経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の教え

弾けた黒田バブル

2016年02月11日 | 経済
 バブルは弾けてみて分かる。昨日の日経平均は一時15,500円を割り、異次元緩和第2弾前の水準に戻った。結果として、金融緩和によるバブルだったわけだ。2014年10月末のハロウィン緩和から、順調に経済が成長していれば、実体が株価に追いついていたかもしれないが、週明けに公表される10-12月GDPは、2015年度の8兆円の緊縮財政もあり、2015年1-3月期の529兆円を下回るだろう。金融緩和と緊縮財政の組み合わせはバブルを作る。

 一方、ドル円は、115円と書こうと思ったら、朝方に113円台前半まで来ている。2014年10月は111円台だったから、幾ばくかは効果が残っている。もっとも、円安による輸入品の値上がりは、消費の増大で物価が高まるのとは逆に、国民生活の水準を低下させてきた。脱デフレは、物価が上がりさえすれば良いというものではない。円安が設備投資や雇用・賃金の増加に結びつかないと意味がない。

 月曜には12月毎勤が公表されたが、季節調整済指数で見ると、現金給与総額は、8月以来、まったく伸びなくなった。10-12月期平均の前期比は、7月が高かった反動もあり、-0.7と落ちている。常用雇用は、鈍りつつも、前期比+0.4を確保したものの、結局、常用雇用×給与総額は、前期比-0.4となった。これでは、10-12月期の消費が低迷し、GDPがマイナス成長に陥るのも仕方ないだろう。

 また、1月の景気ウォッチャーは、現状の季節調整値が48.5と、前月より2.0低下して50を割った。先行きも同様に49.4と、1.7の低下だった。分野別でも、軒並み50を下回っており、雇用関連だけが50以上を維持している。こうしたことから、景気の10--12月期の不調ぶりは、年明け以降も続いていると見るべきであろう。あとは、最後の砦である雇用が持ちこたえられるかである。


(今日の日経)
 米利上げペース減速示唆。日経平均1年3か月ぶり安値、円高一時113円台。長期金利・ゼロ%挟み乱高下。経済教室・新自由主義的政策の是正必要・Sルシュバリエ。
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