竹野内崇宏
2016年2月11日05時13分
脊髄(せきずい)を損傷した患者自身の骨髄から採取した幹細胞を使って神経の機能を再生させる治療法について、厚生労働省は10日、画期的な効果が期待できるとして、承認審査の期間を短縮する「先駆け審査指定制度」の対象とすることを決めた。脊髄損傷の患者は国内に約20万人いるとされ、リハビリ以外に有効な治療法がほとんどなく、新しい治療法が求められている。
制度の対象になると、事前調整を進めることで通常1年程度の審査期間を半年程度に短縮するなど、優遇措置を受けられる。
この幹細胞治療は、札幌医科大が開発。脊髄損傷を対象とした初めての再生医療の臨床試験(治験)が進められている。患者から骨髄液を数十ミリリットル採取し、神経や骨、筋肉などになる能力を持つ「間葉系幹細胞」を取り出す。1万倍に培養し、患者の静脈に注射する。傷ついた神経に集まって、神経の働きを取り戻すという。
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朝日新聞社会部
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