○1話感想
ゴブリンと言えば、RPGゲームの雑魚と思う人が多いんじゃないかな。しかし主人公・ハルヒロが所属するパーティは、その雑魚一匹に苦戦しちゃいます。剣と魔法で冒険するような設定の作品は、世界の破滅とか魔王とか、そいう方向に展開していくのがテンプレ。だけど『灰と幻想のグリムガル』は、そういった王道ファンタジーじゃないみたいです。
「一般人が異世界に放り込まれたらこうなるよ」というのを、これから丁寧にやっていくんだろうか。
最初にハルヒロ達十数人は、何故か一カ所に集められていました。その事と記憶の有無は、グリムガルに来た理由と関係があるっぽいですね。
グリムガルがどういった場所なのか、色々と想像できます。ネトゲの中の世界とか、あの世とか。携帯なんて言葉が無意識に出てくるあたり、元は僕らと同じ世界の住人なんだろうけど。
ハルヒロが所属するパーティは、今のところヘッポコと言われても仕方ない状態。その中でも、弓がヘタな狩人とすぐ泣く魔法使いは、現状戦力外でしょう。
泣いてしまう感情表現は、リアルだなと思いました。
そりゃ、いきなり殺し合いをさせられれば、泣き出す人もいるだろうな。
それと、ゴブリンの食事風景を羨ましそうに眺める姿は、哀れとしか言いようがないw ダ○ジョン飯みたいには、いかないか。
作画は気合い入ってますね。淡い感じの背景が特に綺麗で、キャラデザも気に入りました。
落合福嗣さんの演技については、可もなく不可もなくといった感じです。1話はあまり喋らなかったから、評価が決まるのはこれからでしょう。
話の進行が遅かったのは、そういう作風なんだと納得できましたが、ランタはちょっと喋り過ぎだったかも。
予告を見る限り、次回で大きな展開がありそうです。
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○2話感想
他のメンバーが寝ている時にまで、情報収集をするマナト。「飲まなきゃやっていられない」という本音もあるんでしょう。ハルヒロ達と比べれば大人びている彼も、怒られてばっかりだったと言います。
彼の話や月の色への違和感なんかは、過去の記憶に基づいたものだろうけど、そういう情報を1話から小出しにしてますね。
ゴブリンを殺害する描写は、本当に生々しかった。「実際に生き物を殺せば、こうなるんだろうな」と思わせる表現になっていました。死にもの狂いの気迫に押されるハルヒロ達、その中で出した結果など見所が多かったです。戦闘シーンは、アバンと打って変わって短く感じました。
敵味方ともに痛々しい傷を負うので、攻撃の一つ一つに緊張感があります。ハルヒロが負傷するところと、ランタが止めを刺すところは、見てるのが苦痛になるくらい印象に残った。
ハルヒロ達は、段取りもろくに立てないで、戦闘に臨んでいる事が丸分かりですね。まだ未熟だから、手順を決める事も出来ないのかな? まぁ、しっかり計画を練っても、あれだけ抵抗されれば予定も狂うか。取り囲んで何度切っても、敵は最後まで必死だったし。
たった一体のゴブリンを倒すまでに、相当な苦労をしましたね。
ゆっくりと間を取った表現が多いなぁ。そういうのは好きな方だけど、冗長だと感じる事が偶にあります。多分スタッフは、今の表現が好きな人だけに的を絞ってるんでしょう。
挿入歌が流れた余暇のシーンは、PVみたいでした。台詞一切なしで、あれだけ贅沢に時間を使うのは珍しい。しかも、アバンで時間を多く取った回だったから、余計に長く感じました。僕は許容範囲だったけど、皆さんはどうでした?
望み通り肉を食べているのにションボリするランタ。縫い物をしたり木で飛行機を作っていたモグゾー。2人の描写からは、いい雰囲気が出ていたと思います。ユメは、可哀想なことになってましたが。
ランタが元気な振る舞いに戻ってたけど、やっぱり空元気なんだろうな。
OPが未完成っぽいのは、色んな意味で不安です。制作が遅れているんだろうか。それとも、数話以内に大きく変更する理由があるんだろうか…。
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○3話感想
モグゾーの料理は、とっても美味しそう。ただ、貧乏生活とか言ってる割には、食材が豪華に見えるw
アバンでのやり取りには、何だか癒されました。昔の4クールくらいあったアニメは、こんなテンポで進む作品が多かったな。雨の中で足止めを食っている時に、顔を引っ込めるシホルのシーンなんかも、懐かしい感じがする描写でした。
覗きの件は、シホルが引きずってるのは分かるけど、ユメも相当根に持っていますね。当たり前かw
ハルヒロは、前科がある鬼畜王ランタから女子二人を救うも、「おしい」と思わず呟いてしまいます。
シホルとマナトが、ラブコメしとる。ランタもユメに気がありそう。風呂の壁に上ってた時、小っパイをしっかり見てたからね。彼も壁も、まだまだ若いって事か。ユメには、モグゾーの作った彫刻でも渡せばいいでしょう。
そんな彼らは、寝込みのゴブリンを襲う事に。段々と手慣れてきたのはいいですが、やっぱり殺害シーンはエグイ表現に仕上がっています。
ゴブリンが持っていた銀貨は、人間から奪い取ったものなのかな? ゴブリン達も、貨幣として使ってるのか。それとも、記念品やコレクションくらいの感覚で持っているんだろうか。
パンツ一枚買うまでの道のりが長かったw ハルヒロも値切ったりして、大分グリムガルでの生活に慣れてきたようだ。
生活感が漂う市場での光景。露天で売り買いするシーンには、妙に気が惹かれます。パンツを洗う描写にも生活感がありました。でも、男がパンツを洗う光景に興味は無いです。
久しぶりの買い物をして、パーティの雰囲気が良くなってきました。でも、マナトが不思議な発言をします。
「お金を貯めたら、スキルを覚えてみたらどうかなって」
え? あの世界のスキルって、金で買うのかよw 変なところだけゲームっぽい作品だ。教習所みたいなところがあって、指導料なんかを払うって事なのかな。
「仲間扱いしてもらえる人間じゃない気がする」
こんな事を思っているマナトは、元の世界でどんな人間だったんだろうか。グリムガルでは、ちゃんとリーダーをしてるけれど。
3話もゆっくりと話が進みましたね。もうそろそろ、衝撃的な展開があるんじゃないかとビクビクしながら見ていたので、放送時間が終わると同時に安心しました。でも、来週あたりに何かありそうで怖い気もします。一部のキャラがよく口にする「~な人間だった気がする」という言葉。それが、フラグに聞こえちゃうんですよ。
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○4話感想
朝方、ようやく会話出来たマナトとシホル。倒れた女子を抱き止めるとか動物好きの台詞とか、ベタな描写が続きます。でも違和感は無くて、静かに始まりました。
やっぱり、落ち着いた雰囲気や何気ない会話を楽しむアニメなんだな。シビアな描写も売りだろうけど。
スキルを覚えて、順調にゴブリンを狩るハルヒロ達。嬉々として止めをさすランタは、少し暗黒騎士らしくなってますね。
この時はまだ、「ファイト、一発」と言ったりして、和気藹々としてました。
何度か、マナトが空を見上げる描写。そして彼は、仲間達一人一人に話しかける。
スルーされるハルヒロ。でも、それを聞く機会はいくらでもある。そう思っていたのも束の間、ハルヒロは敵から矢を受けてしまう。傷の痛みから出される悲鳴は、本当に痛々しかった。
マナトが散々フラグを立てていたから、この時は「ついに来たか」と思いました。でも、ハルヒロが間一髪で助けた後に冗談を言い合ってたから、今回も生き残ったか~と気を抜いた途端、背中に矢を受けて呆然。
そこから先は、足早に展開していきました。崩れ落ちたマナトを見て、慌てふためくパーティ。
「ゴメンな」
「頼む」
これが、末期の言葉に。RPGゲームなんかだったら、教会や神殿などで復活させてもらえますが、グリムガルではそうもいかないようです。
マナトの死に対する仲間達の反応も、妙に生々しかった。どう反応していいのか分からない、といった感じが、よく表れてましたね。
いつか来ると思っていた仲間の死ですが、マナトは呆気なく逝ってしまいました。これからも、4話のような緊張感を保ったまま続いていくんだろうか。
「タイトルの灰って何?」と思っていたけど、こういう意味だったのか…。
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○5話感想
マナトを火葬した後、気が滅入ってしまったハルヒロ達。アバンでのランタの発言は、言い方が悪かったかもしれないけど、誰かが言わなければいけなかった事。ユメの反応も、間違っている訳では無いんですけどね。
人一人死んだんだから、ああいう風になるのは仕方無い。
飲んだくれるハルヒロ達。普段は空気を読まずに喋り過ぎるランタも、酔うと丁度いい感じになる。愚痴ったり、マナトの事で喧嘩をする描写は、「普通の人の反応」という感じがしました。
後、モグゾーは怒ると怖い。
「そ・の・ま・え・にィ~。おまえ等の名前なんだっけ? メンゴw メンゴw」
キッカワ、チャラい。でも暗い雰囲気を、彼の言動が吹き飛ばしてしまった。いいキャラしてるわ。
ハルヒロ達は、神官が狙われやすいという基礎的な知識を得ます。「そんな事も知らなかったのか」と言いたいところだけど、情報収集はマナトしかして無かったみたいだから、恐らくハルヒロ達に気を遣って伝えなかったんでしょうね。自分は危険なポジションだよ、と。
マナトも抱え込み過ぎだったし、ハルヒロ達も頼りすぎだった。
そして女性陣に相談もせず、新しい神官・メリーをパーティへ入れる事にした男連中。
協調性0の彼女に、ランタすらもタジタジ。俺に謝れと言った後、何故か自分が謝り始めるくらいタジタジ。
でも言ってることが、一から十まで間違ってるわけじゃない。(状況にも寄るだろうけど)神官は後方に下がるべきとか、軽傷を無闇に治してMPを枯渇させないとか、彼女の意見は当然の事。それらが出来なかったから、マナトはああなった訳で。
「汚い言葉、使わないでくれる? 耳が汚れるから」
正論。でも、怖い。
レンジに金貨を返すところは、見ていて複雑な気持ちになりました。このハルヒロの行動は、プライドを大事にしたという取り方もあるけど、マナトの死にお金を結びつけなく無いという純粋な気持ちとも取れる。
多分レンジは、只の香典のつもりだったんだろうけど、言い方が悪いよ。テーブルに金貨を落として、「くたばったらしいな、見舞いだ。とっとけ」は、ちょっと。
しかしレンジ達は、強キャラ感出しまくってますね。強キャラ感というか、実際に強キャラなんだろうな。
最後のハルヒロとユメのシーンは、高ぶった感情がうまく描写されていました。尺も結構取ってるのに、長いと感じなかったですし。そのおかげで、ちょっと分かり難かったユメの話にも、味が出ていたんだと思います。
まぁ、いいシーンなんだけど、事後にしか見えないねw
そりゃ、シホルも勘違いするわ。
5話は、4話までよりも格段に面白かったです。4話までのゆっくりとした感じも嫌いじゃなかったけど、今回は描写によってうまく緩急がついていたと思います。