十七回目ゲスト 高橋ナツコ
さん(NATSUKO TAKAHASHI)
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高須 |
ナツコは今の日本のバラエティの状況についてどう思う?
考えたくないから、住む場所を変えてしまったのかもしれないけど…。
俺も毎回視聴率表とか見るたびに、
「なんだかなぁ〜」 とか独り言いっちゃうんだけどねぇ。
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ナツコ |
視聴率という点ではドラマも同じですけど……。
確かにバラエティーの企画を今すぐ考えろって言われると難しいですね。
『今』にガツンとストライクなものってなんだろう…?
現実の世界が多様化していて、ショッキングなことが多いし、
何をやっても衝撃度が少なそうですよね。
バラエティーの場合、タレントさんの持ち味を生かすってことと、
番組としての狙いのせめぎ合いだと思うんですけど、
もうちょっと作り手のテーマが見えてもいい気がしますね〜。
そう言えば、先輩の村上さんがたずさわってる番組って、
どこかスポーツのエッセンスと笑いのエッセンスが
合わさってるものが多くて、テーマがブレてないというか、
面白く見られるんですけど、高須さんはどう思います? |
高須 |
個人的にはスポーツのこと全然知らんし、よう分からんけど
本当に彼はスポーツが好きだから、
そういう要素が自然に入ってくるんちゃうかな?
逆に言えば、そういう番組だから彼に声がかかるっていうのは
あるんじゃないかな。 |
ナツコ |
ある意味、スポーツは永遠不滅の要素だし、
そういう武器があるとすごいですよね。 |
高須 |
その点、アニメはどうなの?
アニメをいくつもやっているナツコだけど、 最終的に、
アニメでこんな事がしたい、とかっていう ビジョンはあるの?
俺も今年、アニメをやってみたいと思っていて、
いろんなことを考えてはいるんだけど。 |
高須 |
俺はやっぱり少年ものかな。
「少年もの」には少女達もファンとして入ってくるけど、
「少女もの」はやっぱり女の子だけの世界って部分もありそうだからね。
自分の作ったものがどうなっていくかなんて分からないけど、
アニメっていうのはすごい可能性を秘めてる。
宮崎駿さんを見てると、日本人として勇気がもらえるというか…
ひょっとしたら俺にもって、自分の中に良い意味での勘違いが生まれて、
それが今のクリエーター達の活力になってると思うんだよね。
俺は映画が大好きだけど、日本人って結局、 どこまでいっても、
見た目は日本人でしかないし、 どれだけ派手な脚本を書いたとしても、
世界にアピールする限界値があると思うのよ。
だから、たけしさんの撮る映画みたいに、 台詞を極力少なくして、
暴力とか静寂とか、 なんていうんか…こう、わびさび文化に
バイオレンスを上手く取り入れたみたいな表現をせざるを
得なくなってしまう部分もあったりするのかなあ。
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高須 |
だけど、アニメであれば日本人発だとしても、
想像力さえあれば世界まで飛べそうな気がするやん?
所詮実現不可能と思って、自分の頭の隅っこに
ゴミのようにおいやられてたアイデアを、
もう一度外の世界で再生できるのって、めちゃめちゃ嬉しい。 |
高須 |
そして、放送作家って、ずっとずっと制限されっぱなしの
現場やったりするやん。
でも、アニメには想像力の制限がない。
頭に浮かんだことや 発案したことが無限に「絵」になる可能性が
あるように思えて、 俺はアニメの打ち合わせの現場が、
今は楽しくて仕方がないんだよね。 |
ナツコ |
「こんな話が書きたいんだ」っていう、
気持ちの部分から発してないっていうのが、
やっぱり高須さんらしいスタートだなぁって思いましたね、今。
私は、そういう客観的な可能性の部分じゃなく、
「こういう話が書きたい、だからアニメ」って流れですもん。
やっぱり高須さんは、しっかり放送作家の観点から
アニメを作ろうとしてるんだなぁ。 |
高須 |
これって放送作家の観点なの?
それっていいことなの? 悪いことなの? |
ナツコ |
すごいなぁと思いますよ。私はもうちとマニアックなもんで。
でも、今期はアニメーションが100タイトルほど
放送されてるそうで、ものすごいことですよね。
現場にいると制作期間もろもろ壁にぶち当たってますが。。。
高須さんがいうような宮崎駿さんの世界や、 ルパンっていうのと、
いわゆるウィークリーで放送してるものとは、
ちょっと風呂敷の広げ方がちがうのも現実ですね…。
どっちが良いとか悪いとかじゃないんですけどね。 |
高須 |
僕にとっては放送作家も、それこそ映画もアニメも、
自分の頭に浮かんだものを具現化するための、一つの手段でしかないなぁ。
テレビも映画もアニメも、たったここ100年で生まれたものだし
生きてる間に、他の表現方法が生まれたり、見つかったりしたら
もっと違うもので自己を表現しようとするかもね。
せっかく頭に浮かんだものは全部なんとかしたいんだよねぇ。
だけど、何をやっていくにしたって、 身体だけは気を遣ってないとあかんで。
実際、何時間ぐらい寝れてるの?毎日。 |
ナツコ |
うーん…4、5時間、いや、3、4時間ぐらいかなぁ。
そういう高須さんはどうなんですか? |
高須 |
ナツコは母親業もあるわけやろ?
それで、その睡眠時間はすごいよ。
でもさぁ、結局やりたいことやろうとしたら、 睡眠時間削るしかないやん。
そこを削らなかったら、何も作り上げられない。 |
ナツコ |
そうですねぇ、確かに。
だけど、ずっとずっと〆切に追われ続けて、
睡眠時間もなくなって…っていう生活もまずいなぁとは思ってるんですけどね。
何かに感化される余裕も、引き出しを増やす時間もないのは
よくないですし、
健康、もね…。 実は、最近、お世話になった先輩を亡くしまして……
越山先生、 ご存知ですよね?
この方は本当に 仕事が趣味って方だったんですが、
最後には身体壊されてしまって…。
放送作家って基本的に「好きでなった仕事」だから、
みんな他に趣味がなかったりするでしょう?
「仕事が趣味」で、それが生きていく全てになりかねない。
それって、体にも心にもむちゃくちゃ危険ですよね。
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高須 |
まあなぁ…ストレスは日々、ハンパではないからなぁ。 |
ナツコ |
絶対どこかで生活を見つめなおさなくちゃと思ってます。
高須さんは、なにかうまい気分転換とか方法があるんですか?
煮詰まったときとか、ストレスでハチャメチャになった時とか、
どうしてるんですか? |
高須 |
友達と美味いメシ喰って、上手い酒飲んでダラダラするね。
あと、最近は釣りかな?
去年の夏に4級船舶の免許をとったから、
今年は船をだしてボーっとしながら釣るのがいいかなぁ。
ナ
ツコはどうしてるん?
子供の面倒みるのはストレス解消…になったりすんの? |
ナツコ |
ホッとしますね。
笑ってくれるとこっちも、ふわ〜っと感動したりして。
唯一、仕事のこと忘れてたりして。
利害関係ないですもんね。当たり前か(笑) |
高須 |
まー、どっちにしても長く最前線ではおられへんってことやね。
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ナツコ |
うん、筋肉使いきって干からびてしまう前に
どこかで自分でブレーキかけなきゃとは思う。 |
高須 |
最後に、脚本家になりたい人達へメッセージなどある?
何を大切にするのがいいんやろ? |
ナツコ |
可能性……なんて言ってみたり(笑)
でも、コンクールとか、例え入選できなくても、
思い切り書いて出してみるといいと思うんですよね。
私は実際、これも馬鹿なんですけどね、
シリアスなテーマがお題のコンペに、
力いっぱい明るい話書いて出しちゃって、
その時は当然、 落選しましたが、別な機会に呼んでもらえたクチですから。
覚えてくれた人がいるんだなぁ…とこの時はとても嬉しく思いました。
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高須 |
なるほど。 とにかく、お互いまだまだがんばらんとあかんなぁ。
とはいっても、ナツコは母親なんやから、
子供のためにもしっかり自分の生命力は管理せんとな。
無茶はギリギリでとめとくように(笑)。 |
ナツコ |
高須さんだって、いつまでーも一人でどうするんですか(笑)。
私はいろんなヒミツも知ってるんですよ(笑)。 |
高須 |
うっ…あっ…。
ナツコ、今日はどうもありがとうございました!
さあ、ほら、〆切〆切っ、はよ帰って帰ってっ。 |
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御影湯 高橋ナツコの湯 おしまい
「ナツコさん、お忙しい中、たくさんのお話をありがとうございました!!」
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