ダイエット中のraf00です。
1月に「自転車乗り必携の神活動量計が発売されるぞ!」という記事を書き、1月21日に自宅に発送されてから3週間。
約一ヶ月毎日装着して生活してみたので、一通りの機能についてレポートしていきたいと思います。
いいですか、長いぞ。
■改めて、vivosmartHRJ概要
vivosmartHRJはこの数年人気が高まり続けている、リストバンド型の高機能活動量計です。
この分野のメジャー製品といえばFitbitやJawbone、Nike+などがありますが、vivosmartHRJはGPS機器メーカーであるGarminから発売されています。
主な機能はステップ/距離/上昇階数/週間運動量/カロリー/心拍/時刻/日付の計測、またスマートフォンとペアリングして各種通知を表示するスマートウォッチの機能を備えています。
各社の上位機種が備える一通りの機能を搭載しつつ、上昇階数の計測や「ANT+」という自転車を始めとする各種スポーツ用計測機器のための近距離無線通信規格にも対応し、計測機器の心拍計速端末としても用いることができるなど、スポーツ用コンピューターのトップメーカーであるGarminらしい独自機能が搭載されています。
また、50m防水という非常に優れた耐水性や高機能活動量計ながら5日間という長い稼働時間を保つなど、本体の基本仕様も上質。
高いスペックを持ちつつ価格も19,800円と、各社の高機能活動量計と同クラスで販売されています。
■見た目と操作感
というわけで、つけてみた感じ。
心拍計が付いているため若干の厚みはあるものの、幅を取らないので付け具合は悪くありません。重量も29.6gとほとんど重みを感じません。
基本操作はタッチパネルとボタン1つ。画面は極小ですが反応がよくストレスも感じません。
また、画面は活動時や操作時に反応するライトを備えていて、真っ暗闇でもこんな感じでしっかり視認できます。寝る時もつけっぱなしなので、眩しくならず、しかしきちんと見られる良いバランスです。
裏面。心拍計は緑色のLEDで計測する仕組みで、出っ張っています。長時間つけているとこの出っ張りの跡がつくのが若干気になります。肌が弱いとかぶれる可能性あり。ただ、普通の腕時計よりも不快感は少ないかと思います。
■50m防水
他端末と比べてすこぶるvivosmartが優れている点が50m防水仕様。
多くの活動量計のレビューで「お風呂以外はずっと付けてます☆」というコメントが見られますが、こちらは風呂でもプールでもなんでも付けっぱなし、むしろ風呂でvivosmartを丸洗いしています。さすがに銭湯のサウナだけは外しますが、普通の環境なら何も気にせず付けていられるというのは素晴らしいものです。長風呂をしてもいつでも時間を確認できる。これは良いものです。
■5日間の電池の持ち
心拍数やペアリングしたスマホの通知機能を備えつつ、5日間稼働するという点も、スマートウォッチとして優秀です。2日に1度充電しなきゃならないような端末は「一日中つけていられる」とは言えませんから。
で、5日間きちんと働くのかなーと、稼働時間を試してみたいのですが、3日くらい付け続けているとさすがに外したいタイミングがあり、その隙に充電できてしまうので未だ限界まで試せないでいます。必要十分。
■Garmin Connect
garminのサイコン利用者が愛用(と言いながら、本当はかなり文句言いながら利用)しているスマホアプリ、Garmin Connectを使って端末の設定、データの蓄積を行います。Connect自体もstravaやMyFitnessPalなどのアプリとの連携ができるため、ライフログ、自転車・ランニングアクティビティを一括管理できます。
しかし総合管理できるのは良いものの、やっぱりConnectはUIが悪くてちょっと使いにくいです。端末の設定ももう少しいろいろできたら良いのになぁ…と要望はたくさん。ただ、自転車乗りとしては唯一絶対の存在であるため、そこにライフログデータを加えられるだけでちょっとニヤニヤしちゃいますな。
■各機能
さて、vivosmartHRJで利用できる各機能をひとつひとつ見てみましょう。こうして書き出してみると、思っていた以上に様々な機能があります。
時計機能
携帯電話を使いだしてからすっかりつけなくなった腕時計ですが、改めて使うと便利なものです。
提供されている時計機能はごくシンプルなもの。Apple Watchと違い、常時画面に表示されているためストレスがない…ようでいて、心拍や歩数など開いたページがそのまま残るようになっているため、時計メインで使いたい場合はちょっと面倒だったりもします。
またバイブレーションを使った目覚まし機能も備えています。他活動量計のような「浅い眠りのタイミングで起こす」といった気遣いはしてくれない実直さですが、起床の一助にはなります。
歩数系
活動量計の基本である歩数計機能。
raf00は他の活動量計を使ったことがないので正確性については言及できませんが、まぁこんなものなのでしょう。
1日の目標歩数が表示され、達成するとバイブと花火が打ち上がる表示で祝福してくれます。
目標歩数は過去の記録から最適なラインが設定されるようになっていて、購入後は「これ目標値少なくないか?」と思っていたのですが、だんだん「ちょっと達成のために追加で歩くか」という数値に変わってきています。
シンプルですがこの目標歩数設定はなかなか良く出来てますね。
上昇階数
vivosmartは気圧高度計を搭載していて、階段の昇り降りを測定することができます。エレベーターやエスカレーターでは反応せず、きちんと移動していないと記録されないので安心です。高度計を備えた活動量計は種類が少ないのですが、「エレベータを使わず階段を利用する」という健康のために重要なアクションをきちんと記録してくれるので、歩きがいがあります。ただこの高度計、微妙な勾配もきちんと計測してくれちゃうので、平地を歩いていたつもりがいきなり上昇階数ゴールの祝福でバイブレーションしてビビることがあります。
運動強度
ランニングをする際は「アクティビティ」をONにすることで運動した時間を記録することができます。アクティビティ実施中はラップの記録などもできるので活用していきたいところ。
ランニング以外の運動、自転車や水泳、筋トレでもこれをONにすべきなのかはよくわからないので、教えてくださいガーミンさん。
消費カロリー
カロリー管理アプリMyFitnessPalと連携して、カロリーの徹底管理ができる機能です。心拍データを含む消費カロリー計算を行うため、通常よりも精度が高く、ストイックなカロリー管理をするならかなり役立ちます。
歩行距離
歩数計から距離を算出しますが、どう考えても実際以上の距離が出るのでこれは参考程度に。
睡眠モード
24時間のライフログデータを自動取得するvivosmartには睡眠データの解析機能も付いています。
寝る時も付けっぱなしにしておくだけで、就寝と起床、深い眠りと浅い眠りを自動計測してくれます。
「ぐっすり寝たなぁ!」と感じた日は寝入りからの深い眠りが長かったり、寝足りない日は途中でちょこちょこ覚醒状態だったりと、じっくり時間をかけて眺めていると、なんとなく体感値に近いような気はしないでもありません。
ただ、raf00は風呂に入った後1時間くらいデスクに向かってから寝る習慣があるのですが、このデスクにいる時間も睡眠扱いになっているのはちょっと困ります。おかげで平均睡眠時間が7時間強になってて随分と寝てるみたいじゃないですか。
というわけで、この機能はちょっと楽しいおまけ程度に思っておくのが良いのではないでしょうか。
心拍計
vivosmartHRJのキモとなる、心拍計測機能。24時間記録されるのはとても面白いもので1日の行動がよくわかります。
これ、恋する女子高生とかに付けてトキメキ計測させたりしたら楽しいんじゃないですかね。男子高校生のは見たくないです。閑話休題。
精度はどの程度のものかな…と、サイコンのハートレートモニターと比べてみたところ、やや不安定で特に心拍が上昇した時の計測はややよろしくない模様。長時間の推移を見る分には不都合ないのですが、今この瞬間の心拍を正確に把握したい…というニーズだとやや厳しいように感じられます。
また風呂・プールに入って水に浸かっている時はさすがにまともに反応しません(そんな環境でも付けていられるというのがメリットではあるのですが)。大量に汗をかいても反応が鈍るとのレポートもあり、夏場が少し不安。
心拍データ転送モード
自転車乗り垂涎のハートレートモニター代替機能。設定画面の奥の奥に隠されていて、マニュアルを読まずに使おうとすると多分絶対に使えない、サイゼリヤの裏メニューのような扱いがされています。1度わかれば以降はなんてことないのですが。
起動するとANT+対応のサイコンにすぐに接続し、普通にハートレートモニターとして使えます。この転送モードを起動中は心拍表示以外の一切の操作が行えなくなり、時計を見たりミュージックコントロールを使ったりができなくなります。
ただ、表示が変えられないだけでモード中の歩数などはしっかりカウントされている模様。
また、心拍転送モードは電池使用量が増え、10時間強の利用で電池がカラになるそうです。raf00が8時間試したところ確かに8時間は使えたものの、電池の残りが少なくなっていたので、10時間を超えるロングライドの際は途中の休憩タイミングで充電をする必要がありそうです。
先述の通り、心拍計測はやや不安定であることもあり、本気のロングライドをする場合は従来の乳バンド型心拍計を使ったほうが良いだろうと思えるものの、毎日の通勤時など、心拍込みで走行を記録できるようになるメリットは大きいです。毎日計測するなんて、乳バンドではありえなかったのですから、多少の精度など気になりません。
スマホ連携機能
活動量計として優秀なVivosmartHRですが、スマートウォッチとしての機能も備えています。
スマホ連携は「通知機能」と「ミュージックコントロール」「天気情報」「スマホ検索機能」の4つ。
「通知機能」はペアリング中のスマートフォンの電話着信やメール・LINE通知の他、スマートフォンで設定している各種アプリの通知情報をバイブレーションと概要表示で教えてくれるもの。Apple Watchの通知機能が素晴らしい!と考えられている方であれば嬉しい機能ではないでしょうか。
ただ、iPhoneの場合個別のアプリごとの設定ができないのが難点で、iPhoneの通知設定でONになっている情報が全てvivosmartに送られてしまいます。。これによりraf00はGmailからの通知ラッシュに疲れて機能を止めてしまいました(AndroidではGarminConnect側でアプリごとの通知ON/OFFをコントロールできるようになっています)
ランニング中の着電に気付けるというのは結構なメリットではあるので、iPhone自体の通知設定を見直してみたいなとは思っています(そういえば心拍転送モード中の通知ってどうなってるんだろう…?)。
「ミュージックコントロール」はスマートフォンの音楽の再生・停止などの操作をvivosmart上でできるというもの。自転車乗り的には不要な機能ですが、ランナーにとっては便利な機能ではないでしょうか。機能はシンプルで再生・停止・曲送りができますが、再生中の曲表示はできません。raf00は自転車乗り属性なのと、元々音楽再生にはiPod Nanoを使っていたので使えていなかったのですが、せっかくなので音楽再生端末をiPhoneに戻そうかなと考えています。手元で操作できるのはやっぱり便利ですから。
「天気情報」は、現在地周辺の予想天気・気温を表示に加えられる機能です。便利っちゃ便利ですが、いらないっちゃいらない。自転車乗りとしてはEdgeシリーズとスマホを連動して、10km圏内に雨が近付いてきたら通知してくれる機能があったら便利かなーと思います。頑張ってほしいなぁ。
そして「スマホ検索機能」。ペアリングしたスマホが家の中でどこかに行っちゃった時にこれを探す機能で、これを起動させるとスマホ側は音とバイブが鳴り、vivosmart側はスマホまでの距離を表示するという、うっかりさんにはとても便利な機能です。購入から数週間しか経っていませんが、既にraf00は2回この機能を使ってスマホを探し出しています。
ムーブバー
購入者の総合的な健康管理をサポートしてくれるvivosmartが誇るサポート機能で、我々のようなデスクに座りっぱなしなオフィスワーカーが一定時間動かなかったタイミングで運動するよう促してくれます。
オフィスワーカーが長時間デスクワークをすることが健康状態に多大な悪影響を与え、1時間に1度体を動かすことで病気の予防、肥満の防止になることは様々な研究でも明らかにされており、本機能はそうしたアクションを助けてくれ、だいぶ仕事への集中を邪魔してくれます。切りましょう。俺は、切りました。
VIRB連携
garminが発売しているアクションカメラ「VIRB」の録画・写真撮影のリモートコントロールもvivosmartで行えます。
VIRBはスポーツマン用のアクションカメラで、動画撮影だけでなくGPSによる位置記録や高度計、さらにANT+で接続したスピード/ケイデンスや心拍数データを同時に記録でき、動画に組み込めるという素晴らしい機能を持っています。
実に欲しくなりますしこの連携は便利に思えますが難点がひとつ。
VIRBに心拍データを送るためにvivosmartを心拍転送モードにするとvivosmartの他操作ができないのでVIRBリモートコントロールも使えなくなっちゃうという。
VIRBは素晴らしい機能を備えているのですが、元々自転車乗りの間で「サイコンと機能がバッティングする」と言われていたりして、高機能を持て余していますね。
総合評価:vivosmartHRJは買いか?
スマートウォッチには一切興味がなく、リストバンド型活動量計を使うのも初めてですが、防水性と長期間稼働が優れたvivosmartHRJの取り扱いの気楽さがあり長期間使い続けられそうです。
歩数や高度、心拍数、睡眠時間など計測の部分ではまだまだ「正確無比」とは言えないレベルですが(これは他社も似たようなものでしょう)、高度と心拍が計測できることで「ちょっと高めの数字を出してみようかな」と、運動のモチベーションが上がるのは間違いありません。計測できる項目が多いだけでやる気が全然変わります。
iPhoneとのペアリングとGarminConnect、UIに関しては、もう少し熟れて欲しいところ。シンプルなのは良いことですが、もう少し柔軟に設定ができれば良いなと感じています。ここに関しては今後のソフトアップデートや、後継機種に期待。
また自転車乗りにとっては、やっぱり買うしかないでしょう。発汗時の心拍計速の不確実さや転送モード利用時の電池の持ちなど課題はいくつかありますが、乳バンドを付けずにカジュアルな走行で心拍の記録ができ、本気のロングライド時に乳バンドを利用するという使い分けができるという点のメリットはやはり絶大です。また自転車以外の運動記録も全てGarminConnectに統合できる点ももちろんグッド。
というわけで、自転車乗りには神ガジェット、それ以外の「運動をしたいから活動量計を買いたい」という人にも大いにおすすめできます。「完成度の高い端末」を重視する方は1年ほど購入を見送っても良いかもしれません。各社心拍計速機能を入れ始めたタイミングでまだまだ成長期。3週間利用した中で多くの伸びしろが感じられたので、来年あたりにはぐっと成長した後継機種がでてくるだろうと感じさせられました。