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日本も目指した「重力波」の初観測
2月12日 6時40分

「重力波」を巡っては、これまで、最初の観測を目指して世界の研究者がしのぎを削っていました。
このうち日本で計画を中心的に進めてきたのが、「ニュートリノ」と呼ばれる素粒子の研究でノーベル物理学賞を受賞した東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長です。重力波の観測を目指し、東京大学宇宙線研究所と国立天文台などが岐阜県飛騨市に建設したのが、重力波望遠鏡と呼ばれる巨大な観測装置、「KAGRA」です。
この装置は長さ3キロもある2本のパイプがL字型につなげられていて、この中でレーザーを使って精密に距離を測ることで重力波による空間のゆがみをとらえます。アインシュタインが予言した空間のゆがみは極めて小さいため、装置は振動や温度変化の少ない地下200メートル以上のトンネルの中に設けられたほか、装置の中は真空に保たれレーザー光線を反射する鏡は分子の振動を抑えるためにマイナス253度まで冷やされます。
「KAGRA」は来月から試験運転に入り、2年後までに本格的な観測を始める予定でした。
一方、今回発表を行ったアメリカの「LIGO」のほかに、ヨーロッパの「VIRGO」という施設も観測に挑んでいます。

梶田さん「われわれも一刻も早く参加」

アメリカなどの研究チームによる「重力波」の観測成功の発表について、日本で重力波を観測する計画を中心的に進めてきた東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長は「重力波や、アインシュタインの一般相対性理論の研究者が待ち望んでいた歴史的快挙です」というコメントを発表しました。
そのうえで、「われわれは今後も引き続き、KAGRAの建設を進めて完成させ、高い感度を実現して重力波の国際観測ネットワークに一刻も早く参加し、重力波天文学という新たな学問分野に貢献していくつもりです」と今後の抱負を示しています。

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