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 文部科学省は10日、理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」(神戸市)の後継機(ポスト京)について、基本設計の概要を発表した。計算速度を重視するこれまでの姿勢を改め、社会的、科学的な成果を出せる実用性を重視する。今後、理研と富士通で詳細設計を進める。

 高い計算能力は目指すものの、省エネと使い勝手、画期的な成果を合わせた「総合力で世界最高性能を目指す」とした。中央演算処理装置(CPU)は、研究に応じた様々な計算手法に対応できるものを開発する。計算速度は当初想定していた京の100倍には達しない見込みだが、ソフトも含めた性能で最大100倍を目標にする。

 こうした開発を進める背景の一つは運用費の高騰だ。スパコンは大量の電気が必要で、京は1日700万円弱かかっている。世界の速度競争も、速度の伸びに省エネ性能の向上が追いつかず、近年頭打ちになっている。ポスト京では、消費電力は京の約3倍までという上限を設定した。

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