検査は、工場で製造された製品や部品をチェックする仕事です。チェックの方法は業種や対象物によって異なります。例えば、動作する物に対しては、正常に動作するのかをテストします。一方で、人の目に触れる物については、傷や汚れの有無の確認を重点的に行うことが多くあります。このように業種や対象物に適した方法で、丁寧に検査を行い、製品や部品が市場に出せる品質であることを確認するのです。
一般的には仕事を始める前に制服に着替えます。検査は複数の工程に分かれており、そのうちの一つを担当するケースが多くあります。ほとんどの場合、検査方法はマニュアル化されています。
今回は検査の業種として、「電子部品の検査」、「医療小物製品の検査」、「自動車部品の検査」の3つを紹介します。
☆電子部品の検査
電子部品の多くはライン作業によって製造されます。ラインのそれぞれの工程において、欠陥の有無を個別にチェックしますが、それはあくまでも簡易的なものです。前の工程では問題が無かった箇所にも、後の工程の作業中に欠陥が生じてしまうこともあります。そのため、一通りのライン作業が終わった段階で、総合的な検査を行う必要性があるのです。
電子部品の検査では、動作テストが主な作業になります。手作業で動作させることは少なく、検査用機器を使用してテストを行うケースが多いです。検査用機器が欠陥の可能性を検出した場合は、目視と手作業で詳細な検査を行います。電子チップのような小さい部品の場合は、顕微鏡を用いた配線の断裂の確認など、細かい検査をすることもあります。
☆医療小物製品の検査
医療の現場で使用する小物製品にとって最も重要なのは衛生面です。そのため、工業製品の検査と異なり、特殊なクリーンルーム内での作業が一般的です。クリーンルームへの入出時には、丁寧な手洗いや全身のホコリ取りが必要になるなど、徹底した清潔さを求められます。
医療小物製品の検査では、製造後に欠陥や表面上の傷がないかを確認します。さらに髪の毛などの不純物の付着がないかを丁寧にチェックします。医療小物製品は医療行為で使用されるため、不純物の混入があると、大きな医療事故に繋がってしまう可能性があるからです。機械では細かい不純物を検出することは難しいので、複数人体制による目視のチェックを行うのが一般的です。
☆自動車部品の検査
自動車に使用される部品の数は非常に多くあります。その一つひとつが正常に機能しなければ交通事故が起こってしまう可能性があります。そのため、自動車部品の検査は非常に重要であるといえます。
自動車部品は、チューブなどのアナログ部品から制御用の精密機器などのデジタル部品まで、様々な種類があります。そのため、検査方法の種類も多岐に渡りますが、部品が規格に適合しているのかをチェックするのが基本的な作業になります。通常は検査器具を使用してマニュアルに沿って検査を行います。検査器具で重大な欠陥の可能性を発見した場合は、設計図面と照らし合わせて目視で精密に確認することもあります。また、外装部品の検査では傷や汚れのチェックを重点的に行います。
☆検査の業種に興味がある人へ
今回は検査に関する3つの業種を紹介しました。業種によって検査方法は異なりますが、どの業種の検査も非常に重要です。検査が終わった後の部品や製品は世に出て行くことになるからです。不良品を出してしまうと、製造メーカーの評判を落としてしまうことになります。そのため、検査は集中力を持って丁寧に行う必要があるのです。
検査の仕事では、同じ作業を長時間繰り返すケースが多いです。そのため、集中力を持続できる人が向いているといえます。作業中に集中力が途切れてしまうと、欠陥を見過ごす可能性が高くなってしまいます。大抵の工場では休憩時間が設けられているので、無理をせずにしっかり休憩することが大切です。集中力を回復させて、丁寧に作業できる状態を維持しましょう。”