油かぶり車内に2時間40分 元娘の夫逮捕
札幌市豊平区の住宅で母娘が殺傷された事件で、北海道警は10日、全国に指名手配していた娘の元夫で、同区美園4の5の職業不詳、白川秀一(しゅういち)容疑者(30)を殺人未遂容疑で逮捕した。道警は同日、美幌町内の山林で白川容疑者の車を発見。同容疑者は油をかぶって車内に立てこもっていたが、約2時間40分後、窓ガラスを割って突入した捜査員によって身柄を確保された。
道警によると、10日午後1時35分ごろ、北海道美幌町豊富で、団体職員の男性から「報道で見た手配車両と似た車がある」と110番があった。現場に駆け付けた道警美幌署員が同2時ごろ、白川容疑者のワゴン車を発見。白川容疑者はTシャツ姿で運転席に座っており、車外に出るよう説得したが、応じなかったという。
地元消防によると、白川容疑者は油をかぶっていて、ライターで火を付けるような様子を見せたことから、現場には消防隊員も待機。その後、捜査員が午後4時40分ごろ、車内に突入した。白川容疑者は身柄確保の際、「ぎゃー、助けて」などと叫んだという。白川容疑者と捜査員にけがはなかった。
逮捕容疑は7日午後7時ごろ、札幌市豊平区福住2の10の住宅で、元妻でアルバイト、大内由布子(ゆうこ)さん(23)の頭や顔を複数回殴って殺害しようとしたとされる。一緒にいた由布子さんの母真弓さん(52)を殴り、殺害した疑いもあり、道警は殺人容疑でも捜査する方針。
捜査関係者によると、白川容疑者は美幌町に実家があり、8日未明に長男(1)を預けに立ち寄った後、行方が分からなくなっていた。実家を離れる際、家族に「警察に捕まるくらいなら死ぬ」などと言い残していたほか、豊平区の自宅には自殺をほのめかす遺書のような書き置きもあったという。【袴田貴行、安達恒太郎】