薬物使用の疑いで逮捕された清原和博容疑者(48)。現役時代何度も対戦したという元ロッテオリオンズ選手、村田兆治氏は、清原の礼儀正しさが好きだったと話した。
* * *
清原と対戦したいい思い出も吹っ飛ぶに決まっている。あんなことをして。「番長、番長」とおだてられて、自分の自覚がなかったんです。
現役時代、私は清原との対戦が楽しみだった。1990年10月13日、旧川崎球場で行われたロッテ対西武の四回。清原との最後の対戦は、清原がピッチャーゴロに終わり、私は打たれなかった。彼もフルスイングできたけどね。まっすぐばっかりでよく勝負したよ。打たれてもそれが勝負だから。
私が右腕のひじをけがした後に、カムバックして、清原から「速くない」とか言われ、「この若造が」と思った。でも、それは若者が自分の打席に入って感じたこと。本意じゃなかったということで、それからは、高校生のように彼は礼儀正しく帽子をとって打席にやってきた。清原の礼儀正しいところが好きだった。
彼は野球に一生懸命取り組んできたけど、生き方を間違えたよ。大いに反省して、もう番長じゃなく、一兵卒としての今後が大切。逃げも隠れもせずに捕まったんだから、しっかりしろと、本当に言いたい。
覚醒剤についても、素直に「こういう経緯で」ということをすべて告白するくらいの勇気を出してもらいたい。次にそういうことがあってはならない。だからゼロからスタートしてほしい。球界を背負ってきた男なんだから。やっぱり認めたんだから。
一生懸命に入れ墨をとろうとしていたことは知っていた。7、8年前だったかな。消そうと思って病院へ行ったんだけど、消せなかったと病院関係者から聞いたことがある。あざが残って、元通りにきれいにならないと。
誤解されている部分もあるかもしれない。お母さんにあれだけ親孝行するということは、ものすごく純粋な面もあるわけだろう。
番長も卒業。野球で番長とか組長とか使うこと自体がおかしい。彼はまだ48歳。やり直せる。初心に戻ってまたスタートしてもらいたい。
(取材班=今西憲之、上田耕司、亀井洋志、長倉克枝、西岡千史、林壮一、松岡かすみ、柳川悠二)
※週刊朝日 2016年2月19日号
記事提供社からのご案内(外部サイト)
「dot.(ドット)」ではAERA、週刊朝日 |
読み込み中…