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「重力波」捉えられれば天文学も飛躍的発展2月12日 7時21分
「重力波」を直接捉えられるようになると、天文学の分野でも飛躍的な発展につながると期待されています。
古代、天文学の起源は星が放つ目に見える光の観測でした。現在も光の分析は星の温度や物質の構成のほかブラックホールの研究にも利用されています。
一方、「ビックバン」の名残などとして宇宙には電波が飛び交っていて、20世紀に入るとこうした電波をはじめとした電磁波を捉える研究が進み、光では見ることができないさまざまな天体現象の発見につながりました。
その次の観測手段として注目されているのが「素粒子」、とりわけ宇宙の初期に大量に作られた「ニュートリノ」です。ニュートリノはさまざまな物質の影響を受けにくく、宇宙が誕生した時の状態を今もとどめていると考えられているため、これを観測することで宇宙の誕生と進化の過程の解明につながると期待されています。
そして、光、電磁波、素粒子に続く第4の観測手段が「重力波」です。今回、アメリカの「LIGO」が観測したと発表したのは、地球から13億光年離れた太陽の29倍と36倍という極めて大きな質量を持つ2つのブラックホールが合体する際に生じた重力波です。重力波の観測が確認されれば、「一般相対性理論」の最後の難題が確かめられ、宇宙の成り立ちの解明につながるだけでなく、強力な重力で光さえも飲み込んでしまうブラックホールの誕生の瞬間を直接観測できるようになるなど天文学に新たな発見をもたらすと期待されています。
一方、「ビックバン」の名残などとして宇宙には電波が飛び交っていて、20世紀に入るとこうした電波をはじめとした電磁波を捉える研究が進み、光では見ることができないさまざまな天体現象の発見につながりました。
その次の観測手段として注目されているのが「素粒子」、とりわけ宇宙の初期に大量に作られた「ニュートリノ」です。ニュートリノはさまざまな物質の影響を受けにくく、宇宙が誕生した時の状態を今もとどめていると考えられているため、これを観測することで宇宙の誕生と進化の過程の解明につながると期待されています。
そして、光、電磁波、素粒子に続く第4の観測手段が「重力波」です。今回、アメリカの「LIGO」が観測したと発表したのは、地球から13億光年離れた太陽の29倍と36倍という極めて大きな質量を持つ2つのブラックホールが合体する際に生じた重力波です。重力波の観測が確認されれば、「一般相対性理論」の最後の難題が確かめられ、宇宙の成り立ちの解明につながるだけでなく、強力な重力で光さえも飲み込んでしまうブラックホールの誕生の瞬間を直接観測できるようになるなど天文学に新たな発見をもたらすと期待されています。
「天文学の発展につながる成果」
素粒子物理学を研究している東京大学数物連携宇宙研究機構の村山斉機構長は首都ワシントンでNHKのインタビューに応じ、「興奮しました。重力波を通して、ブラックホールの合体を検出できたのは、歴史的な偉業で、新しい天文学の時代が幕を開け、さらに新しい宇宙物理学が見えてくることが期待できる。まさに歴史的な瞬間だと思います」と述べ、天文学の飛躍的な発展につながる成果だとして、高く評価しました。
そのうえで、村山さんは、「重力波というまったく新しい手段によって、今ままで見えなかった宇宙でのさまざま現象を重力波を通して『聞く』ことができるようになり、これまで想像もしなかったような新しい現象が見つかる可能性がある。ワクワクしている」と話し、今後の研究への期待を示しました。
村山さんは、東京大学などが岐阜県飛騨市に建設した巨大な観測装置、「KAGRA」について、「KAGRAが完成すると、どこから重力波が来ているのかを特定できるようになる。アメリカ、ヨーロッパ、日本と、世界の3か所に観測装置があることがポイントで、世界的に見ても重要な装置になる」と述べています。
そのうえで、村山さんは、「重力波というまったく新しい手段によって、今ままで見えなかった宇宙でのさまざま現象を重力波を通して『聞く』ことができるようになり、これまで想像もしなかったような新しい現象が見つかる可能性がある。ワクワクしている」と話し、今後の研究への期待を示しました。
村山さんは、東京大学などが岐阜県飛騨市に建設した巨大な観測装置、「KAGRA」について、「KAGRAが完成すると、どこから重力波が来ているのかを特定できるようになる。アメリカ、ヨーロッパ、日本と、世界の3か所に観測装置があることがポイントで、世界的に見ても重要な装置になる」と述べています。
世界中の研究者が確認へ
アメリカを中心とした国際研究チームが、「重力波の観測に成功した」と発表したことを受けて、本当にデータが確かなのか今後、世界中の研究者が確認を進めることになります。
今後、地球上の複数の場所で第2、第3の重力波を観測することができれば、重力波が届いた時間の差から三角測量のようにどの方向から来たかが特定でき、光などでは観測できなかった宇宙のさまざまな現象が見えてくる可能性があります。これには、日本の「KAGRA」やヨーロッパの「VIRGO」など世界の観測施設が連携することが必要で、日本にもその役割が期待されています。
一方、重力波の観測は極めて難しいため、これまでにも発表後にデータの誤りが見つかったケースがあります。おととし、アメリカの研究チームが「重力波の痕跡を世界で初めて観測した」と発表しましたが、去年になって、「観測を裏付けられなかった」と訂正しています。
今後、地球上の複数の場所で第2、第3の重力波を観測することができれば、重力波が届いた時間の差から三角測量のようにどの方向から来たかが特定でき、光などでは観測できなかった宇宙のさまざまな現象が見えてくる可能性があります。これには、日本の「KAGRA」やヨーロッパの「VIRGO」など世界の観測施設が連携することが必要で、日本にもその役割が期待されています。
一方、重力波の観測は極めて難しいため、これまでにも発表後にデータの誤りが見つかったケースがあります。おととし、アメリカの研究チームが「重力波の痕跡を世界で初めて観測した」と発表しましたが、去年になって、「観測を裏付けられなかった」と訂正しています。