記事作成日:2016/02/11 19:33 │ 最終更新日:2016/02/11 19:33
森の中にひっそり佇む洞窟。冷んやりとしたトンネルに置かれた古い仏像。タイ北部の古都チェンマイにある寺院「ワット・ウモーン」は、瞑想に訪れた人を優しく迎えてくれる洞窟寺院です。洞窟を微かに照らす光は、月明かりのように静かで美しく、神秘的な聖なる気配が沈みこみ、とても不思議な気分。タイの寺院でも、かなり珍しい洞窟寺院へと、ご案内いたしましょう。
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写真:澤 慎一 / 地図を見る
風情が感じられる寺院が多いことから、“タイの京都”と呼ばれる古都チェンマイ。13世紀末にランナータイ(ランナー)王朝の都が置かれた都市で、当時の栄華を今に伝える寺院や遺構が約300以上も残り、多くの観光客たちを魅了し続けています。
数々の格式高い寺院の中でも、ひと際異彩を放つのが洞窟寺院「ワット・ウモーン」。チェンマイ市街を見下ろすステープ山の麓にあり、旧市街から外れた場所に佇んでいます。深い森を進むと、ご覧のような巨大な石碑が忽然と姿を現し、たいへん驚かされることも。悠久に流れる歴史のロマンを感じることができます。
写真:澤 慎一 / 地図を見る
こちらは、「ワット・ウモーン」のシンボルとなる仏塔。深い森の奥にある小高い丘に建つ仏塔は、タイの古典期に当たるスコータイ様式の影響を受け、巨大なベルを乗せたような建築デザインとなっています。
きらびやかな黄金の寺院が多いタイにあって、極めてシンプルで古風なのが「ワット・ウモーン」。ランナータイ王朝の初代メンラーイ王がチェンマイに都を置いたときに、スリランカから招いた僧侶の修行の場として築きました。
タイで信仰されている仏教は、日本や中国、チベットの「大乗仏教」と違い、スリランカやミャンマーなど南の地域に伝わった「上部座仏教」。このため、寺院のシンボルとなる仏塔も、美しい釣鐘型のスリランカ様式の影響を受けているのです。
「ワット・ウモーン」はその後、14世紀に瞑想修行できるトンネル(ウモーン)が掘られ、下界の喧騒を離れた“洞窟寺院”として知られるようなりました。
この巨大な釣鐘型の仏塔の真下に、3本のトンネルがあり、瞑想に耽りたい方は誰でも自由に入ることができます。
写真:澤 慎一 / 地図を見る
こんもり盛り上がった丘の斜面に、3つのトンネルの入り口が防空壕のようにぽっかり開いています。このうち、真ん中にあるトンネルに置かれた仏像がこちら。
穴の開いた天井から太陽光が差し込んでいますが、この上にさきほどご紹介した巨大ベル型の仏塔がそびえています。
柔らかな暖かい光が壁面を照らし、なんとも厳かで神秘的な雰囲気。タイ人が次から次へと訪れ、ひざまずきながら深々と頭を下げ、祈りを捧げます。仏教徒でなくても、自然と正座して両手を合わせてしまう。そんな不思議な力が、この洞窟には宿っています。
写真:澤 慎一 / 地図を見る
こちらは、3本のうち、正面から見て右側にあるトンネルに安置されている仏像。穏やかなオレンジ色の明かりに、ひび割れたレンガ壁が浮かび、幽玄な世界が広がっています。
苔むした壁や古いレンガ積みの壁がひっそり森の奥に佇み、日本の京都で感じられる「侘(わび)」「寂(さび)」の世界を感じることができます。寺院が多いチェンマイで、ここまで足を延ばして訪れる観光客は少なく、本当に瞑想したい人だけが訪ねてくるので、ひっそり静かな雰囲気を味わうことができます。
写真:澤 慎一 / 地図を見る
そして、こちらは最後のトンネル。暗がりには古い仏像が置かれ、ここに座っていると厳粛な気持ちになることができます。洞窟を微かに照らす光が、月明かりのように静かで美しい。ここに座っていると、神聖な気持ちになり、とても不思議な気分。神秘的なエネルギーが体の中に入ってくるのが感じられます。
国民の95%以上が仏教徒のタイ人は、この世で起こることは、すべて自分の過去の行いによる報いと考え、苦しみや迷いから解き放たれるために修行し、心を浄化しようとします。その一つが「瞑想」。生の苦しみは、「無明」によって起こる執着。無明を断つために、瞑想を行うのです。
いかがだったでしょうか?
「無明」というのは、“心の迷い”のこと。真理に遠く、智慧の光に照らされていない状態のことです。
チェンマイに観光で来られたら、タイでも珍しい洞窟寺院を訪れ、しばし下界でのことを忘れて瞑想されてはいかがでしょうか?
それほど大きな悩みを抱えていなくても、仏教徒でなくても、神秘のトンネルに入り、仏像にそっと手を合わせると、すっきり爽やかな気持ちになることができます。
なお、チェンマイの寺院やグルメ、スイーツなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。
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