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「重力波」とは? アメリカの研究チームが初観測 アインシュタインの「最後の宿題」

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二つのブラックホール(球形の部分)が合体し、重力波が発生する様子のイメージ。コンピューターで再現した=NASA提供

「重力波」、米チームが初観測 アインシュタインが予言

100年前にアインシュタインが存在を予言し、世界の研究者が観測を目指していた「重力波」について、米国の研究チームが11日、初めて観測したと発表した。最終的に確認されれば理論が実証されたことになり、物理学の歴史的な成果となる。光や電波ではわからない宇宙の姿を探る新たな天文観測にも道が開ける。

重力波は、時間や空間がわずかに伸び縮みする「時空のひずみ」がさざ波のように伝わる現象。物体が加速して動くときに起こる。アインシュタインが1916年、一般相対性理論から予言していた。その観測は「最後の宿題」とされ、物理学の長年の悲願だった。

重力波はあらゆる運動で生じるとされるが、極めて微弱で通常は観測できない。このため、星の合体などで生じた大きな重力波をとらえることになる。研究チームは米国2カ所にある装置「LIGO(ライゴ)」の性能を大幅に高め、昨年9月から今年1月上旬まで観測、分析作業を進めていた。

  • 朝日新聞社
    重力波のイメージ

(朝日新聞デジタル 2016/02/12 01:12)

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(朝日新聞社提供) 

これだけは押さえたい、「重力波」Q&A

Q 米国の研究グループが重力波を観測したと発表したけど、どんなものなの?

A 重力波は、宇宙の空間がゆがんで起きる波のことだ。重い星やブラックホールが合体したり動いたりすると、周りの空間が伸び縮みし、そのゆがみが水面の波紋のように広がっていくんだ。

Q 空間って伸び縮みするんだ。

A アインシュタインが存在を予言した現象だ。アインシュタインの一般相対性理論では、重さを持った物体の周りでは空間にゆがみが生じるとされる。

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重力波研究の歩み

(朝日新聞デジタル 2016/02/12 01:11)

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(朝日新聞社提供)