2016年02月11日
新種牡馬辞典 - アーネストリー
新種牡馬辞典、第十八弾はアーネストリー。故障がちでなかなか順調に使うことができず、結局GI勝利は宝塚記念のみでしたが、やはり同じ単発GIウイナーの*グラスワンダー産駒として思い出されるのはスクリーンヒーローですね。スクリーンヒーロー産駒が大活躍したのは昨年のことなので、今のところ数字上は同馬にその恩恵はない状況ですが、今年はスクリーンヒーローの種付け料が大幅に増額されることもあり、一転して注目を集めることになるかもしれません。
アーネストリー
ノースヒルズマネジメント産 2005年生 鹿毛 父系:ロベルト系
父*グラスワンダーは通算15戦9勝。有馬記念連覇のほか、宝塚記念、朝日杯3歳SとGI4勝を含む重賞7勝をあげた活躍馬である。種牡馬としての代表産駒はジャパンCを制したスクリーンヒーロー、朝日杯フューチュリティSのセイウンワンダー、中山大障害のマルカラスカルなど。そのスクリーンヒーローは種牡馬としてマイルGI3勝のモーリス、有馬記念のゴールドアクターを出すなど意外な成功を収めており、同馬にも種牡馬としての期待がかかる。
母レッドダムールは通算26戦3勝。重賞実績はなく、母としてもアーネストリー以外に目立った産駒を出していない。*グラスワンダー×*トニービンという配合ではほかに前述のマルカラスカルが出ている。
祖母ダイナチャイナは通算19戦7勝。GIII牝馬東京タイムズ杯で6着に入っている。全兄は天皇賞(秋)や安田記念を制したギャロップダイナで、産駒に目黒記念の勝ち馬アグネスカミカゼがいる。
<競走成績>
デビュー戦は2歳7月と早く、このレースで後のオークス馬トールポピー、皐月賞馬キャプテントゥーレを下しているが、その後は故障もあって順調に使うことができず、オープン入りを果たしたのは4歳春のことであった。4歳暮れの中日新聞杯で重賞初勝利を飾ると、5歳時は金鯱賞・札幌記念と重賞を2勝し、宝塚記念と天皇賞(秋)で3着に入るなど飛躍の年となった。さらに6歳時には宝塚記念をレコードで制し、史上初となる親子制覇でGI初勝利を飾っている。秋にはオールカマーを制し、完全に本格化かと思われたが、天皇賞(秋)大敗を皮切りに大スランプに陥り、結局その後は勝ち星をあげることはできなかった。
<供用実績>
引退後はブリーダーズスタリオンステーションにて種牡馬入り。初年度は受胎条件50万円、出生条件80万円で供用されたが、20頭ほどの牝馬を集めるにとどまり、さらに実際に生まれた産駒は半数以下の10頭のみであった。2年目以降は受胎条件30万円、出生条件50万円に減額されているにもかかわらず減少の一途をたどっている。しかしセリでは4頭上場されてすべて落札されており、そのうち2頭は1000万円を超える高値がつくなど決して産駒の評判は低くない。スクリーンヒーローが種牡馬として大出世を遂げた今、同馬にも注目が集まるのは自然の成り行きであろう。
<注目の産駒>
頭数こそ少ないもののノースヒルズがなかなか良質の牝馬を用意している。ジーニアスは近親に活躍馬が多数いる血統で、ハギノルチェーレの母はクラシック戦線でもそこそこ走った馬であり、ポンテローザの母も*サンデーサイレンス産駒のオープン馬という力の入れようである。いずれもノースヒルズの持ち馬として走るようだ。サンレイスズカも母父が*サンデーサイレンスで、セリで1350万円というなかなかの高額で落札されている。エクスキタテヤマも1000万円で落札されており、ダイナチャイナ=ワンボールドビッドの3×3という珍しい牝馬クロスがある。
<傾向予想> 芝:◎ ダ:△ 距離:マイル〜クラシック ピーク:3歳〜
父*グラスワンダーはダートがあまりよろしくなく、母父に*トニービンが入っていることもあってダートをこなすイメージは湧かない。アーネストリー自身はデビューから一貫して中距離を走り続けたが、マイルからクラシックディスタンスまで幅広くこなせそう。仕上がり自体は早く、自身も故障さえなければクラシック戦線で活躍できていたであろう。もちろん古馬になっての成長力にも富んでおり、完成するのは3歳以降になりそうだ。
やはり注目は同じ*グラスワンダー産駒としてスクリーンヒーローに続けるかというところだろう。スクリーンヒーロー自身もジャパンCを勝っただけと超一流の実績の持ち主ではなかったが、モーリスやゴールドアクターなど世代を代表するような産駒を複数送り出すことに成功した。これが突然変異などではなく、*グラスワンダーの種牡馬の父としてのポテンシャルであるなら、今後の血統的なトレンドが大きく変わってくることだろう。
ノースヒルズマネジメント産 2005年生 鹿毛 父系:ロベルト系
| <血統構成> 5代内クロス: | Northern Dancer 4×4 |
| *グラスワンダー USA 栗毛 1995年 | Silver Hawk | Roberto |
| Gris Vitesse | ||
| Ameriflora | Danzig | |
| Graceful Touch | ||
| レッドダムール 鹿毛 1994年 | *トニービン | *カンパラ |
| Severn Bridge | ||
| ダイナチャイナ | *ノーザンテースト | |
| アスコットラップ |
父*グラスワンダーは通算15戦9勝。有馬記念連覇のほか、宝塚記念、朝日杯3歳SとGI4勝を含む重賞7勝をあげた活躍馬である。種牡馬としての代表産駒はジャパンCを制したスクリーンヒーロー、朝日杯フューチュリティSのセイウンワンダー、中山大障害のマルカラスカルなど。そのスクリーンヒーローは種牡馬としてマイルGI3勝のモーリス、有馬記念のゴールドアクターを出すなど意外な成功を収めており、同馬にも種牡馬としての期待がかかる。
母レッドダムールは通算26戦3勝。重賞実績はなく、母としてもアーネストリー以外に目立った産駒を出していない。*グラスワンダー×*トニービンという配合ではほかに前述のマルカラスカルが出ている。
祖母ダイナチャイナは通算19戦7勝。GIII牝馬東京タイムズ杯で6着に入っている。全兄は天皇賞(秋)や安田記念を制したギャロップダイナで、産駒に目黒記念の勝ち馬アグネスカミカゼがいる。
<競走成績>
| 年 (歳) | 戦 | 勝 | 主な実績 |
| 2007年 (2歳) | 1 | 1 | 1着 新馬戦 T1800 |
| 2008年 (3歳) | 5 | 2 | 1着 北野特別(1000) T2000 1着 500万下 T2000 |
| 2009年 (4歳) | 8 | 3 | 1着 中日新聞杯(GIII) T2000 1着 御堂筋S(1600) T2400 1着 大原S(1600) T2000 2着 アルゼンチン共和国杯(GII) T2500 |
| 2010年 (5歳) | 4 | 2 | 1着 金鯱賞(GII) T2000 1着 札幌記念(GII) T2000 3着 宝塚記念(GI) T2200 3着 天皇賞(秋)(GI) T2000 |
| 2011年 (6歳) | 5 | 2 | 1着 宝塚記念(GI) T2200 1着 オールカマー(GII) T2200 3着 金鯱賞(GII) T2000 |
| 2012年 (7歳) | 6 | 0 | |
| 計 | 29 | 10 |
デビュー戦は2歳7月と早く、このレースで後のオークス馬トールポピー、皐月賞馬キャプテントゥーレを下しているが、その後は故障もあって順調に使うことができず、オープン入りを果たしたのは4歳春のことであった。4歳暮れの中日新聞杯で重賞初勝利を飾ると、5歳時は金鯱賞・札幌記念と重賞を2勝し、宝塚記念と天皇賞(秋)で3着に入るなど飛躍の年となった。さらに6歳時には宝塚記念をレコードで制し、史上初となる親子制覇でGI初勝利を飾っている。秋にはオールカマーを制し、完全に本格化かと思われたが、天皇賞(秋)大敗を皮切りに大スランプに陥り、結局その後は勝ち星をあげることはできなかった。
<供用実績>
| 年度 | 種付料 | 種付数 | 生産数 | 登録数 | 供用場所 |
| 2013 | 50万円 | 21 | 10 | 10 | ブリーダーズスタリオンステーション |
| 2014 | 30万円 | 12 | 9 | 9 | 〃 |
| 2015 | 30万円 | 5 | − | − | 〃 |
| 2016 | 30万円 | − | − | − | 〃 |
引退後はブリーダーズスタリオンステーションにて種牡馬入り。初年度は受胎条件50万円、出生条件80万円で供用されたが、20頭ほどの牝馬を集めるにとどまり、さらに実際に生まれた産駒は半数以下の10頭のみであった。2年目以降は受胎条件30万円、出生条件50万円に減額されているにもかかわらず減少の一途をたどっている。しかしセリでは4頭上場されてすべて落札されており、そのうち2頭は1000万円を超える高値がつくなど決して産駒の評判は低くない。スクリーンヒーローが種牡馬として大出世を遂げた今、同馬にも注目が集まるのは自然の成り行きであろう。
<注目の産駒>
| 母名 | 性 | 備考 |
| エクスキタテヤマ | 牡 | 岡田牧場の生産馬。母は*フォーティナイナー産駒で、中央未勝利。母の全兄にダート重賞4勝のヴァンクルタテヤマがいる。嶋田賢氏が1000万円で落札。 |
| サンレイスズカ | 牡 | 新井牧場の生産馬。母は*サンデーサイレンス産駒で、中央1勝。おじに重賞2勝のゴーイングスズカがいる。永井啓弍氏が1350万円で落札。 |
| ジーニアス | 牡 | ノースヒルズの生産馬。母はダンスインザダーク産駒で、中央1勝。おじにパルスビート、ゲヴァルト、いとこにトランセンドがいる。 |
| ハギノルチェーレ | 牝 | ノースヒルズの生産馬。母はダンスインザダーク産駒で、中央2勝。フィリーズレビュー3着の実績があり、桜花賞にも出走した。 |
| ポンデローザ | 牡 | ノースヒルズの生産馬。母は*サンデーサイレンス産駒で、中央6勝。オープン実績はなかったが、秋華賞にも出走した。 |
頭数こそ少ないもののノースヒルズがなかなか良質の牝馬を用意している。ジーニアスは近親に活躍馬が多数いる血統で、ハギノルチェーレの母はクラシック戦線でもそこそこ走った馬であり、ポンテローザの母も*サンデーサイレンス産駒のオープン馬という力の入れようである。いずれもノースヒルズの持ち馬として走るようだ。サンレイスズカも母父が*サンデーサイレンスで、セリで1350万円というなかなかの高額で落札されている。エクスキタテヤマも1000万円で落札されており、ダイナチャイナ=ワンボールドビッドの3×3という珍しい牝馬クロスがある。
<傾向予想> 芝:◎ ダ:△ 距離:マイル〜クラシック ピーク:3歳〜
父*グラスワンダーはダートがあまりよろしくなく、母父に*トニービンが入っていることもあってダートをこなすイメージは湧かない。アーネストリー自身はデビューから一貫して中距離を走り続けたが、マイルからクラシックディスタンスまで幅広くこなせそう。仕上がり自体は早く、自身も故障さえなければクラシック戦線で活躍できていたであろう。もちろん古馬になっての成長力にも富んでおり、完成するのは3歳以降になりそうだ。
やはり注目は同じ*グラスワンダー産駒としてスクリーンヒーローに続けるかというところだろう。スクリーンヒーロー自身もジャパンCを勝っただけと超一流の実績の持ち主ではなかったが、モーリスやゴールドアクターなど世代を代表するような産駒を複数送り出すことに成功した。これが突然変異などではなく、*グラスワンダーの種牡馬の父としてのポテンシャルであるなら、今後の血統的なトレンドが大きく変わってくることだろう。
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この記事へのコメント
1. Posted by Unnamed 2016年02月12日 00:17
母はレットルダムールですね
2. Posted by 成瀬朋 2016年02月12日 00:22
スクリーンヒーローとアーネストリーは社台の有名な牝系出身、母母父ノーザンテースト、父グラスワンダー、GIは1勝と結構似通った所がありますね。
競走成績から見るとこっちの方がやや晩成になりそうだが。
競走成績から見るとこっちの方がやや晩成になりそうだが。
3. Posted by 日々是芸人 2016年02月12日 00:33
宝塚はエイトクラウンとナオキの母子制覇はありますね。重箱の隅の隅ですが・・・。
本文でも言及されてますようにスクリーンヒーローの代替としてある程度の需要はあるでしょうから、何とか頑張ってほしいですね。
本文でも言及されてますようにスクリーンヒーローの代替としてある程度の需要はあるでしょうから、何とか頑張ってほしいですね。
4. Posted by Unnamed. 2016年02月12日 01:48
50万円以下クラスの種牡馬でダートでつぶしが利かないとなると、どうしても苦戦は否めないですかね。初年度からクラシック戦線に乗ってくる産駒が出るかどうかが運命の分かれ目かも。
5. Posted by 魚 2016年02月12日 03:59
スクリーンヒーロー産駒の活躍で
恩恵はかなり今年受けそうです
スクリーンヒーローとちがい
サンデーサイレンス入ってないので種付けしやすいですね
ミスタープロスペクターも入ってないから便利そうですね
後は産駒がいい成績なら一気にこの馬も続けそうなんですが
恩恵はかなり今年受けそうです
スクリーンヒーローとちがい
サンデーサイレンス入ってないので種付けしやすいですね
ミスタープロスペクターも入ってないから便利そうですね
後は産駒がいい成績なら一気にこの馬も続けそうなんですが
6. Posted by 即身仏 2016年02月12日 07:01
同じ父の産駒のスクリーンヒーローと違って、切れ味というより先行してそのまま押し切るパワータイプの馬だったので、走る仔が出てもスクリーンヒーローとはタイプが違う種牡馬になるのかな?と妄想してしまいます。