ニュース詳細
シリアの空軍基地 クルド人勢力が制圧2月11日 22時10分
内戦が続くシリアでは、北部にある空軍基地をクルド人勢力がロシア軍の空爆の支援を受けて制圧し、クルド人勢力をテロリストと批判する隣国のトルコが強く反発して、和平協議の再開に向けた調整が一層、難航する可能性が高まっています。
シリア内戦の情報を集めている人権団体によりますと、シリアでは反政府勢力の1つであるクルド人勢力が11日、別の反政府勢力が支配下に置いていた北部アレッポの北にある空軍基地を、ロシア軍の空爆の支援を受けて制圧したということです。
クルド人勢力は、過激派組織IS=イスラミックステートとの戦闘を続けていることから、アメリカに加えロシアも支援を強めていますが、クルド人勢力をテロリストだと批判するトルコが強く反発しています。トルコのエルドアン大統領は10日、演説で「クルド人勢力がテロリストだと理解していないから、中東で多くの人たちが血を流している」と述べ、アメリカやロシアによるクルド人勢力への支援を強くけん制しました。
シリアの内戦を巡っては、国連の仲介による和平協議の再開に向けて、11日にドイツで関係国の外相らによる話し合いが行われますが、クルド人勢力を協議に参加させるかどうかを巡り、調整が一層、難航する可能性が高まっています。
クルド人勢力は、過激派組織IS=イスラミックステートとの戦闘を続けていることから、アメリカに加えロシアも支援を強めていますが、クルド人勢力をテロリストだと批判するトルコが強く反発しています。トルコのエルドアン大統領は10日、演説で「クルド人勢力がテロリストだと理解していないから、中東で多くの人たちが血を流している」と述べ、アメリカやロシアによるクルド人勢力への支援を強くけん制しました。
シリアの内戦を巡っては、国連の仲介による和平協議の再開に向けて、11日にドイツで関係国の外相らによる話し合いが行われますが、クルド人勢力を協議に参加させるかどうかを巡り、調整が一層、難航する可能性が高まっています。
一線を画すクルド人勢力
シリアでは乱立する数十人から数千人規模の武装グループが、地域ごとにグループや連合を組んで「反政府勢力」として活動し、アサド政権の政府軍や過激派組織IS=イスラミックステートとの戦闘を続けています。その数は100以上に上りますが、アサド政権との対話を模索するグループから、ISと同様に国家の樹立を掲げるグループまで、活動の目的はさまざまです。
このうち、クルド人勢力はシリア北部で過激派組織IS=イスラミックステートとの激しい戦闘を続け、欧米から武器などの支援を受けています。最終的には「クルド人国家の樹立」を目標にしているとされ、アサド政権の打倒を第1に掲げるほかのグループとは一線を画しています。
今月初めまでジュネーブで開かれていたシリア和平協議は、アサド政権との交渉に臨む反政府勢力に、どのグループを加えるべきかについて関係国の間で合意が得られず、中断されています。ロシアがクルド人勢力を反政府勢力に含めるべきだと主張しているのに対し、国内でクルド人武装組織と対立しているトルコなどが強く反発していて、クルド人勢力の扱いが和平協議再開に向けた最大の課題の1つとなっています。
このうち、クルド人勢力はシリア北部で過激派組織IS=イスラミックステートとの激しい戦闘を続け、欧米から武器などの支援を受けています。最終的には「クルド人国家の樹立」を目標にしているとされ、アサド政権の打倒を第1に掲げるほかのグループとは一線を画しています。
今月初めまでジュネーブで開かれていたシリア和平協議は、アサド政権との交渉に臨む反政府勢力に、どのグループを加えるべきかについて関係国の間で合意が得られず、中断されています。ロシアがクルド人勢力を反政府勢力に含めるべきだと主張しているのに対し、国内でクルド人武装組織と対立しているトルコなどが強く反発していて、クルド人勢力の扱いが和平協議再開に向けた最大の課題の1つとなっています。