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視聴者からは批判の声も出た 田代まさしNHK出演の衝撃

週刊文春 2月10日(水)12時1分配信

 清原逮捕の翌日、2月3日のNHKニュースウオッチ9に元タレントの田代まさし氏(59)が出演。薬物依存の恐ろしさを経験者として語った。

 覚醒剤やコカインなど薬物関連で逮捕されること過去4回。一昨年の夏に刑務所を出て以降、薬物依存者の更生施設「日本ダルク本部」の職員として働きながらリハビリ生活を送る田代氏は、NHKを皮切りに、その後も「Nスタ」(TBS系)、「とくダネ!」(フジ系)など、3日連続でVTR出演。

「いまだにやりたいという瞬間が訪れてしまうのがクスリの魔力」「(清原が入手元を明かさないのは)出所したら次に頼めなくなるから」

 経験者ならではのリアルな発言内容もさることながら、衝撃だったのは、その容貌と語り口だ。力の失せた両眼に荒れた肌、弛み出た腹部、時おり呂律が回らなくなる滑舌。

「取材は更生施設内、本人はリハビリ中、という体(てい)でなければ、とても電波には乗せられないと思いました」

 民放スタッフがそう言うのだから、口火を切った天下のNHK内はいかばかりか。

「放送後、主婦層を中心に『反省しているとは思えなかった』、『繰り返し逮捕されている人を出していいのか』といった意見が寄せられた。局内でも、本当にクスリが抜け切れているのかを不安視する声も出た」(NHK職員)

 ともあれ、久しぶりに姿をみせた田代氏が、薬物常習者の成れの果てを身をもって視聴者に刻み付けたのは確かだ。

 取材を許可したダルク本部の近藤恒夫代表が語る。

「薬物依存者の排除は再犯に繋がる。清原の味方をできるのはお前くらいだろうと。もちろん、田代は出所してからやっていませんよ。呂律が回っていなかったのは、後遺症でもなく、精神安定剤を処方されているからです。緊張すると手は震えるし、人がみれば『またやっている』と言われるかもしれませんが」

 だがこの先、2度と過ちを繰り返さない保証はどこにもない。近藤代表が続ける。

「田代に教えているのは、『もうやめました』とは絶対に言うな、ということ。自分はクスリに勝てない人間だと認めるのが大事で、明日やるかもしれないけど、今日はやらない。それを繰り返して“やめ続けていく”んです」

 清原にも、同じ道が待つ。


<週刊文春2016年2月18日号『THIS WEEK 社会』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:2月10日(水)12時6分

週刊文春

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