配送費用には要注意
そして、飛び抜けて高額なのが、やはり不動産。実際に、「東京都立川駅前の約300m2の土地」が、9400万円で出品されていた。このような1億円レベルのものから、たとえば見積価格1万1000円の「宮城県の農地約160m2」まで、全国各地の多様な土地が出品されるので、興味がある方はチェックしてみて欲しい。
最後に改めて、官公庁オークションを楽しむために、心得ておくべきポイントをいくつか確認しておこう。
(1)開催のスケジュールがあらかじめ決まっている。
他の一般的なオークションとは異なり、参加申込期間と入札期間があらかじめ決まっている。入札したい品物ごとに参加申し込みが必要なので、受け付けている期間を逃さないように気をつけたい。
(2)参加申し込み時に、保証金の納付が求められる。
いい加減な入札を防ぐための措置で、保証金はオークション後に全額返還される。品物ごとに金額は異なり、保証金のない物件もあるので、詳細をチェックしよう。
(3)せり売形式と入札形式がある。
せり売は、入札期間中何度も入札できる。入札期間が終わりに近づくにつれ、値段も上がっていく。入札は、最初の一回希望の金額を打ちこめば、後は入札期間が終わるのを待つのみだ。
「せり売のほうが、他の人が入札する様子を見ながらできるので、初心者にはわかりやすい。対して、入札形式だと、一度で金額を決めないといけないので相場の知識が必要です」(前出の川崎氏)
(4)郵送・配送の手続きはすべて自己負担。
お値打ち品を落札できても、郵送・運送費がバカにならないこともある。『折り畳み自転車』(見積価格3000円)や『洋服タンス』(同6万5000円)といった出品はお得に思えても、品物によっては「取りに来られる方のみ」といった条件が付いているので、出品されている場所をよく確認したい。
身近な物から特殊なものまで、安く手に入れられる官公庁オークション。欲しいものを見つけたら、さっそくエントリーしてみよう。
「週刊現代」2016年2月6日号より