今日の横浜北部はまたしてもよく晴れております。
さて、前回の放送(
http://www.nicovideo.jp/watch/1455102138)でも触れた、イギリスのエコノミスト誌による、中国人民の「傷つきやすい感情」について調べてみたという内容の、皮肉のスパイスが良く効いた記事の要約です。
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可哀想な中国:あんなに巨大でとんでもなく傷つきやすい16-2/6 The Economist
●今年の1月のことだが、スウェーデン人のピーター・ダーリン氏が北京で逮捕された後にテレビで「
私は中国人民の気持ちを傷つけてしまいました」と公開で「告白」をしている。
●この告白にはいくつかの不穏な側面がある。それは、北京で法律事務所を運営していたダーリン氏(彼は後に国外追放となった)に圧力がかけられていたことも含まれる。ただ、北京政府はなぜこのような言葉を彼に言わせたのだろうか?
●もちろん中国以外の国、とりわけ独裁的な国も、その国民の感情の状態について怒りを表すのを好む場合が多い。ところが
中国はこのような「正義の怒り」を表現することにかけては世界をリードする存在だ。
●香港大学の中国メディアセンターのディヴィッド・バンダルスキーは、中国共産党の代弁機関である人民日報に書かれた「
中国の人民の気持ちを傷つけた」という言葉を調査し、それが
1959年から143回使われたことを突き詰めている。この言葉は、この年にインドとの国境紛争の時に共産党がインドを非難する際に使われたのが最初である。
●それ以降で最も中国にこの言葉で非難を受けた国は、
51回で日本が1位、そして35回のアメリカが2位だ。
●ところがその言葉を受ける国は、何も隣国やライバル国である必要はない。小さなカリブ海に浮かぶ島国であるセントルシアは、
2007年に台湾と国交を回復したおかげで、中国の13億人の気持ちを傷つけることになったのだ。ただし中国人のうちの何人がこの国の名前を聞いたことがあるのかについては不明である。
●他にも例はある。1970年代に毛沢東に対して無礼を働いたアルバニアや、1982年にテニス選手がアメリカに亡命した時、そして1999年のベルグラードの中国大使館に対する誤爆事件でも、中国人民の気持ちは傷ついたのだ。
●ところがこの調査によって判明したのは、
中国の人民はとくに以下の3つのことによって傷つくということだ。
一つは台湾に対して友好的な態度をとること(28回)、もう一つはチベットの苦境に同情を示すこと(12回)、そして第二次世界大戦の結果を受け容れないこと(日本によって多数回)である。
●奇妙なことに、 中国の人権侵害についての不満の表明はほとんど無視されており、人民日報はこれに関する問題で「傷ついた」と表記したのは、
たった2回だけである。
●人民の怒りというのは、それが本物かどうかはさておき、極めて「使える」ツールである。なぜならこれによって、
中国共産党は他国の国内問題への不介入の原則を無視することができることになるからだ。たとえば中国共産党は、日本の政治家たちが戦犯を含む人々が祀られている靖国神社を参拝すると非難するのだが、
党自身は人民たちに自ら感情を表現させることはほとんどないのだ。
●ところが彼らは「
人民の自発的な感情表現は党の支配体制に対する脅威である」と考えており、その支配体制を失うことは
本当に傷つくはずだからだ。
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中国の偉大な人民は傷つきやすいんですね。優しく扱わないとダメ、ということです。
この記事が本当であれば、一番中国の人民が傷つくのは、
「
日本の首相が靖国神社にダライ・ラマを呼んで、台湾の独立を話合う」
ということになるんでしょうか。たしかにこれだと人民はボロボロに・・・・


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