▲HDMI搭載モデル『U3HC-DC03BBK』
PC周辺機器大手メーカーのエレコムが、USB PD(Power Delivery)規格に対応したUSB 3.0ハブ、2モデルを発表しました。12インチMacBookと組み合わせると、ACアダプタを使用しながらUSBポートを増設できます。
2モデルの違いと価格はHDMI出力の有無と価格。ベーシックな3ポートタイプ(USB タイプC×1+タイプA×2)のモデル『U3HC-A413BBK』が1万2430円(税別)、加えてHDMI出力を備えた『U3HC-DC03BBK』が1万4210円(同)となります。発売は両モデルとも2月中旬。両モデルとも対応するUSB速度は5Gbpsまで。
▲ベーシックモデル『U3HC-A413BBK』のフロント側端子
▲『U3HC-A413BBK』のリア側端子。右側に給電専用のタイプC端子が位置します
USB PDとは、USBケーブル1本で信号と同時に最大100Wの給電を可能にする規格。本体側はアップルの12インチMacBookやレノボのThinkPad X1 Tabletなどが対応。USB タイプC端子と電源入力を兼用する形で対応しています。
▲ベーシックモデル『U3HC-A413BBK』の接続イメージ図
今回の2モデルは冒頭で紹介したように、USB タイプC接続のACアダプタと本体との間に装着することで、ACアダプタからの給電を活かしつつ使える点が特徴。一般的な(USB PD非対応の)ハブではUSB タイプC端子があってもACアダプタは使えませんが、今回の2モデルはこれが可能になるわけです。
とくに12インチMacBookでは、本体側の端子がUSB タイプC×1基のみのため、アップル純正アダプタを併用しない限り、USBハブを使う場合はバッテリー駆動をするしかなかったのが実情でした。PD対応ハブはこうした欠点が解消できるため、非常に便利となります。
▲HDMI搭載モデル『U3HC-DC03BBK』のフロント側端子。右後方にHDMI端子の位置を示す文字が入ります
▲『U3HC-DC03BBK』のリア側端子。左にフルサイズのHDMI出力が加わります
2モデル共通の仕様としては、ホスト機器(本体)側の端子はもちろんUSB タイプC。拡張できるUSB端子は、上述したようにタイプC×1に加えてタイプA×2。さらに給電専用端子としてタイプC×1が加わります(給電専用のため、公称ポート数には数えません)。なお、給電用のACアダプタは別売りです。
本体の動作としてはバスパワーで、給電用ACアダプタがなくてもUSBハブとして使用可能。
ホスト機器以外の端子への供給可能電流は、1基あたり850mAまで。さらに3ポートの合計で2550mAまでという制限が付きます。
▲『U3HC-DC03BBK』の接続イメージ図。ベーシックモデルにHDMI出力がまるまる加わる格好です
さらにU3HC-DC03BBKはHDMI端子を搭載。USB タイプC端子に重畳されているディスプレイ出力を使い、HDMI対応のディスプレイを接続可能です。公式対応解像度はフルHD(1920×1080)までとされています。
本体サイズは、ホスト側端子のケーブルを除いた状態で80×76×11mm(幅×奥行き×厚さ)、重量はU3HC-A413BBKが54g、U3HC-DC03BBKが56g。ケーブルの長さは約30cmです。
対応OSはWindowsが10/8.1/7/Vista、Mac OS Xが10.11。なお注意書きには、USB PDに関する注意点として、改めて「USB タイプC端子を搭載するパソコンでのみ使用できます」との記載があるのが面白いところ。これは変換ケーブルやアダプタなどの併用に関する注意でしょう。
▲ベーシックモデル『U3HC-A413BBK』
今回発表された2モデルは、先日発売されたマイクロソリューションの製品『USB PD USB C 3Port Hub』(下記記事参照。記事掲載後に特価分が売り切れ、現在ではアマゾン価格3780円で販売されています)に比べて高価ですが、大手メーカーならではの入手性やサポートでは有利。
また同社製USBハブの他モデルを見ても、実売価格的はかなりお手頃になると思われます。
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USB PD対応機器は利便性の高さから今後普及が見込まれるだけに、これからUSBハブを購入する際には(現時点での対応機器の有無にかかわらず)チェックしておきたいポイント。しかし現状は、まだまだ対応するハブの少ない状態でした。そうした中で大手エレコムの参入は、市場の活性化という点でも心強いところです。