十七回目ゲスト 高橋ナツコ
さん(NATSUKO TAKAHASHI)
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ナツコ |
そうですねー…あとはアニメ。
バラエティはほとんどやってないかも。 |
高須 |
鈴木紗理奈主演の『OLヴィジュアル系』とかやってたよね?
なんでまた、ドラマやってみようと思ったの?
バラエティは、なんか、めんどくさくなった?(笑) |
ナツコ |
いや、そういうわけじゃなく…(笑)。
私、バラエティ本当に好きですよ。
好きなんですけど、なんというんでしょう…。
ほら、バラエティの放送作家って、素っ裸で仕事してるような
ものじゃないですか(笑)。 |
高須 |
おぉ、言うねぇ。 なんか俺らがキチガイみたいやん(笑)
ほな、なにか?俺らはチンコ丸出し状態ってこと?(笑)
まあ、まあ、まあ、俺はなんとなく分かるけどね、
その素っ裸っての……。
もっとこのHPを見る人のために分かりやすく教えて。 |
ナツコ |
なんていえばいいのかなぁ…(笑)
バラエティーは、瞬発力が勝負ですよね。
素の自分を隠そうとしても、ネタ出しの会議中にバレバレになるでしょう?
作り手も、面白くなるならプライベートだってなんだってさらけ出していくし。
小山薫堂さんは、巨大なぬいぐるみで女の子を口説く…とか、
私なんて2,3回しかお会いしたこと ないのに知ってたりするし。
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高須 |
薫ちゃんって、そんなことしてんの?
ものすごい大人の雰囲気で「BRIO」とか出てんのに…。
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ナツコ |
TBSの江藤さんなんか、しばらく
会ってなくても、
昨日とんでもないフラれ方をしてピンクチラシの貼ってある
電柱に抱きついて、彼女の名前を呼んで泣いていた、
とかネタとして伝わってきますよね。 |
ナツコ |
そのピンクチラシの電柱ってとこ、大事だと思うんですけど。
私には、そこまでの大ネタはなかったな〜(笑) |
高須 |
あいつには、もともと笑いの神がついてるのかも?
あいつさぁ〜、「学校へ行こう」とかあてて、
今は優秀なディレクターらしいけど、ADとしては最悪やってんから(笑)
昔モンゴルへ一緒にロケへ行ったんだけど、いきなりチケットを
家に忘れてきて、あやうく飛行機に乗り遅れそうになるわ、
現地付いて、さぁ〜今から仕事って時に水虫が悪化して、
歩かれへんようになるし、北京経由で日本に帰ったんだけど、
そこで機材とかテープの入ったトランクの鍵を全部なくして、
税関でえらいことなってんから。 |
ナツコ |
でしょ……私にはそんな笑いの神は降りてこないですもん(笑)
もっと笑いに貪欲になれ!って、ディレクターに喝を入れられたことも
ありましたしね。ケリだったかな〜(笑)
でもドラマとかアニメだと、例えば主人公がお姫様であれば、
自分はお姫様の気分で仕事ができたりするわけですよ(笑)。 |
ナツコ |
いや、まぁ、完全になりきってたらそれは怖いですけども、
架空の人物をとことん突き詰めて考えることができると言うか、
時にはなりきって描くことが楽しいですね。
あ、書いてる時はつらいですけど。
それでも、素の自分や経験は現れてしまうと思うけれど、
バラエティほどの生々しさはないかな〜(笑)
バラエティだと、裸ぐらいで照れてるようじゃ、仕事にならないでしょ。
面白ければ、救われる!みたいな。
子供の頃から「空想大好き・もしもちゃん」のように、
架空の話を考えては中学生の時から脚本書いてたんで、
生の素っ裸勝負に向いてなかったんじゃないかな?
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高須 |
んーー、そういう感覚も分かるけど、でも俺はナツコには
バラエティやってて欲しいけどなぁ。 素っ裸も気持ちええでぇ(笑)
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ナツコ |
お話はいただくんですけど、
どうにも時間が…。
逆にバラエティで
「もう素っ裸できてくれていいよ〜。君のハダカは知ってるからね〜」
って、 そこまでわかってくださってるような方からのお話は
喜んで出かけていくんですけどね。 |
高須 |
あー、それはすごい分かるわ。
自分の持ち味を分かってくれてない現場で
一からそこを開拓するのって、絶対時間かかるからねぇ。
ぐったりしちゃうよね、始まる前から(笑)。 |
ナツコ |
そういうのを億劫がっちゃうってことは、もう歳なのかも…(笑)。
ほら、バラエティの作家って本当に「最前線部隊」でしょう?
私は「補給部隊」ぐらいで、精一杯かも。
若手の男の作家さんとかはギラギラしていて、
もう視点が最初から違いますしね。 見てる場所が違うっていうのかな。
私みたいな視点の人間が必要とされる場面も
あるにはあるんでしょうけれど… 最前線ではもっとこう、
ギラギラしてる作家が必要とされているんじゃないでしょうか。
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高須 |
いや、だとしてもナツコみたいな視点が
必要とされる現場は絶対にあると思うけどなぁ。 |
高須 |
脚本家と放送作家が最も違うところってなにかな? |
ナツコ |
いくつかの点で違いを感じますよ。
例えば、放送作家は瞬発力がとっても大事ですけど、
脚本書く仕事は持久力が大事だったり。
根本的に使ってる筋肉が違ってるような気がしますね。
あと、私の場合は特に、ドラマの登場人物や世界観に入り込みますけど(笑)、
放送作家の場合、 高須さんもおっしゃってたように、
客観的な視点ってすごく重要な気がします。
作品作る上では、どちらも大事な視点ですけど、その割合に
だいぶ差がある気が……。 |
高須 |
そうやなぁ、たしかに。
でも、あのドラマの脚本を書いて、脱稿したときって
すごいよね!
まさに持久力を代表するマラソンって感じで、
その充実感はもうカイカンだよね。 |
高須 |
ナチュラルハイになって寝られへんもん。
書き上げた時って、絶対睡眠時間少なくなってるやん?
せっかく脱稿したんだから眠ればいいのに、
俺は髪を切りにいったりして、ベラベラ喋ってたり、
シャンプーをしてもらう時に少しうとうと〜とするけど、
すぐにパッと目が醒めたりする。もう興奮が止まらないのよ〜。
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高須 |
ほんで、俺は自分で本を読み返して
「うん、ここのシーンはいいなぁ」とか
「おっ、この台詞ええやんか!」とか、
バカみたいに 思っちゃったりしてんのよ〜。
そんなんない??(笑) |
ナツコ |
えー! それはすごい! やっぱり、高須さんてすごい!
作家には、そういうナルシストな部分て必要ですよ、うん!
見たいな〜高須さんが、自分の作品にウットリしてるところ。
視点を変えればコントになりそう(笑)
でもね、そういう作家性って、とても素敵なことだと思います。
今さらホメてもダメかもしれないけど、いや、マジで(笑)
だけど、高須さんてやっぱり本当に、
芯から放送作家だからそうなんだと思いますねぇ。 |
ナツコ |
だって、シナリオに入ってる時はそこまで
客観的になるのは難しいし、それに、第一、
いいもの書いたかも!?ってひとりで ウキウキしても、
普通、人にはいいません。
黙って、ニンマリ するもんですよ〜。
ホント、素っ裸なんですね、高須さんて。
あ、人がいいのかも。今さらホメてもダメか(笑)。
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高須 |
俺はねー、ものすごく引いた視点で見直すのよ。
見る人がどう思うかなぁ、と考えて、見直す。 |
ナツコ |
その部分は、高須さんの作品に出てると思いますよ〜。
高須さんのサービス精神が作品に出てるの。
今しゃべっててすごく分かってきました。 |
高須 |
ナツコは、ガッツリと入り込んだ後って、
違うカメラで見直したりはしないの? |
ナツコ |
しようしようと、努力はしますが、主人公にはできてない…というか…。
話の展開上、その場で一緒になって焦っちゃったりしちゃうんですよね。
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高須 |
へぇぇ、そんなことが…。
俺も書いていて、主人公に入り込むことあるけど、
一回トイレでも行って、もう一度読み返すと、もうそれでちょっと冷めてる。
すぐ、もう一人の自分が「これでいいのか?」チェックしちゃう。
多分、構成してる感じやなぁ。組み立ててるっていうか。 |
ナツコ |
それで、人物達の台詞って出てくるものですか? |
高須 |
いや、一瞬一瞬は、そいつになりきって書いてるんだよ?
なりきってはいるんだけど……だけど、最後には構成して、
「全体的にちがうな」と思ったら書き直したりするなぁ。
シーンごとの構成を大切にして、いくら思い入れのあるキャラの言葉でも
構成として不適合であれば書き直すっていう選択をしてるかも。
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ナツコ |
ふむふむ…。
確かに、アニメとかドラマには、ある程度セオリーかありますもんね。
そこんとこ押さえてないと、入り込んでるだけでは見にくくなる
って言うか……伝わりませんよね、見てくれてる人に。
そこんとこが難しいですね〜。
だけど、バラエティにはセオリーなんてないに等しいから、
これまた難しくて。
ホントに、瞬発力と感覚的な部分が大事な世界…ですよね。
それは、ドラマとは大きく違う部分なんじゃないのかな。 |
高須 |
そのことが、ドラマの世界で活かされてたりはしないの? |
ナツコ |
んー、どうだろう…。
あ、ドラマの会議で一つのシーンについてアイデアを出すときに
「おもしろい発想しますね〜」と言われたりするかも…。
飛びすぎて呆れられることもありますけど。
代案を考えることに苦痛はない方かもしれません。
信頼する人たちが引っかかる点というのには、必ず弱点があるはずだから。 |
高須 |
それっていうのは、まさにバラエティー放送作家で培った瞬発力と、
一つのキーワードを投げられたときに、それに対して
すぐにいくつかの企画を考えたり、
出来るだけ沢山の切り口を相手に返す能力、やろ? |
ナツコ |
確かにそうですね…。
バラエティーって、会議中のネタの応酬が、
クオリティーアップにつながりますよね。
ドラマの時は、そのシーン一つがいくらおもしろくっても、
お話のバランス的に浮いてしまうなんてこともありますけど…(笑) |
高須 |
あーあーあー。それはある(笑)。すごいある(笑)。 |
ナツコ |
だからねー、私の場合、ちょっと無茶する主人公が多いんですよ。
こんな時、どうやったら面白いかな、って思っちゃうから。
それでキャラクターの感情的にも、お話的にも破綻してしまったら、
どうしようもないんですけど…
でも、無茶する主人公っていう設定をきちんと構築できていれば、
無茶なシーンを受け止めるストライクゾーンが広がると思うんですけどね…(笑)。 |
高須 |
最近はドラマももちろんだけど、
アニメのほうもかなり夢中なんでしょう? |
ナツコ |
私は基本がちょっと「オタク」なんですかね〜。
本来のオタクの皆さんに、私ごときがオタクを名乗るのは
申し訳ないとは思うんですが…
好きなアニメのシナリオはたいてい暗記してますしね。
『赤毛のアン』とか『ガンダム』とか。
あげたらキリがないですけど (笑)。
これは好きなドラマもそうですよ。 |
高須 |
すげぇ! それは十分オタクやん。
いくら好きでもシナリオまでは覚えてないで、普通
は。 |
ナツコ |
ほんっとに子供の頃からアニメが好きだったんですよ。
今でも大好きですけど。
バラエティでも、タレントがアニメのキャラに扮して…
みたいな企画をやらせてもらってましたね。
私としては、テレビの仕事を細々と長いことやらせてもらってるうちに、
自然と、好きな世界へ近づいていったような。 |
高須 |
俺も今、すっごいアニメに興味あんのよ。
どんなアニメーションが自分の作りたい世界なの?
少女もの?少年もの?SFチックなもの? |
ナツコ |
んー…少女モノもロボットモノも好きなんですけど、
今やりたいのは…パワフルな恋愛もの、かなぁ(笑)。
女の子が前向きなのがいいですね。
それに自然と男の子も 巻き込まれていくような。 |
ナツコ |
書いてる世界って、恥ずかしいですけど、
理想な部分がありますね〜。
なるべく前向きに生きられたらいいな、と。
プライベートではしょっちゅうつまずいてるんで、も〜。
そんな理想が、現実では無理、ドラマでも無理かも…ってところさえ
アニメならば飛び越えていけたりしますしね。 |
高須 |
理想かぁ…。
確かに、子供の頃ってマンガ見て、アニメを見て、
想像力かき立てられたし、それが今の自分の原点でもあるよね。
でも、俺は恋愛モノを書きたいとは思わんなぁ…。
俺ね、子供の頃「ルパンIII世」が大好きだったのよ。
登場人物や設定も憎いけど、 子供番組なのに、
主題歌がめちゃめちゃジャズっぽくて格好良かったり、
細かいグッズやアイテムもファッショナブルだったり、
…だって拳銃もわざわざ「ワルサーP38」って
固有名詞を出すところなんか、もう憎すぎる。 |
ナツコ |
そういうこだわりの小物って、男の人はやられやすいですよね。
ロマンチストなんだな〜男性は、とつくづく(笑) |
高須 |
ちょっと、アニメの話はおいといて、そろそろ
ナツコの
プライベートの話もちょっと聞きたいんだけど…。
ぶっちゃけさぁ、ナツコって、もてたの?(笑) |
ナツコ |
なんですか急にっ。 もてるわけないじゃないですかーーー!(笑)
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高須 |
えーー、そんなことないやろー。
そこそこモテたからこそ、恋愛ものを理想に掲げて描いてるんじゃないの!? |
ナツコ |
モテてれば理想に生きたりしませんって。
第一、モテる人間が放送作家になりますか!?(笑)
せっせと投稿してる間に、モテてたらデートするでしょう!?
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高須 |
女の子は別でしょう!
男はそれはまぁ、もてないの多いけどさぁ…(笑)。
女の場合は芸能界に憧れながら、ひょっとしてチャンスがあれば
私は表にも出ますよ〜、みたいな人もいたりするやん? |
ナツコ |
あー、最近、聞きますよね、そういう女性の話。
放送作家って華やかに見えだしてますからね…。
私にはそのへん、まったく理解不能だけど(笑)。
表にも出たいっていう意識のある人が放送作家になってしまうと、
絶対ツライと思うけどなぁ。 実際には、ものすごーく裏方ですもん。 |
高須 |
だね。 で、そこのバランスを取れない人もいるやんか。
取れる人はいいけど、取れない人は「おやぁ?」という気持ちになる。
前に出たい人はタレントになるしかないと思うけど、
そこんとこが難しいよね。
放送作家っていうのは、基本的に客観視する仕事やんか。
「あいつはここがだめだよねー」
「ここはもっとこうしたらいいんじゃないのー?」って、
外から眺めて意見して、とにかく他人のことはよく分かる。
でも、そういう人が自分のことも客観視できるかっていうと、
ちょっとダメだったりするんだよね、これは自分も含めて言えるんだけど。 |
ナツコ |
下手したら、自分が素っ裸なことすら気づかずに
仕事してたりするんでしょうしね。 |
高須 |
そうそう。自分の事って、逐一、断面
で気づいていったりするやん。
「今日はこうだった」「今日はこんな感じだった」って、
少しずつ切り刻んで、日々ちょこっとずつ判断していく。
本来は、自分をプロデュースするってことは、
もっと長いビジョンを持って、未来の形を見据えて、
「先々こうなりたいから、今日はこれで良かった」って
結論を出すべきやんか。
だけど作家って基本的にナマケモノだし、 一日一日に精一杯で、
そういう見方をできてる人間って ごくごく少数やと思うんよね。 |
ナツコ |
セルフプロデュースがねぇ…丸裸の放送作家にとっては、
ムズカシイ問題ですね。 |
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