今回“アピゲニン”が、新しい脳細胞の生成を促し、さらには脳細胞をつなぎ、人の神経活動に関わるシナプスの働きを高めることが、最新の研究によって明らかになっています。
これらはアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患・統合失調症の治療への効果が期待されています。
“アピゲニン”が含まれる食材
セロリ・パセリ。カモミール・バジル・コリアンダー・オレガノなどのハーブや、赤ワイン、りんごやチェリー、ぶどうなど
研究チームは、ヒトの幹細胞(自己複製脳とさまざまな細胞に分化する多分化能をもつ特殊な細胞)に、アピゲニンを加えて、その変化を観察しました。
結果、幹細胞が25日後にニューロン(神経系を構成する細胞)に変化しました。
ちなみにアピゲニンを加えなかった幹細胞にはこの変化が見られていません。
また、アピゲニンにより新たに生成されたニューロンと、ニューロンをつなぐシナプスも強固で高性能だったといいます。
「シナプスの強固さ」は、脳機能の高さや記憶の固定、学習に欠かせない要素です。
さらに詳細な研究の結果では、アピゲニンは神経系の発達に関わるエストロゲン受容体と結合することで、新しいニューロンやシナプスの生成を促すことが判っています。
エストロゲンと言えば、女性ホルモン。この投与がアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患、うつ病などの改善に効果があることはわかっているのですが、その一方ではがんの発症のリスクが高まるとも言われています。
研究者らは、「今回の研究はアピゲニンが将来的に、神経変性疾患の治療の選択肢のひとつになりえる可能性を示唆するもの」とまとめています。
また 研究チームは、アピゲニンやその他のフラボノイドが豊富に含まれた食品を日常的に摂取することで、新たなニューロンの生成を促し、脳を活性化することが出来るだろうとも話しています。
今回ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学と、ドール研究教育協会の研究チームが機関誌に発表したもの。日本でも研究の意味があるのではないでしょうか。
脳の中の「点と線」~神経回路とシナプスの謎に迫る研究最前線~(14:04)
【出典】
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