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重力波観測成功で梶田さん「歴史的快挙」
2月12日 11時25分

100年越しの物理学の難題となっていた「重力波」の観測成功の発表から一夜明け、日本で重力波を観測する計画を中心的に進めてきた東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長の研究チームが会見を開き、「研究者が待ち望んでいた歴史的快挙だ」とアメリカの研究チームを祝福しました。
「重力波」は100年前にアインシュタインが存在を予言した宇宙の現象のうちで唯一、直接観測されていなかったもので、世界の研究者がしのぎを削るなか、アメリカを中心とする研究チームは日本時間の12日未明、世界で初めて直接観測することに成功したと発表しました。
この発表を受けて、ノーベル物理学賞の受賞者で、日本での観測計画を中心的に進めている東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長の研究チームが会見を開きました。この中で梶田さんは、「研究者が待ち望んでいた歴史的快挙で、アメリカの研究チームを心から祝福したい」と今回の成果をたたえました。また、日本も初観測を目指していたことについて、「悔しさよりも、重力波天文学がエキサイティングな時代に入ったと言うことができ、重力波を研究するうえでは非常によかった」と述べました。
そのうえで梶田さんは、岐阜県飛騨市に建設した重力波の観測装置「KAGRA」が来月15日にも試験運転を始めることを明らかにしたうえで、「アメリカから遠く離れた場所にあるKAGRAで観測することで、初めて、重力波が来た方向を精度よく測ることができる。頑張って一刻も早く本格的な観測を始めたい」と意気込んでいました。そして、「子どもでもブラックホールという名前は知っていると思う。これからブラックホールのことがどんどん分かっていくと子どもたちに伝えたい」と笑顔で話していました。

文部科学相「KAGRAに期待」

馳文部科学大臣は12日の閣議後の記者会見で「すばらしい成果であり、心からお祝いを申し上げると同時に、この成果を新たな研究や実験の入り口として、宇宙政策や宇宙の解明の課題に取り組む必要がある」と述べました。そのうえで馳大臣は「今回の成果は、いまだ解明されていないブラックホールなどの宇宙の解明につながると思うので、今年度中に試験運転を予定している日本の観測施設『KAGRA』でさらに宇宙の成り立ちを解明し今後の宇宙の行く末を占う成果を期待したい」と述べました。

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