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アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と- 作者:一星

第一章 脱出 一巻ダイジェスト部分

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十四話 ボス

 トレントを狩ってから三十二日が経過した。二日に一度沸く森狼フォレストウルフのお蔭で日の進みを計算しやすい。
 森狼フォレストウルフの毛皮は大量に狩れる様になった所為で、かなりの量を保存している。最近は若干肌寒くなってきたので非常に助かっており、そのお蔭で今の格好は全身毛皮に覆われた野生児になってる。
 袋の服から解放された時はつい雄たけびを上げてしまった。ゲームで言えば文明度が一上がりましたって感じだ。

 毛皮だけでは無く木材も増えている。五日のペースでリスポーンするトレントを狩る毎に部屋の片隅に積まれていたので、いい加減邪魔になり、今では俺の風呂へと変化した。
 詳しい日付は忘れたが、百日以上ぶりに風呂に入った時は本当に生き返った気分がした。清潔にはしていたつもりだったが、溜まった汚れが浮かぶほど体中から汚れが出た。

 風呂作りは板にした木材を切込みを入れて組み合わせて、飛び出た釘が俺のかわいいお尻を突き刺すアクシデント何かもあったが意外と上手くいき完成した。
 お湯は最初の頃は木材を燃やして鍋で温めた物を使っていたが、恐ろしく面倒なので思案した結果、炉に入る最大サイズの鉄球を作り、炉で熱した鉄球を水を張った風呂桶に投入するという、ダイナミック湯沸かしを採用した。エネルギーは俺の体から生まれるマナだけだ。最高にエコである。

 もちろんエルダートレントの木材は、勿体ないので手を付けていない。名前が違うんだ気安く使う気にはならない。

 こんな感じでトレントを狩る事も日常になっていて、いなくなったスライムの代わりに投擲術を上げる方法も模索した。
 それは最初にエルダートレントを狩ってしまえば、遠距離攻撃を持たないトレントを一方的にやれる事を利用した方法だ。
 エルダートレントが居なくなった後の広場で、青銅のダガーナイフをこれでもかと投付ける。一匹当たり五十も投げれば死んで消えてしまうが、普通に何もない所で訓練をするよりかは効率が良い。
 やはりこの世界のスキルは難易度制なんだろう。

 既に数回のリスポーンを経験して、沸く魔物は変化しない事が分かった。だが、一度だけエルダートレントが二匹沸いた時が有り、危うく顔に攻撃を食らう所だった。一匹倒した所で様子見をしていた時に、こちらに飛んで来る攻撃に気付いて何とか避けれたのだ。
 探知ではトレントの見分けがつかないのだが、この気配の大小は何を基準にしてるんだろうか?

 まあ、そのお蔭でレベルは更に上がっていて、現在は二十五になっている。この世界の基準で高いのか低いのかは謎だが、確実に自分が強くなっているのが理解できる。
 既に地球のどんな人間となぐり合っても、負けない気もするのだが、果たしてどうなのだろうか。

 そんな訳でレベルと同時にスキルの熟練度は上がっている。だが、次のレベルに必要な数値が、レベル毎に増えるのでまだまだ時間が掛かる状態だ。進展状況が分かるので苦にはならないのだが、これ以上の効率は難しいので仕方ない。

 次に採掘の話をしよう。
 坑道は大きな反応が有る方向に掘り進んでいたのだが、遂にダンジョンに辿り着いてしまった。幸いな事に探知で周りに気配がない時に進んでいたので、魔物との遭遇は無かった。
 掘り抜いたダンジョンの壁はコンクリートの様に綺麗な平面をしており、人が作ったかの様な印象を受ける。
 長い通路に出たらしく明かりも無く、手に持ったトレントの木から作った松明だけでは、通路の果てまで見通すことは出来なかった。松明の火も消えない事から酸素も十分ある事が分かる。
 少しダンジョンの中を見回って調べていたのだが、気配が近づいている事に気付いたので、慌てて坑道に戻りマジックバッグから掘り出した土を一気に放出して穴を塞いだ。
 詳しく調査するべきなのだろうが、もう少し安全な場所でしたい。気配が来ない場所を掘り当てたらそうする事にして、掘り当てた通路を大きく迂回するように採掘を再開した。
 その為、未だにボスの居そうな方向にはたどり着けていない。だが、アクシデントが無ければ後一・二ヶ月あれば到達するだろう。
 そうそう、採掘の途中ではまた掘れない場所が出て来ている。例によって採掘のレベルが上がらない事には掘れないあの場所だ。次のレベルに上がるのは当分先の話なので、今は放って置くしかない。

以下、ダイジェスト

 あれからどれだけの距離を掘っただろうか。ようやくボスの部屋へと坑道が達した。
 やたらと広い部屋には、一匹の巨大な蛇の頭と水晶の柱。
 俺はそのボスの後ろ側を掘り当てたみたいだ。
 見ていても反応がなく。ボスのサイズ的に俺が掘ってきた坑道には入れないと判断して攻撃をしてみた。
 だが、現時点で最高の攻撃力であるルーンメタル製の槍は、不思議な力で防がれて殆ど刃が立たない。
 こちらを振り向いたボスの姿は、巨大な蛇の頭が、大きな目玉を咥えていて、頭部には触手のように蛇が生えている、恐ろしい姿だった。
 頭部に生えた蛇の一匹が放った魔法が坑道の壁にあたり、俺は吹き飛ばされた。俺はそのまま命からがら逃げ出した。
 痛む傷をポーションで治して、今後の予定を立てる。
 投擲で倒せるかと考えていると、一つの案が浮かんできた。
 俺は思いついた案を実行するために、今後の行動の指針を定めた。
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