■東大推薦入試の合格発表! 日比谷高校が複数名合格の快挙
2016年2月10日、東京大学で初となる推薦入試の合格者数が発表されました。100名程度の募集を見込んでいたものの、国内外の名だたるコンテストや数学、物理オリンピックで成績を残した生徒や、学校での研究活動や語学力の際立った高校生を対象としたため、ハードルは極めて高く、合格者数は77名という少人数にとどまりました。
超難関の東大推薦入試は、合格者の出た高校もほとんどが1人だけの単独合格。そんな中、東京の都立日比谷高校は、1校から2人が合格するという快挙を達成。東大の高校別推薦合格者数で初代首位を勝ち取りました。
日比谷高校は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校であり、実験活動や数学オリンピックなどの大会出場に熱心でyあることが、東大推薦合格の強さにつながったようです。
■東大医学部合格は2人だけ……日比谷高、金沢大附属高が合格
全国の大学入試の最難関である東京大学の医学部医学科の合格者数は、募集人数を下回る2名にとどまりました。
合格者を出したのは、日比谷高校(東京)、金沢大学附属高校(石川)の2校。日比谷高校は、東大推薦入試で複数名合格を出しただけでなく、全国でたった2名の医学部医学科合格を輩出するなど、実績が際立ちました。
石川県の国立大附属の進学校である金沢大学附属高校は、ヨーロッパ国際女子数学オリンピックでメダルを獲得するなど、世界の舞台での活躍が目立った生徒が、日本最高峰の合格を勝ち取りました。
■公立進学校が優位? 高校別合格者一覧から分かること
ほぼすべての高校が1名しか合格を出していません。どういった高校から合格が出ているのでしょうか。2月11日現在で合格を出していることが判明している高校を一覧にしました。●が国公立高校、〇が私立高校です。
●日比谷高校 2名 (理三1)
●金沢大附属高校 1名 (理三1)●札幌北高校 1名
●札幌南高校 1名
●秋田高校 1名●安積高校 1名
〇渋谷幕張高校 1名
〇栄東高校 1名●三鷹中等教育学校 1名
〇桐蔭学園中等 1名
●横浜国際高校 1名
●横浜サイエンスフロンティア高校 1名●厚木高校 1名
●磐田南高校 1名
●膳所高校 1名
●兵庫高校 1名
●県立広島高校 1名
●洛北高校 1名
〇高知学芸高校 1名
●大分上野丘高校 1名
〇大分東明高校 1名
●宇土高校 1名
〇沖縄尚学高校 1名
一覧にしてみてみると、公立高校の合格が圧倒的に多いことが分かります。東京大学は、私立中高一貫校出身者を減らし、地方の公立進学校からの合格を増やしたい意向ですから、今回の入試結果はそれを如実に反映した結果となりました。
京都の洛北高校は、ノーベル賞受賞者も輩出した全国有数の公立名門校。公立中高一貫校化以来、飛躍的に大学進学実績を伸ばしており、今春は東大工学部で推薦合格者を輩出。さらに、京大特色入試の理学部5名枠のうち2名の合格を出すなど、新しいタイプの入試に強さを発揮しています。熊本の地元の名門公立高、宇土高校も、2009年に中高一貫校化して以来、実績を伸ばし、東大推薦合格の輩出を成し遂げました。県立広島高校も、公立進学校の地盤沈下の危機感から、広島県が威信を賭けて創立した進学校型の公立中高一貫校です。今後も、全国の公立中高一貫校の台頭が続きそうです。
一方で、東大合格者数が1位の開成高校は、マンモス校であるにもかかわらず、男子校であることも災いして、合格者は最大でも1名に制限されます。東大や京大を目指す生徒が、開成高校を選択することによって試験に不利になるため、日比谷高校のような共学の進学校を選ぶ生徒が増えそうです。今後の中学受験、高校受験にも多くの影響を与えることになるでしょう。