【ソウル聯合ニュース】韓国政府系の東北アジア歴史財団は4日、17世紀の日本の書物「柳川調興公事記録」を韓国語に翻訳し、「近世韓日関係史料集:柳川調興公事記録」として出版したと発表した。
原書は江戸時代初期に対馬藩主・宗義成と重臣の柳川調興が日本と朝鮮王朝の間で交わされた国書の偽造をめぐり対立した事件、いわゆる「柳川一件」について記録している。
壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の後、朝鮮と日本の交流が途絶えたことで中継貿易に大きな打撃を受けた対馬藩は、国交再開のため徳川家康の国書の偽造を行った。柳川調興は主家である宗義成と対立し、宗家の極秘事項だった国書の偽造、改ざんを暴露、宗家の追放をもくろんだが、結果的に宗義成は無罪、柳川調興は津軽へ流罪となった。
東北アジア歴史財団は訳書について「壬辰倭乱以降の朝鮮と日本の国交再開プロセスを研究する土台としての学術的な価値がある。一般読者には、17世紀初めに両国の外交システムが整えられていく過程の裏に何があったのかを知る楽しみを与えてくれるだろう」と紹介した。