
オーストラリアのビクトリア博物館では、オーストラリア最長のナナフシの繁殖プロジェクトを行った。その結果、世界初となる、人の手によるナナフシの人工飼育に成功したそうだ。
博物館の展示会コーディネーターのマイク・フィーデルさんは2014年9月、ケアンズ近郊の熱帯地域で体長50cmもある巨大なナナフシを発見。オーストラリアにおける巨大ナナフシの記録を塗り替えた。
レディ・ガガと名づけられたこのメスのナナフシは、発見時は余命いくばくもない状態だったという。どうしてもこのナナフシを存続させたい!世界最長のナナフシを世に送り出したい!そんな科学者たちのロマンとか熱意が通じたのかどうかはわからないが、このナナフシのメスは12個の卵を産んでくれた。そして産まれた卵は最善の状態で管理された。
「卵を持ち運びできる容器で保管し、堆肥と砂を半々の比率で混ぜ、週二回水で湿らせました」と説明してくれたフィーデルさんは、どんなナナフシの卵も絶対に諦めない覚悟で取り組んだという。

完璧な状態で卵を保ち続けることはとても難しく、数々の試練があったが、6ヶ月後には、1つめの卵が孵化し、その後7個すべての卵が無事に孵化した。4個がメスで3個がオスの卵だったという。
孵化から18ヵ月後、7匹のナナフシは成人期に入り、世界で初となるナナフシの飼育下繁殖プログラムの下、卵を産んだ。さらに、メスの4匹はすべて母親の体長を超えるほど成長し、その中の1匹は、最高記録となる56.5センチにもなるという。またオーストラリアで最長の昆虫の記録を塗り替えることとなった。
世界記録を更新する可能性も
現在、世界一とされている最長の昆虫はボルネオ島のナナフシ科で、その長さは56.7センチ、ロンドンの自然史博物館で保管されている。しかし、フィーデル氏は、このレディ・ガガとその子供こそ世界最長のナナフシ科の昆虫ではないかと考えている。
「自然界では常にほかの固体より大きくなる固体がいるため、偶然見つかった異常的な大きさの固体を記録の基準として捕らえることはできない。しかし、ある種がつねに大きいと分かれば、その昆虫こそ世界最長の昆虫と認定されるべきではないだろうか」とフィーデル氏は語っている。
幸運なことに、巨大ナナフシたちは植物しか食べない
この繁殖プログラムを継続するため、研究者たちはさらに多くの野生の個体を採取する予定だ。オスはメスよりも見つけやすく、博物館に役立つ遺伝的多様性を提供できる可能性にもつながる。また、そのことでほかに存在する昆虫も見られる可能性が増える。

「我々は、この自然界に存在しているすべての生物を把握できていない。もしかしたら、さらに巨大な昆虫がいるかもしれない。まだまだ未知の巨大生物が潜んでいるということ思うと胸が躍る」
希少種を育てることは簡単な仕事ではない
飼育下のナナフシたちにとって最適な環境は何かを研究するには、多くの実験と失敗が伴った。
「生物学と生態学の観点から見ると、野生のナナフシについてはすべてが謎に包まれていた。野生下では、どんな植物を食べるのか、寿命はどのくらいなのか、すべて手探りで調べなければいけなかった」
そんな状況下で希少種のナナフシを育てることはとても困難が伴いストレスも限界に達したという。生後3ヶ月のころ、ナナフシたちは餌として与えていたユーカリの葉を食べなくなり、気温調整されている部屋で昏睡状態になったりもしたそうだ。
フィーデル氏はいろんな方法を試し、最終的にはエネルギー減となる加糖を摂取してもらうため、薄く切ったリンゴを手で与えた。それによりナナフシたちは無事に回復を遂げた。

現在、ナナフシたちはビクトリア博物館で展示され、元気に地元のユーカリの葉を食べているという。
「もし十分な卵を産んでくれたら、彼らに最適な環境下で育てることもできるかもしれない。そして、孵化から成人期までの成長をドキュメンタリーとして収め、9ヶ月で世界記録を塗り替えることも可能かもしれない」とフィーデル氏は、世界記録の更なる更新に意欲を見せている。
via:sbs・translated melondeau
巨大昆虫とか憧れちゃうので科学者の気持ちもすごくよくわかる。だがあまりいろいろやりすぎちゃって人の手に負えない昆虫とかが生まれて来たらと思うと、それはそれでやっぱワクワクしちゃうわ。
ナナフシ(七節、竹節虫)は、節足動物門昆虫綱ナナフシ目に属する昆虫の総称。草食性の昆虫で、木の枝に擬態した姿が特徴的。
体は暗褐色または黄緑色。頭部は小さく、上から見ると方円形をしている。成虫は夏に出現し、ナラやエノキの樹上にすみ、ユーカリの葉を食べる。日本では本州、四国、九州に分布する。
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コメント
1. 匿名処理班
…何で枝育ててるんですかね
(うひぃ
2. 匿名処理班
ナナフシ、でかっ!
3. 匿名処理班
レディ・ガガという名前が気になってしょうがない。
4. 匿名処理班
昔に飼育して昆虫ゼリーあげて死なせた記憶がwww
5. 匿名処理班
なぜレディ・ガガ・・・
6.
7.
8. 匿名処理班
ナナフシにスイッチ入っちゃったか…罪深いな
9. 匿名処理班
豪州住まいだが、30 cm くらいのナナフシはよく見かける。あと、以前、1度だけだが、体長 25 cm ほどのカマキリを見たことがあって、大いに驚いた。これも繁殖してほしい。
10. 匿名処理班
このデカさで大量繁殖したらちょっと怖い
11. 匿名処理班
ナナフシちゃん可愛く無い!??めっちゃ飼いたいんだけど。
これって自分だけ?なんで枝の形してるの?隠れきれてないよ?
かわいいww
12. 匿名処理班
私もナナフシ好きだけど昔
山口で樹の下に車駐車していたら
翌日20匹くらいのナナフシが
屋根に取り付いてフニフニしてるのみて絶叫したわ
動画とっとけばよかった。
13. 匿名処理班
腕に掴まってるの見ると人の血を吸ったりする生物でなくて心底良かったと思うわ
にしてもこのサイズといい動きの鈍さといい、鳥からすると食いでのあるご馳走だなぁ
14. 匿名処理班
レディガガというよりツイッギー
15. 匿名処理班
このでかさで壁にはりついてたら間違いなく悲鳴あげる
16. 匿名処理班
やっぱナナフシかっこかわいいなあ。なかなかいないから、子供のときは見つるとめっちゃテンションあがったな。
巨大生物ってロマンがあるよね。ぜひこの調子でありえんほど大きなナナフシを生みだして欲しい。
17. 匿名処理班
ナナフシ、うちの回りでたまに見るけど勿論こんなにでかくないし色は黄緑色だわ
虫怖いから日本で良かったわ…
18. 匿名処理班
あまり大きな昆虫がいないのは地球の重力の大きさと酸素の量が関係してるらしい
中生代は酸素がもっと多かったので大きな昆虫がいた
19. 匿名処理班
やっぱユーカリなんかw
20. 匿名処理班
見た目が枝過ぎて気持ち悪くない
でかい昆虫なのに
21. 匿名処理班
オーストラリアだけ別の惑星みたいに生物が巨大なのはなんなのか
22. 匿名処理班
ナナフシって初めて見たとき感動したなー。こんな擬態する生物がいるのかとワクワクしたもんた。
それがこんなにデカイとは、感動も相当なもんだっただろうけど、卵から育て上げちゃうとか、大きな子供の発想だね!
そんな事に全力を注ぐだけの心の余裕が欲しいぜ
23.
24. 匿名処理班
>7匹のナナフシ
なんかゴロが良いな
25.
26.
27. 匿名処理班
キングコングに出てくる巨大昆虫は嫌だな・・・
28. 匿名処理班
動きがトロいからまだいい
恐竜時代の1メートルのごきさんや2メートルのトンボがまだいたらたまったもんじゃない
29. 匿名処理班
田舎に住んでた時にナナフシを捕まえたことがある。ひょうきんな顔に棒のような形で動きがのんびりとしていてとても面白い虫だと思った。
ちょっと都会の方に引っ越した時、ナナフシを捕まえようと思ったことがある。だが彼は違った。ひょうきんな顔ではあるがモノ凄く激しく、そして素早く動いた。偶然だと思った。しかし別の場所で見かけたナナフシも恐ろしい動きをした。あの姿形でゴキブリのように動くさまは私の知っているナナフシではなかった。私はここで初めて、ナナフシはキモイ虫であると知ったのだ。
どうやら一定の条件下ではナナフシはのんびりとした性格になるらしい。
まぁ見てる分にはカッコ可愛くて好きなんだけどね。
30. 匿名処理班
恐竜時代でも1mのゴキブリや2mのトンボなんていない
これまで確認されてる最大の昆虫が60〜75cmのトンボだし
31. 匿名処理班
すごいな、すごいけども無視嫌いにはたまらんな
ひぃぃぃぃいいいい
32. 匿名処理班
三年前の鷲羽山ハイランドでけっこうな量のナナフシいたわ。
33. 匿名処理班
枝の妖怪って説明されたら信じる自信ある
34. 匿名処理班
ぼーん でぃす うぇい!
35. 匿名処理班
節足動物ではまだマシなほう
36. 匿名処理班
恩返しにフィーデルさんそっくりに擬態するナナフシも登場したり