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超ロジカル思考 発想トレーニング

セブンイレブンだけがなぜ売れるのか?
鈴木敏文氏の仮説検証力

高野研一 [ヘイ コンサルティング グループ代表取締役社長]
【第3回】 2016年2月11日
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Photo by Kazutoshi Sumitomo

 情報革命後の目に見えにくい世界を見通すには、仮説(仮の答)を立てて検証する力が求められる。今回登場いただくのは、口を開けば「仮説」と「検証」という言葉がでてくることで有名な、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEOである。

 鈴木氏は仮説の設定と検証を通じて、セブン-イレブンを日本で大成功させた立役者だ。アマゾン・ドット・コムがセブン-イレブンの店舗に配送用のロッカーを設置させてほしいと頼み込むほど、情報革命後の世界においても存在感を発揮している。ここではセブン-イレブンを題材に、次のエクササイズに取り組んでもらおう。

【エクササイズ】
Q:セブン-イレブンの1店舗あたり売上高は67万円と、他のコンビニの50万円台前半の水準を圧倒しています。この違いがどこから生まれてくるのか考えてみましょう。

(ヒント)目に見えるところだけを見ていては、なかなか違いに気づきにくいでしょう。

店づくりは他社とほぼ同じ
勝因はそれ以外の“ある差別化”

 コンビニの店舗に入ると、どこも同じような広さで、同じような什器、同じような品揃えの店が多い。このため、自分が入った店がゼブン-イレブンなのかローソンなのか、ファミリーマートなのか、最後まで気づかないことすらある。小売業や外食業には、「フォーマット」と呼ばれる店づくりの成功パターンがあるからだ。コンビニ、スーパー、ファミレス、牛丼チェーンなど、タイプ毎に店づくりの成功パターンが解明されてきており、系列は違えども、似たような店づくりに収束していく傾向がある。

 ところが、1店舗あたりの売上高を見ると、セブン-イレブンは67万円と、ローソンの55万円、ファミリーマートの53万円を圧倒している。その原因は、店づくり以外のところにあるということになる。それがここでの問いである。

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高野研一[ヘイ コンサルティング グループ代表取締役社長]

たかの・けんいち/神戸大学経済学部、ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)、シカゴ大学ビジネススクール(MBA)卒。大手銀行でファンドマネジャーを経験した後、コンサルタントに転じ、マーサー・ジャパン取締役等などを経て現職。『超ロジカル思考』(日本経済新聞社)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)、『勝ちグセで企業は強くなる』『グループ経営時代の人材マネジメント』(ともに東洋経済新報社)など著書多数。


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変化が激しく、先が見えない世界でビジネスを行う場合、ロジカルに最適解を求めようとしても出てこないことが往々にしてある。そうした「正解のない世界」を勝ち残ってきたビジネスの天才たちは、どのような能力を持っているのか。我々がロジックを超えた直観力を身につけるには、どうすればいいのか。

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