10月から始まったマイナンバー制度だが、厚生労働省がマイナンバーカードに“健康保険証の機能を持たせる”案を検討していると報じられ、ネット上で話題となっている。
厚労省の検討案は、マイナンバーカードに付属するICチップに健康保険証の情報や医療用の個人IDデータを書き込み、医療に関する情報を管理するというもの。診察や処方箋の情報なども記録され、それらの情報を複数の医療機関で共有することにより、医療サービスの向上が期待できるとのことだ。
薬の二重投与の防止にもなり、医療費の削減も実現できるという、本案。しかし、ネットユーザーの反応は少々不安げだ。ツイッターでは、
「どうして余計な機能を付けたがるのか?そうした機能を付け加える度に管理リスクが上がるだけだろうに」
「保険証は病院や薬局の窓口で一旦預けなければいけないなど、手元から離れることがあるので反対です」
「マイナンバーカードと健康保険証が合体すると、街の診療所にもマイナンバーを守るセキュリティーが要求されるってことだよね。コスト増。 また、漏洩のリスクも増」
などと、個人情報漏洩やそれに伴う様々なデメリットを指摘する意見が多数投稿されている。
一方で、少ないながらも賛成派からは、
「保険証貸しが無くなって健全極まりないな。免許証もいっしょにしーや」
「こりゃいいや。 他人の保険証使ったり、重複投薬とか、重複受診とか防止出来る」
と、医療に関するデータを一括管理することで、健康保険証の不正な使用や、不適切な医療行為を防止できるなどとメリットが示されている。
たしかに、適切かつ効率的な医療を実現するには、有効だと思われるマイナンバーカードの健康保険証機能。しかし、そのためにはカルテの電子化など先に整えなくてはならない問題もあり、もちろん情報漏洩防止のシステム強化も重要となってくる。国民の賛同を得ることも含め、越えなければならないハードルはまだまだありそうだ。
(奈波くるみ)
(R25編集部)
※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
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