過去に記事にもした映画「オデッセイ」を早速見に行ってきた。
その内容をざっくりと説明すると、火星に取り残されてしまった宇宙飛行士マーク・ワトニー(マット・デイモン)が、人類が積み上げてきた科学を用いて、火星という過酷な環境で1人生き残ろうとするもの。
最初はマット・デイモンが演じるということで興味を持ち、次いで内容に惹かれて見に行ったけど、これは映画館で見て正解だと思える作品だった!
最初から最後までワクワクとハラハラが止まらず、終わり方も想像がついていたけど不覚にも涙が出そうになった(笑)(涙腺が緩くなっているからかもしれないけど)
5点満点中5点をつけたい作品。気になっている人にはぜひ映画館に足を運んでもらいたいと思う。
映画「オデッセイ」のあらすじ
火星探査の一員として参加していたマーク・ワトニー(マット・デイモン)。しかし、その最中に突如として現れた嵐に巻き込まれ、マークは船員とはぐれてしまう。嵐の激しさから探査と救助を断念せざるを得なかった船員たちは、マークを死亡したと断定。地球への帰還を余儀なくさせられる。
しかし、マークは運よく(不運にも)まだ生き残っていた。人が生きるために必要な空気も水もない火星で今、科学を武器にしたサバイバルが始まる。
次に救助が来るのは1400日。果たして、マークはそこまで生き残れるのか―
原作の映画化。内容はNASAの責任者が監修し科学的正確性を追求
原作はアンディ・ウィアー著「火星の人」。これは元々、彼が自身のウェブサイトで連載していたもので、それをkindleで発売したところ爆発的な売り上げをあげる。そして、ウェブサイトでの連載しているときに、既に映画プロデューサーがコンタクトをとっており、20世紀FOXが映画化権を取得。
それが、今回の「オデッセイ」となっている。
原作にも興味がある方はどうぞ。
そして、その映画の中でマークが使う科学技術は、NASAの惑星科学部門の責任者が監修し、さらに読者からのフィードバック、その上でもう一度検討するという念入りな検証がされている。
(ネタバレ注意)
マークが植物を育てる際に必要な水を得るために行った電気分解の技術は、実際にNASAの火星探査機でも使用されている。
作中ではエリジウム?とかいう燃料の水素に火をあてて、水を作り出していたけど、初めて聞く用語で名前までしっかりと覚えきれなくて、「何となく電気分解で水ができたぜ」って感じで理解していた。
あと、引火による事故をNASAは嫌って、燃えそうな物は全て難燃性のものになっているから、船員の一人がお守りに持っていた木製の十字架を薪替わりにするっていうのが、リアルっぽくて笑えた。
また、火星の夜の寒さ対策として、放射性同位体熱電気転換期(原子力電池の一種、RTG)を用いた熱の取り方も実現可能な方法。
これも作中で名前が出て来たけど、思い出そうにも全く思い出せない名前でウィキを見て、正式な名前を理解できた(でもすぐに名前を言えと言われると言葉につまる)。
こういう難解な単語がちょこちょこ出てくるけど、映画を楽しむ分には忘れても問題ない範囲。まぁ分かった方がもっと面白くなりそうではあるけど。
あと、作中にこれで暖を取る際、マーク自身も「(元が原子力なので)放射能汚染が危険だから」と言いつつ、背に腹は代えられず、「まぁ丈夫な入れ物(燃料を支える格納容器)に入ってるから壊れることはない」と躊躇することなく使うシーンがある。
現実でも、RTGの使用は放射能汚染のリスクはあるらしいが、現在の設計では容器が何らかの事故で壊れて環境汚染につながるということはあり得ないらしい。
人類の技術って凄い、という月並みの感想しか出てこないけど凄いよね(笑)
これらのこと以外でも、しっかりと検証がされた上での演出だから、やっぱり説得力とかが増していると思われる。
SF映画だからと言って、好き勝手やるのではなく、こういう細部にもこだわっていることを知って、よりこの映画が好きになった。
ただ、中には間違いや不正確さがそのまま残されている部分もある。 僕はもちろん、それに気づくことなどできなかったけど、これが分かった人は相当なマニアか、学者だろうと思う。
火星って過酷な場所ってイメージが強いから、嵐とかも地球の何倍もの規模で起こっても不思議じゃないと思ってたけどなぁ…案外そうでもないらしい。
緩急がしっかりとついた内容とその感想
ここからは映画を見た感想(ネタばれだらけ)。
僕はこの映画を見る前から、かなり期待していた。
なんせ宇宙だし! 火星だし! しかもサバイバル! 主演はマット・デイモン!
男の子が好きそうなものが詰め込まれた映画。「ボーンアイデンティティ」のマット・デイモンのアクションとかを見て、興奮しない男の子っているの?
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まだ見ていない人は見よう! マット・デイモンに惚れるから。
で、内容は本当にワクワクハラハラの連続で、2時間映画ではもったいないとすら思った。
まず、序盤も序盤に衝撃を受けた。それがマークの腹に刺さったアンテナを抜くシーン!
火星に取り残されたマークがサバイバルかーと油断していたところに、これ!
僕はこれでも結構グロいのは平気だと思ってたんだけど、そのアンテナの破片を自ら抜き取り治療するシーンは目をそむけたくなった。
腹に小さな穴が空いた程度の描写だったのに、体がゾワゾワしたし、映画館じゃなかったら「あー、あー」と声出しながら見てたと思う(笑)
これはマット・デイモンの演技が良すぎたせい! 本当に痛そうだった。
それからは火星で「DASH村」(アイドルグループのTOKIOが農作業とかするやつ)。居住施設とか僅かな食料はあったけど、それでは到底救助がくるまでの日数はもたないため、感謝祭か何かで使う予定だったジャガイモを栽培して自給自足を目指す。
これはマークが植物学者だからこそ行えたことで、他の船員だと食料危機に陥ってゲームオーバーだったと思われる。
で、このマークの素晴らしいところはどんなに絶望的な状況でも諦めずに、一つずつ問題を解決していこうとする意志の強さにある。
食料をどうすれば調達できるか。水はどうするか。食糧の目途が立ったら、火星から地球と交信するには? 脱出はできるのか? などなど様々な行動を起こす。当然、その中には失敗も多くあるけど、それで立ち止まることなく前へ進む。
その姿がとても眩しく映る。
まぁ映画だからって言ったらそれまでだけど、見る人を勇気付けてくれる映画だから多くの人に見てほしい。
その後、ジャガイモの栽培に成功して、不可能だと思われた地球との交信方法を確立して、順風満帆の火星生活を送るマーク。
でも、それで終わったら苦労はしない。NASAの長官が「このまま順調にいけばいいんだがな…」というフラグを立て、見事にそれを回収していく(笑)
気圧室に小さな穴が空いていて、そこから空気の逆流が起こり大爆発。
それによって、隣室にあったジャガイモ畑は全滅。のんびりジャガイモを食って、救助を待つという作戦は終わりを告げる。
さらに、マークのための補給物質を送るロケットは、マークの現状から前倒しによる前倒しに計画が進められたため、打ち上げた瞬間に大気圏で爆散。
ついには希望が断たれてしまう。
しかし、そこに立ち上がるのがマークの生存を知った船員たち。NASAの一部の人間が立てた航路を元に地球へと帰還せず、そのままもう一度火星へと赴きます。
しかし、そこでも困難の連続。その困難を最後は仲間たちと共に乗り越えていく。
それを見て思ったのが、マークも中々クレイジーだけど、船長も他の船員も中々クレイジーでいかしていた(笑)
宇宙船って爆破しても結構いけるのね、後学のために覚えておこう。いつか僕も緊急事態で爆破させることがあるかもしれないし(妄想)
「オデッセイ」はおススメできる作品(まとめ)
面白かったよ、「オデッセイ」!!
物語も落とすところはしっかりと落ちていて、知らず手に汗を握ってマークを応援したりしていたし、最終的には助かるんだろうと分かっていても、船長とマークが手を取り合うシーンは感動した!
でも一つ疑問だったのが、唐突に現れた中国のロケットの存在。それまでほとんど何の関わりもなかったのに、アメリカに中国が力を貸すという展開が挟まれて少し違和感があった。
まぁそれも不満というほどでもないし、理解できる理由もあったから別にいいんだけど。
そして、最後にマット・デイモンは最高だよ!と声を大にして言いたい。
改めてその演技力に魅せられた映画だった。
宇宙の壮大さ、過酷さとそれに立ち向かう人間が上手く表現されていたし、いう事なし。
それと、映画館で見るときは2Dを選択した方がいいと思う。
僕は「ジュラシックワールド」のときに3Dを選んでガッカリした経験を活かして、2Dで見たけど十分満足できたから。
3Dはまだ表現に微妙なところが多くて、下手すると壮大な風景がただのミニチュアにしか見えないこともあるから、3Dを選ぶ人は注意してください。
では、気になった方はぜひ映画館で火星の過酷さを味わってきてください!
下の本は僕の大好きなサイモンシンが書いている本。宇宙についてわかりやすく説明されていて、一気読みした。