての環境が円高進行を引き続き示唆していると指摘した上で、「マイナス金利政策の効果について市場の納得を得るには日銀はさら行動が必要になるだろう」と述べた。

インフレ目標

スタンフォード・マネジメントのジェーソン・ワン最高経営責任者 (CEO)は「マイナス金利採用は苦し紛れのように思える。これまでの金融政策では2%のインフレ率目標達成に効果がないと認めたようなものだ」と語った。

バルペス・インベストメントは長野県の野沢温泉でブティックホテルやカフェバーなどを所有。ディグル氏は「日本のホテルポートフォリオを選択的に増やすことに乗り気だ」と話した。同氏は2014年に米ドルがユーロと円、オーストラリア・ドルに対し上昇したことで利益を得た。

原題:Asia’s Rich Advised to Buy Yen as BOJ’s Negative Rates Backfire(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Netty Ismail nismail3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net

更新日時: 2016/02/12 15:53 JST

 
 
 
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